猫にほうれん草をあげてはダメ?

猫にほうれん草を与えることは、適切な処理を行えば「ダメ」ではありません。しかし健康リスクを考えると特別な理由がない限り、積極的に摂取しない方が良いと言えます。

そもそも肉食動物の猫にとってほうれん草などの野菜は、重要な「栄養源」とはなりません。さらに人間のように葉物をすり潰す臼歯もなく、食べづらいものです。

健康な猫は総合栄養食を取っていれば栄養が偏ることもありませんので、ほうれん草を食べるとしても栄養の「補助」といったイメージで使うようにしましょう。

猫にほうれん草を与えることで考えられる健康トラブルは?

猫にほうれん草を与えることで考えられる健康トラブルには、次のようなものがあります。

シュウ酸カルシウム結石

ほうれん草はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜として知られています。しかしほかにも、シュウ酸という猫に有害になりうる成分も豊富に含まれているのです。

シュウ酸は猫に尿路結石を引き起こす危険な成分であり、ほうれん草などのシュウ酸が多く含まれる食品を食べることは尿路結石の原因に一つになります。

もしシュウ酸が尿路結晶を形成し大きくなると、尿道を塞ぎ猫に排尿困難や血尿などの症状があらわれます。そして処置が遅れると、尿として排出されるはずの毒素が体に周り数日で命を落としてしまうことも(尿毒症)。

とくにオス猫は尿道が長くカーブしているため、尿路結石になりやすく、重症化しやすいといわれています。また、アメリカンショートヘアやペルシャ、ヒマラヤン、バーニーズなどはもともと尿路結石のリスクが高い猫種なので注意が必要です。

消化不良

ほうれん草といった野菜の多くは豊富に食物繊維を含んでいますが、猫はそれらをうまく消化することができずに消化不良を起こすことがあります。

そのため胃腸が弱い猫や消化器疾患の治療をしている猫は、とくに注意が必要です。

猫にどうしてもほうれん草を与えたいときの正しい方法

必ずお湯で茹でてから

猫にほうれん草を与えるときは必ず水で茹でてから与えてください。これは鉄則です!

ほうれん草のシュウ酸は水に溶けやすいため、茹でてアク抜きすることで約80%のシュウ酸を減少させることができます。茹でる際は、沸騰したお湯に30秒ほどさっと茹でて、その後冷水にさらして冷ましましょう。

電子レンジでの加熱では意味ないので、しっかりお湯で茹でることがポイントです。

与えすぎない

茹で処理をしたほうれん草でも与えすぎはNGです。

いくら茹でたとはいえ、シュウ酸は完全には抜けません。そのため与えすぎると先に述べたような健康トラブルを招きやすくなります。

猫にほうれん草を与えるときは、多くても葉っぱ1枚くらいにとどめておきましょう。

小さく切る

先にも述べましたが、猫は刃物をすりつぶせるような臼歯をもっていません。なので与えるときは食べやすいように小さく切ってから与えるようにしましょう。

【おまけ】ほうれん草だけではない!猫に危険な野菜

猫に危険な野菜には、次のようなものがあげられます:

  • にんにく :猫にとって有害な成分アリシンが含まれている
  • ネギ類:「有機チオ硫酸化合物」という赤血球を破壊する成分が含まれている
  • トマトの葉や茎: 猫に有害な「トマチン」が含まれている
  • アボカド:「ペルシン」という猫に有害な成分が含まれている

これらの野菜はたとえ加熱しても、猫が食べると危険な食品です。各家庭に置いてあるような身近な食品ではありますが、猫が誤食しないようしっかり管理してください。

まとめ

ほうれん草は栄養豊富な食材です。猫も過熱をすれば食べることもできますが、健康リスクを踏まえるとあまりおすすめすることはできません。

また誤った与え方をすると、シュウ酸カルシウム結石を引き起こしたり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。ほうれん草は猫が必ず食べなければいけない野菜ではありませんので、あえて与える必要はないでしょう。

どうしても与えたい場合は量は少なめに、茹でてアク抜きをしたうえで与えましょう。そして猫の様子がおかしいと感じたら必ず早めに獣医師に相談してくださいね。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫に「ほうれん草」をあげてはダメ? 考えられる健康トラブルとどうしても与えたいときの正しい方法