高い所に登ったまま下りられなくなった猫の動画は、ちょっと探せば出てくるもので、エアコンの上とか、天袋の上とか、人が登れる屋根の高さ程度ならば、踏み台や脚立を使って救出できますが、これが高い立ち木からの救出となると、素人にはオススメできないレベルの難儀な技になってきます。
レスキュー隊員時代に猫を含めてさまざまなペットレスキューに携わったという、防災コンサルタントのサニー カミヤ氏が、危機管理とBCP(事業継続計画)の専門メディア「リスク対策.com」にて連載中の「ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために」の最新記事にて、「高所から下りられなくなった猫の助け方」を紹介しています。2連はしごやはしご車が使えない場合の救出方法として挙げられたのは、以下の5つ。
1、呼び寄せによる救出
2、木を切り倒して救出する方法
3、放水による救出
4、ケージを使って捕獲する方法
5、木を上っての救助方法
項目だけ見ると簡単そうですが、元記事のカミヤ氏による各方法の手順や解説を読み解くと、いずれも素人がその場で行えるものではないことがよく分かります。文言だけでも大変分かりやすい上に、いくつかの救出方法にはYouTubeの動画も掲載されていますので、自分で行うかどうかは別として、猫レスキューがいかに難事かを理解するうえで役立ちます。以下の動画は「5」の一ケース。下りられずに不安げに木にたたずむ4歳の黒猫さんを、30フィート(約9m)の高さから救出する様子です。
こちらの動画は、アメリカ・ノースカロライナ州でキャットレスキューを生業としているPatrick Brandt氏による救出記録で、ツリークライミングの技術を用いて高所猫救出を行っています。
ちなみに、カミヤ氏の他の記事によれば、日本では上記のようなキャットレスキューを行っているのは、消防士になるとのこと。東京消防庁の「第68回東京消防庁統計書一覧(平成27年分)」では、危険排除等活動として哺乳類の救出等で出場した件数は569件(第42表・P86より)。カミヤ氏の電話取材による、そのペットレスキューの内訳はこちらにありますので、合わせてご参考にどうぞ。
猫の飼い主としては、血気にはやって救出を試みて、ケガを負ってしまう事態に至らぬための事前知識ということで、頭に入れておくといいかと思われます。ペットレスキューを誰が担うか、という問題についてもカミヤ氏の考察についても触れられていますので、猫ジャーナルとしても後学のために熟読いたしたいと存じます。
[高所から下りられなくなった猫の助け方/リスク対策.com via 読者投稿]
情報提供元: 猫ジャーナル