猫の『療法食』は飼い主判断であげてはダメ!正しい与え方や必要になるシチュエーション
猫の療法食とは
猫の療法食とは、特定の病気や健康状態に対応するため、症状に合わせて特別に栄養バランスが調整されたフードを指します。
健康な猫の場合は、総合栄養食のフードと新鮮なお水だけで健康を維持できます。
しかし持病のある猫は、症状に合わせて効果の高い特定の栄養素を補ったり、体の負担となる栄養素を減らす、省くなどした療法食を用いての「食事療法」が必要になる場合があります。
病気の症状に合わせた療法食を食べることで、治療をサポートしてくれるのです。
療法食が必要なシチュエーション
猫は、どのような病気にかかっていると療法食が必要になるのでしょうか。
以下に挙げたのは、療法食が必要な猫の病気の一例です。
- 肥満
- 食物アレルギー
- 糖尿病
- 慢性の腎臓病
- 尿石症
- 消化器系の機能の低下
猫にこのような症状が見られた場合、療法食が必要になる可能性があります。
さまざまなメーカーから多種多様な療法食が販売されていますが、メーカーによって配合されている栄養成分の量や比率が異なるため、猫の病気の症状に合わせた療法食を選ぶ必要があります。
飼い主さんの判断で療法食を与えるのはNG!
猫に療法食を与える際に絶対にしてはいけないことが、飼い主さんの自己判断で療法食を与えることです。
猫の病気の症状に合っていない療法食を与え続けた場合、さらに症状を悪化させてしまう可能性や、他の問題が出てくることも考えられます。
療法食を開始する際は必ず動物病院を受診し、獣医師の指導のもと適切なフードを与えるようにしましょう。
また、療法食は病気の猫や、健康状態に不安のある猫に合わせて栄養バランスが調整されているフードになります。
健康な猫が療法食を食べると、栄養が偏って体調を崩してしまう可能性もありますので、注意が必要です。
多頭飼いのお宅では、療法食が必要な猫と健康な猫の食事はしっかり分けて与えるようにしましょう。しっかりとした食事管理が必要な疾患では、療法食以外を口にすると治療効果が現れないこともあります。
療法食の正しい与え方
猫に療法食が必要になった場合、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
ここからは、療法食の正しい与え方についてご紹介いたします。
先ほどお伝えした通り、猫に療法食を与える際は、まずはかかりつけの動物病院で診察を受けて獣医師の指導のもと与えるようにしましょう。
いつも食べていたフードから急に療法食に切り替えてしまうと、猫が警戒して食べてくれないこともあります。
そのため、猫の様子を見ながら食べ慣れたフードに療法食を少しずつ混ぜていき、1週間~10日ほどかけてゆっくりと切り替えを行ってください。閉塞を伴う尿石症や食物アレルギーなど、急いで食事内容を変更する必要がある場合は、獣医師の指示に従い遷移期間を早めることもあります。
完全に療法食に移行したあとは、愛猫の体調に変化が見られないか、こまめにチェックすることが重要です。
もしも、療法食に切り替えたあとに体調が悪くなったり何らかの異変を感じた場合は、すぐに動物病院に相談してください。
そのほか、療法食の効果を損なわないためにも、給餌量をしっかり守るのはもちろんのこと、フードにトッピングをしたりおやつを与えるのはやめましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、猫の「療法食」の正しい与え方や、療法食が必要な病気についてお話しいたしました。
ひとくちに「療法食」と言っても、さまざまなメーカーから猫の症状に合わせた多種多様なフードが販売されています。
ペットショップやインターネットで気軽に手に入れられますが、決して飼い主さんの自己判断で猫に療法食を与えないようにしましょう。
療法食を与える際は、動物病院で診察を受けて獣医師の指導のもと、適切なフードを与えてください。市販品の中には療法食と似たような効果を表示した商品もありますが、科学的証明がなされていないものもあるため、注意が必要です。療法食に嗜好性や価格などで問題がある場合は、動物病院で相談しましょう。
また、猫の体調が良くなったとしても、飼い主さんの判断で療法食を中断するのではなく、動物病院で相談したうえで獣医師の指示に従いましょう。
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