知っておくべき愛猫の『健康データ』3つ 健康なときに調べておくといい理由も
1.肥満チェック
人間と同じように、猫にとっても肥満は大敵です。足腰の負担増による関節炎をはじめ、糖尿病や拡張型心筋症、心臓肥大などの重い病気を引き起こす要因になります。
肥満の多くは、運動不足や栄養過多が原因です。とりわけ、避妊・去勢手術を終えた猫は、ホルモンバランスの変化により、代謝率が低下するうえに、食欲旺盛になり、運動量が減ります。体質的に太りやすくなっているので要注意です。
猫の体型チェックで有名なのは、「ボディコンディションスコア(BCS)」です。肋骨をじかに触れるかどうかなどを目安に、体型がBCS1~BCS5の5段階に分類されています。
肥満レベルに該当するのはBCS4とBCS5で、簡単に説明すると、以下の通りです。
- BCS4(太り気味):肋骨まわりに脂肪がつき、上から見て腰のくびれがほとんどない
- BCS5(太り過ぎ):肋骨、背骨ともに脂肪が厚く、上から見ても腰のくびれがない
ちなみに、理想体型のBCS3は、肋骨をじかに触れるうえに、腰のくびれがちゃんとあって、お腹の弛みも適度、というものです。
自宅で愛猫を体型チェックするときは、「ボディコンディションスコア(BCS)」を基準に、背骨や肋骨まわりを触り、骨に当たるかどうかなどを確認してみてください。
体重を指標にすると、骨格の個体差などがあるため、理想体型に近づけることは難しいですが、ボディコンディションスコアであれば肉付きによる評価であるため、どんな子でも評価の方法が均一でわかりやすい可能性が高いです。
2.おしっこやうんちのチェック
猫の健康状態を知るうえで、おしっこやうんちのチェックは欠かせない作業です。猫は膀胱炎や尿石症、慢性腎臓病など、泌尿器系の病気にかかりやすく、おしっこの異変は特に見過ごせません。
正常なおしっこは、飲水量や膀胱に溜められる量などで個体差がありますが1日1~3回ぐらいの頻度で、薄い黄色、体重1kgあたり50mlくらいが適量です。
たとえば、トイレの回数は多いのにおしっこが出にくい、排尿時に痛がる、血尿が出る、多飲多尿、粗相する、などの変化があったら、泌尿器系のトラブルの可能性があります。
一方、正常なうんちは、1日2回程度で、バナナのように細長く、水分のためツヤがあり、しっかりと形を留めた硬さ。色は、普段食べているフードよりもやや濃いめです。
では、最後に、うんちの異常があった場合、考えられる病気を挙げておきましょう。
- 下痢:消化器系の炎症、消化不良、寄生虫感染
- 便秘:巨大結腸症や腎不全、脱水症状
- 黒っぽい変色:食道や胃、十二指腸(上部消化管)の出血
3.水分摂取量のチェック
前述したように、猫は泌尿器系に問題を抱えがちな動物です。膀胱炎や尿石症、慢性腎臓病を未然に防ぐためには、日頃から適量の水分摂取が鍵を握ります。
1日に必要な水分摂取量の目安は、体重1kgあたり約50ml。たとえば、4kgぐらいの猫だと約200mlが基本ラインです。
それ以上の量をガブガブ飲み始めたら、慢性腎不全や糖尿病、甲状腺機能亢進症などの病気の疑いがあります。すぐに動物病院へ連れていきましょう。
1日の水分摂取量を計る方法は簡単です。まず、計量カップで飲水用の器に注いでください。1日経った後、残った水を計量カップに回収すると、実際に飲んだ量がすぐに出てきます。
飼い主さんの願いとは裏腹に、猫はあまり水を飲みたがりません。ふらっと立ち寄れる飲水スポットを増やす、あるいは、ウェットフードを積極的に活用するなどの工夫が必要です。
ウェットフードの水分量は一般的に80%前後で、水分摂取量を計算するときは、その分を上乗せしてください。
まとめ
日頃から愛猫の健康データを把握しておくと、病気の早期発見につながります。今回は、数ある中から、取り組みやすいものを中心に3つ紹介しました。
愛猫の健康管理は飼い主さんの大きな責務です。解説したポイントを踏まえたうえで、愛猫の末永い健康のために、日々、お世話に取り組んでみてください。
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