実際のところ、猫はしゃべるのでしょうか?
個人的な感想ですが、しゃべっている猫もいると思います。
昔から10歳を過ぎた猫は人語を話すようになる、という怪奇話も存在しているので、おそらく昔から『猫が人の言葉をしゃべっている』と感じることはあったのでしょう。
本当に人の言葉を理解して、人の言葉をしゃべっている猫もいるかもしれません。
ただ、本当にしゃべっている猫は実際には少ないでしょう。
猫が本当にしゃべっているわけではなく、猫の鳴き声が『しゃべっているように聞こえる』 ことはよくあること。
どうして猫の鳴き声が人の言葉をしゃべっているように聞こえるのでしょうか?
猫の鳴き声がしゃべっているように聞こえる理由をご紹介します。
◆クラッキング
猫が窓の外を見て、小鳥などを『にゃー』という鳴き声とは違う鳴き声で鳴き、呼んでいるのを見たことはありませんか?
猫が小刻みに口を動かし、カカカという音を出したり、ニャニャニャや、クックックッなど、小刻みなリズムの音を出す鳴き声のことを『クラッキング』と言います。
クラッキングは猫が欲しいものに手が届かない時や、興味があるけど近づけない、もどかしい気持ちになった時に出す鳴き声だと言われています。
我が家の猫は『クラッキング』の長さが結構長く、しかも途中で鳴き声が変わっていくタイプ。
文字にするとわかりづらいのですが、『カカカニャニャニャニャニャ…くくニャニャニャ』というように、スタッカートをつけながら長く鳴き声を出すため、何かに対して文句を言っていたり、話しかけていたりするように聞こえる時があります。
猫の短いクラッキング自体は、人の言葉を話しているようには聞こえませんが、クラッキングが長く、色んな発音があると稀に人の言葉を猫がしゃべっているように、人間が感じることもあるようです。
猫が外を見ながら人の言葉をしゃべっている時は、『本当にしゃべっている』わけではなくクラッキングの可能性が高いでしょう。
◆喧嘩している声
猫同士が喧嘩している声は、猫が普段鳴いている鳴き声とはかなり違います。
特に春先や秋口の発情期の最中には、家の外から『マーオ、ワォー!』と猫が威嚇する声が聞こえてきますよね。
私は子供の頃にこの声を聞いた時、猫の声だとは思わず、人間の赤ちゃんか、犬か、お化けの声だと思っていました。
猫の喧嘩している声は『猫の声だ』と知らない人からすると、外で何者かが話しているように聞こえるかもしれませんね。
◆体調不良
猫は体調不良の時に、普段とは全く違う声を出すことがあります。
我が家の例ばかり出して申し訳ないですが、我が家の猫が痔になった時、猫が『わんっ!』『あふっ!』と鳴いて何事?!と驚きました。
猫が体調不良の場合には、あまり鳴かずじっとしているか、喉をならしていることが多いですが、稀に痛みで鳴くこともあるようです。
痛みで鳴く際には全く違う鳴き声で鳴くため、状況も相まって猫が何かをしゃべっている!と感じる人もいるのかもしれません。
いかがでしたか?
実は猫が鳴き声でコミュニケーションを図ろうとするのは、人間に対してだけだと言われています。
野生の猫や猫同士では『鳴く』という行為でコミュニケーションを図ることはありません。
猫が鳴くのは、親やごはんを探すときくらい、と言われるくらい猫はあまり鳴く動物ではないのだそう。
猫がよく鳴くようになるのは『人間と暮らしている場合』のみなんだとか。
人と暮らしている猫は、人に対して何かの用事があるときに鳴いています。
『トイレが汚い』『おなかがすいた』『遊んでほしい』『撫でてほしい』など、猫の要求を人に伝える手段として鳴き声をあげるようです。
つまりしゃべっているようには聞こえなくても、猫が鳴く時には常に何かを訴えてしゃべっているということ。
うまく人の言葉に近い鳴き声が出せるかどうかは別として、もしかすると猫はいつも『人の言葉をしゃべろう』とは、しているのかもしれませんね。
情報提供元: 猫壱