野良猫が野生動物を襲っている!

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この審議会の答申では「野良猫の殺処分の拡大」「州当局との協力強化」「柵で囲まれた安全な保護区の設置」「野生動物の保護のために野良猫のいない島々を設ける『ノア計画』の実行」などが提案されています。

飼い主にも厳しい規制が提案されています。不妊手術の拡大、登録制度の実施、マイクロチップの装着義務化、強制的な夜間外出禁止などを通じて、責任ある猫の飼い方を奨励する国家戦略の推進を求めているのです。

Fairfax地区選出の自由党議員Ted O'Brien氏が、同審議会の会長を勤めました。彼は猫による野生動物の殺戮がいかに多いかを知ってショックを受けたといいます。

「野良猫1匹が平均で年間1100匹の野生動物を殺しているのが現状です。全体では年に30億匹もの野生動物が被害に遭っています。驚くべきことです。厳しい規制も当然のことです。昨年の山火事で多くの動物が焼け死んだのは記憶に新しいところですが、野良猫は毎年これと同じ規模の被害を与えているのです」

特別なフェンスで野良猫の侵入を阻止

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捕食動物が入ってこられないようなフェンスを設けることは、野生動物の保護に効果があることがわかっています。南オーストラリア州の北の端にある「Arid Recovery野生動物保護区」もその1例です。Katherine Tuft総支配人はこう話します。

「フェンスさえあれば、猫に襲われやすい絶滅危惧種も守られたエリアで繁殖ができ、生息数を増やしていけます。もちろん、普通の家畜用フェンスとは違うので、特別な配慮が必要です。全面に金網を張りめぐらしたり、かなりの高さを設けたりするほか、侵入を防ぐ熱線などを加える必要もあります」

「ここ数年で、2匹ほどの猫がフェンスをくぐり抜けて侵入してきたことがありました。ひとたび入って来た猫を排除するのは大変です。だから毎日、人間が見回って警戒する必要があります。猫は短期間で多くの野生動物を襲いますからね」

規制に賛否両論

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答申をまとめるにあたって、飼い猫の法的規制についての聞き取り調査も行われました。そこでは地域ごとの猫に対する対応策の違いが明らかになりました。

ビクトリア州Wodongaなどでは、地方自治法に基づいて条例を設置し、猫の夜間外出を禁止しています。「飼い猫も犬と同様の規制を行うべき」(Wodonga市)とし、次のような意見があがりました。

「犬を放し飼いにすると、問題が起こることは常識になっています。だからリードでつながれたり囲われた空間にいつもいるのです。でも猫についてはそのような合意がないのが現状です。実際には、猫を出歩かせないほうが、いろいろな面でよいことが証明されているというのに」

これに対してRSPCA(動物虐待防止協会)は反対意見を表明しています。意見書によると、「ニューサウスウェールズ州のコンパニオン・アニマル法の下では、一部の例外を除き、そうした禁止事項を設けること自体が違法である」としています。

今後、この答申を受けた豪州政府がどのような対応をとるのか、注視していきたいですね。

出典:Australian feral cat inquiry delivers final report recommending culling, safe havens, possible curfews


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 野生動物保護のため「猫よけフェンス」の設置を オーストラリアの審議会が答申