- 週間ランキング
しかし、近年分かってきたことは、動物の賢さは脳の大きさがすべてではないということです。
ハチのように小さな生物は、脳細胞がコントロールする体の大きさが圧倒的に小さいので、自然と脳も小さくなります。
また、認知機能の高さは「脳のサイズよりも、神経細胞間の接続の複雑さによる」とする研究結果もあります。
それを実証するかのように、ミツバチの脳では、1つの神経細胞が10万個もの他の細胞と接触することがある(The World, 2017)のです。
ハチの脳は、私たちの0.0002%にも満たないのですが、高い学習能力を発揮します。
ただ、今回のケースから「ミツバチが意図してキャップのフタを回し開けた」と断言することはできません。
中の甘い水を手に入れるため、本能に従って、やや盲目的に行動したとも考えられます。
それでも、2017年の研究では、マルハナバチがボールをゴールに転がすことで報酬を得られるという実験にクリアしていました。
今では、多くの専門家が「ハチには、ある目的を達成するために道具の扱い方を学習する能力がある」と考えています。
ハチの賢さはまだまだ未知数ですが、屋外でのランチ時は、手元の飲み物に注意した方がいいかもしれません。
参考文献
‘Unbelievable’Video Shows Two Bees Work Together to Unscrew a Soda Bottle
https://www.sciencealert.com/unbelievable-video-shows-two-bees-unscrewing-a-bottle-of-fanta
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部