【獣医が解説】夏休みは猫ちゃんにとってストレスフル?夏休みに見られる猫ちゃんのトラブル
夏になると普段とどんなことが変わる?
猫ちゃんはこだわりが強い子が多く、大きな変化を苦手とする子が多いです。
気温の変化だけでなく、夏の長期休みになると猫ちゃんにも関連する変化が各ご家庭で見られること場合があります。
実は気付かないうちに飼い主さんの行動が猫ちゃんに影響を与えているかもしれません。
普段よりも家に人がいる時間が長くなることが多い
猫ちゃんの性格にもよりますが、普段お留守番が多い猫ちゃんは飼い主さんのいない時間も満喫していることが多いです。
お留守番カメラなどを設置してみると、思いもよらないたのしみかたをしていることもあるでしょう。
長期の夏休みや夏の暑さなどでお出かけをせずにお家に普段いない人がいる時間が増えると、猫ちゃんにとっての日常も崩れます。
飼い主さんが大好きで寂しがりな性格の猫ちゃんにとっては、飼い主さんたちご家族が一緒にいられるのは嬉しいことと感じる場合も多いですが、嬉しくてテンションが上がってしまって疲れてしまうこともあります。
室温が高くなる
夏場は猫ちゃんだけでなく、私たち人間も気を付けなければなりませんが、気温が高くなるため、室温が高くなります。
寒さが苦手な猫ちゃんもいますが、室内で起こる熱中症にも注意が必要です。
お留守番時は猫ちゃんが好んでいる場所の室温がどのくらいになっているかを温度計などで把握することや、湿度の高さも不快感や熱中症につながる危険性があるため把握するよう心がけましょう。
エアコンで室温を下げたうえで、毛布などを置いて猫ちゃんが寒く感じたら自身で選択をして暖をとれるような環境が理想的です。
エアコンが苦手な猫ちゃんの場合は、送風の向きや高さなどを変えて調節すると良いでしょう。
来客や普段いない人が家にいることで物の配置などが変わる
普段生活しながら、家にいる時間の長い方は気付かぬうちに猫ちゃんの生活しやすいような空間を作っていることが多いです。
例えば、猫ちゃんの通り道になるような場所に大きな荷物は置かないように心がけたり、普段いる居場所に物を置かないようにする、興味を持ちそうなものをいたずらしやすい場所に置かないようにするなどの配慮は気付かぬうちにされていることで、猫ちゃんが過ごしやすさを感じたり、トラブルを予防出来ている可能性が高いです。
普段猫ちゃんとあまり接しない人が、猫ちゃんがお気に入りの場所を荷物置きにしてしまっていたり、人が多くいるせいで普段猫ちゃんが周りと離れたいときに過ごしている場所が自身だけでいられなくなってしまっていること、猫ちゃんが口にしてはいけないものを手の届く場所に放置してしまっていることなどが猫ちゃんの精神的な負担やトラブルにつながってしまうこともあります。
猫ちゃんにとってのトラブル
では、どんなことが直接的なトラブルとなるのでしょうか。
猫ちゃんは飼い主さんとも一定の距離を保ちたい子が多く、猫ちゃんの小さな変化は気付きづらいことも多いです。
実は水面下で怒っているかもしれないトラブル。
知っておくことで、小さな変化にも注意して観察できる可能性があります。
ご家族と遊ぶことで疲れてしまう
遊ぶ時と一人でいたい時のスイッチの切り替えがある子が多い猫ちゃんたちですが、ずっとご家族のどなたかがいることで嬉しい反面、疲れてしまうこともあります。
飼い主さんとの距離を保ちたい子であれば、余計に気を使ったり、落ち着く時間が作れずに疲れてしまうことも。
食欲不振や元気消失、普段よりもいらだつなどの変化が見られる可能性が高いです。
しかし、必ずしもストレスに直結するわけではないため、健康面の異常との区別をつける必要があります。
変化に気づいたら、まずはかかりつけの先生を受診して、検査などで体調の問題は無いかどうかを確認してもらうように心がけましょう。
熱中症
熱中症は夏の時期に最も注意が必要で、命の危険につながる可能性もある怖いトラブルです。
熱中症というと、気温の高い外で起こるイメージを持つ方も多いと思いますが、室内でも充分起こり得ます。
飼い主さんも一緒に過ごす場合であれば、室内が暑くなりすぎてしまえば温度管理を行なうことができますが、お留守番時は気付かぬうちに室温が上がってしまうことに気づかず、帰宅してから猫ちゃんの様子がおかしいというケースはよく見られます。
留守番時は室温をしっかり下げることと、夏場は特に室内の熱中症も起こり得るため、長期の不在などは猫ちゃんだけの留守番にさせずにきちんとペットシッターさんやペットホテルなどの預かりシステムにサポートしてもらうよう心がけましょう。
誤食トラブル
夏休みは普段お家にいないご家族が猫ちゃんと一緒に過ごす時間が増えたり、長期休みやお盆などのイベントでご家族以外の方がおうちに来る機会も増えるでしょう。
普段猫ちゃんの性格を理解して、お世話をしている人は何に気を付けなければならないかを把握しているため、誤食してしまいそうなものは手の届かない場所に置いたり、どんな仕草をしていたらいたずらをしているかがすぐに気付けますが、猫ちゃんのことを理解していないと難しいかもしれません。
普段お家にいる方が、猫ちゃんが好奇心を持ちやすいものを伝えたり、お客様が来たときはケージの中に入ってもらうなどの対策を取ることでトラブル防止につながります。
何か口に入れていたり、食べ物が置いてある場所をじっと見ていたりしたら教えてもらうなどの情報をご家族で共有しているとトラブルがあった時に速やかに動ける可能性が高いです。
猫ちゃんのトラブルを避けるために
起こりやすいトラブルについてお話させていただきました。
飼い主さんも猫ちゃんにとっても楽しい夏の思い出にできるようにするためにもトラブルは避けられたら良いですよね。
ではどんなことを心がけたらよいのでしょうか。
適切な距離を保つ
まずは猫ちゃんはどんな生き物なのかということにも大きく関連しています。
猫ちゃんは気まぐれな子が多く、一人でいたい時と遊んでもらいたいときのスイッチがはっきりしている子が多く、適切な距離を保つことが大切な生き物です。
そのため、一緒にいられる時間が長くなったからといって、ずっとちょっかいを出したり抱っこをし続けることは大きなストレスになることが多いです。
また、じっと見つめることも、充分な信頼関係が築けていないと、敵視されているのか、獲物として見つめられているのかなどの意図が猫ちゃんにとっても見えず、不快感を感じたり攻撃につなげてしまうこともあります。
お家の猫ちゃんのことをよく知っている方は、ご家族に性格や苦手なことなどを伝えて、ご家族やお客様などが上手に猫ちゃんとの距離を保つことをおすすめします。
猫ちゃんから寄ってきてくれた場合は、そっと触れたりそばにいてあげましょう。
いたずらしそうなものを手に届くところに置かない
猫ちゃんの行動範囲は三次元に及び、高いところも難なく上れてしまう子が多いです。
引き出しの中に入れても器用な子は開けて出してしまったり、知能犯な猫ちゃんも見られます。
普段の行動から絶対に手の届かない場所を把握し、食べてはいけないものや触れてはいけないものは手の届かない場所にきちんと収納しましょう。
鍵付きのボックスや引き出しのロックなど、工夫しても簡単には取り出せないようにしておくと安心です。
お客様が来た時のカバンの中なども勘の鋭い猫ちゃんは狙う場合があります。
そんな場合には逆に猫ちゃんにケージの中に入ってもらうなどの対策も有意義です。
室温を快適に保つ
熱中症対策に欠かせないのが室温や室内の湿度の管理です。
普段猫ちゃんがいる場所の温度や湿度を時間ごとに測定してみましょう。
留守の時に、日の当たり方などで思っていたよりも高温になってしまう場合もあります。
また、扇風機で室温を下げている場合などは注意が必要です。
人間の場合、汗をかくため汗の蒸発する気化熱が関連して涼しく感じることができますが、人間と汗のかき方が異なる猫ちゃんは涼しく感じにくいことが多いです。
エアコンを上手に利用して室温や湿度を下げてあげましょう。
まとめ
猫ちゃんが起こしやすい夏場のトラブルについてお話させていただきました。
あまりお出かけを好まない猫ちゃんの場合、一緒にお家で過ごすことで思い出を作ることが多くなりがちです。
飼い主さんも猫ちゃんも安心して過ごせることで良い時間を共有したという思い出につなげられると思います。
猫ちゃんの性格や特徴を把握したうえで、ご家族で一度対策を考えてみてくださいね。
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