1.野生時代の記憶

野生時代のことを考えると、猫は捕食者であると同時に、被捕食者という二面性を持っています。箱のように狭くて暗い場所は、敵から逃れ、なおかつ、獲物を見つけるのに好都合な場所です。チャンスがあれば、いつでも飛び出せます。

つまり、猫にとって暗くて狭い場所は、攻守を兼ね備えた拠点だということです。

ぬくぬくとおうちで暮らせる今も、ご先祖、リビアヤマネコからの野生本能は受け継がれています。箱の中でじっとしていると、その頃の記憶が鮮やかによみがえってくるのかもしれません。

岩場の隙間や木の洞に隠れ、天敵を警戒しつつ、獲物が近づいたらひとっ飛び。狭くて暗い箱は、まるで愛猫専用のタイムスリップスポットです。箱の中で、サバイバルな想像世界にワクワクしています。

2.ストレス回避術

猫は環境に左右される動物です。自由をこよなく愛する反面、制約や縛り、つまり、不自由な状況を強いられると、たちまちストレスになってしまいます。猫の中では、「平穏無事」が優先順位の高い条件です。

ストレスがかかると、猫は、「闘争」よりも「逃走」を選びます。不快発生源からはできるだけ早く遠ざかる、というのが猫なりの問題解決法です。

人間に置き換えると、話し合いなど持たず、バックパックを担いで、さっさとひとり旅に出るようなものかもしれません。

猫の場合は、別に遠い旅に出なくても、小さな身体、変幻自在の柔軟性を活かして、箱の中へインするだけで十分です。ピッタリ収まるフィット感と、母猫の胎内にいるかのような安心感。きっとストレス回避にはもってこいの場所なのでしょう。何てことない箱であっても、猫からするとリゾート地です。

3.防寒対策

特に寒い季節になると、猫は暖を取るために箱に入りたがります。いろいろ素材はありますが、人気ナンバーワンは段ボール。段ボールは、ダウンジャケットのように空気を多く含む構造のため、断熱性にとても優れています。

もともと猫は砂漠出身ゆえに寒いのが苦手です。飼い主さんの膝の上やコタツ、ストーブ、ホットカーペット、あるいは、電気ポットの上など、ありとあらゆる手を尽くして、冬場の寒さから逃れます。

ただ、飼い主さんの膝の上は時間に限りがありますし、コタツなどの暖房器具は低温ヤケドの心配もあります。電気ポットは急に湯気が出てくるので危険です。

そんなときこそ、段ボールの出番。飼い主さんに左右されず、ヤケドの心配もなく、のんびりと好きなだけ長居できます。

気の赴くままに行動する猫にとって段ボールは、冬の相棒です。やさしい飼い主さんがあったかクッションとふわふわ毛布を仕込んでくれるので、ぬくぬく過ごせます。

まとめ

猫は基本、ハコスキー(箱好き)です。たとえ窮屈そうな箱であっても、ウハウハでチェックインします。むしろ、狭ければ狭いほど挑戦しがいがあると思っているフシさえあるほどです。

今回は、箱への偏愛ぶりを3つのポイントに分けて解説しました。野生の名残、ストレス回避、防寒対策。どれも自身の安全と安心を確保する目的があります。

閉所恐怖症の方は別として、みなさんもたまには暗くて狭い箱に入って、愛猫の気分を疑似体験するのもいいでしょう。意外にハコスキーな一面を発見できるかもしれません。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫が『箱を愛してやまない』3つの理由 狭いほどいい?素材はやっぱり段ボールに限る?