猫は言葉を理解している?

猫が言葉を理解しているのかどうかは、長年研究者の間で議論されてきた興味深いテーマです。かつては、猫は犬ほど人間の言葉を理解できないと考えられていましたが、近年の研究では、猫の認知能力の高さが明らかになりつつあります。

特に注目すべき研究結果として、猫は人間の言葉の意味そのものを完全に理解しているわけではないものの、特定の単語やフレーズを、声のトーンやイントネーション、そして状況と関連付けて学習しているようです。

日本の研究チームが行った実験では、猫が自分の名前と似たような発音の言葉や他の猫の名前を聞き分けることができるという結果も報告されています。

また、「子供より言葉を覚えるのが早い」という点については、ある研究で、猫が新しい単語と画像を関連付けるスピードを人間の赤ちゃんと比較した結果、猫の方がより少ない回数でその関連付けを学習したという報告があります。

ただし、この研究では、猫が飼い主の声で3音節の単語を聞いていたのに対し、赤ちゃんは見知らぬ人の声で1音節の単語を聞いていたなど、実験方法にいくつかの違いがあるため、単純に「猫の方が言葉を覚えるのが速い」と断言することは難しいでしょう。

しかし、これらの研究は私たちが思っている以上に猫が人間の言葉を聞き、理解しようと努めていることがわかります。

猫は、言葉そのものの意味だけでなく、私たちがどのような感情で話しているのか、どのような態度で接しているのかといったことも敏感に察知し、それに応じて行動を変えていると考えられているようです。

猫にとって「覚えやすい人の言葉」5選

1.名前

猫が自分の名前を覚えやすいのは、その言葉が特定の個体である自分自身と常に結び付けて使用されるからです。

飼い主が名前を呼ぶとき、多くの場合、猫に注目したり、触ったり、ご飯やおやつを与えたりといったポジティブな行動が伴います。

これらの経験を通して、猫は特定の音の響きである自分の名前が、自分に向けられたもので、何か良いことが起こる前触れだと学習します。

また、他の言葉よりも使用頻度が高く、短い音で構成されていることも覚えやすい理由です。

2.ご飯・おやつ

「ご飯」や「おやつ」といった言葉は、猫にとって非常に強い動機付けとなる欲求(食欲)と直接的に結びついているため、覚えやすいと言えます。

これらの言葉を聞くと、猫は美味しい食べ物がもらえるという期待感を抱き、その音と報酬を強く関連付けます。

特に、食事の時間が規則的であるほど、これらの言葉は特定の時間や行動と紐づけられ、より早く認識されるようになります。

3.おいで

「おいで」という言葉を猫が覚えるのは、多くの場合、飼い主の愛情表現や遊びといったポジティブな関わりとセットで使用されるからです。

飼い主が優しい声で「おいで」と呼びかけ、猫が近づくと撫でたり、遊んであげたりすることで、猫はその言葉と嬉しい出来事を関連付けます。

また、ジェスチャー(手を叩く、指をさすなど)と同時に教えることで、視覚的な情報も加わり、より理解しやすくなります。この言葉を覚えることで、猫は飼い主とのコミュニケーションが円滑になり、安心感を得られるようになるでしょう。

4.ダメ

「ダメ」という言葉は、猫にとってしてはいけない行動を制止する際に使用され、その直後に不快な経験(行動の中断、注意を引かれるなど)が伴うことが多いため、学習されます。

猫は、特定の音の響きである「ダメ」という言葉と、その後に続く好ましくない状況を結びつけ、その行動を避けるようになります。

ただし、「ダメ」を効果的に教えるためには、一貫したタイミングで使用し、語気を強くしすぎないことが重要です。体罰と関連付けてしまうと、恐怖心だけを植え付けてしまい、飼い主との信頼関係を損なう可能性があるのでやめましょう。

5.病院

「病院」という言葉が猫にとって覚えやすいのは、多くの場合、他の言葉とは異なる独特の状況と結びついているからです。

キャリーバッグに入れられる、見慣れない場所に連れて行かれる、知らない人に触られる、注射をされるなど、猫にとって普段の生活とは異なる一連の出来事が「病院」という言葉とセットで経験されることが多いです。

そのため、猫はこの言葉を聞くと、過去の経験からネガティブな感情を抱き、警戒したり、隠れたりするなどの反応を示すことがあるようです。音の響き自体よりも、その言葉が意味する状況全体を強く記憶していると考えられます。

まとめ

猫と暮らしていると、言葉が通じているのかと思うような場面は意外と多いのではないでしょうか。

我が家の猫は、名前だけでなく「可愛い」という言葉にもよく反応します。テレビに向かって可愛いと言っても、自分のことだと思い側に寄ってくることも少なくありません。

短く使用頻度の高い言葉であれば、学習してある程度は覚えてくれるようです。言葉とあわせてボディランゲージを上手く活用し、愛猫とのコミュニケーションに役立てるようにしてみましょう。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫にとって『覚えやすい人の言葉』5つ 実は子供より言葉を覚えるのが早い!?