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抹茶は日本文化や禅の茶道と深く結びついている伝統的な飲み物ですが、実はその起源は中国にあります。
12世紀頃に仏教の僧侶によって日本に伝えられ、禅の瞑想の補助として用いられるようになりました。
やがて日本の茶文化の中で、特に正式な茶道において欠かせない存在となります。
健康面では、抹茶は緑茶や紅茶と同様に多くのメリットがあります。
特にフラボノイドを含むポリフェノール類が豊富で、強力な抗酸化作用が知られています。
さらに抹茶は葉をそのまま粉末として摂取するため、こうした有益な成分をより高濃度で取り入れられる可能性があります。
では具体的な効果を見てみましょう。
抹茶は、抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗肥満作用、さらには抗がん作用まで、幅広い健康効果が期待されています。
これにより、適度な量の抹茶を飲むと、脳機能の改善、ストレス緩和、心臓の健康、血糖値の調整に効果があるとされています。
しかし注意点があります。
これらの効果を支持する証拠の多くは細胞や動物を対象とした実験室レベルの研究に基づいており、人間を対象にした大規模な臨床試験はまた多くありません。
そのため、初期の研究結果は有望ではありますが、確実な結論を出すにはまだ時期尚早ともいわれています。
確かなことの一つは、抹茶にはカフェインが含まれているということです。
含有量は一般的な緑茶より多いものの、通常はコーヒーより少なめです。
カフェイン自体は、適度に摂取すれば集中力や気分の改善、代謝の促進、さらにはアルツハイマー病やパーキンソン病などのリスク低下といった健康効果が確認されています。
しかし過剰摂取は不眠、不安感、血圧上昇などの副作用を引き起こす可能性があります。
「多ければ多いほど良い」という考え方は当てはまらず、最適な摂取量もまだはっきりしていません。
抹茶とコーヒーを比較すると、どちらも抗酸化作用や心血管への良い影響が期待できます。
ただしコーヒーの方が研究が進んでおり、1日3~4杯までなら多くの人にとって安全とされています。
抹茶はポリフェノールの含有量が多いため、より慎重な摂取目安が示されており1~3杯/日が推奨されています。
茶やコーヒーに含まれるタンニンやポリフェノールは、特に植物性食品からの鉄分吸収を妨げることがあります。
特に食事中や食直後に頻繁に飲んでいると鉄欠乏性貧血のリスクが高まるおそれがあります。
そのため、特に植物性食品中心の食事をしている人やもともと鉄分不足の人は、食事の2時間以上前後を目安に飲むことがすすめられます。
さらに考慮すべき点として、コーヒーと抹茶はどちらも弱酸性であり、胃が敏感な人には消化不良や胃酸逆流を引き起こすことがあります。
とはいえ、抹茶は一部の人にとってより良い選択肢となるかもしれません。
抹茶にはコーヒーには含まれないL-テアニンというアミノ酸が含まれており、リラックス効果がありカフェインによる神経過敏を和らげる可能性があります。
そのため、不安になりやすい人にとってはより穏やかな代替飲料となるでしょう。
コーヒーも抹茶もそれぞれに健康効果があり、最適な選択は個人の体質や好みによって異なります。
コーヒーは研究が進んでおり、カフェインを問題なく摂取できる人や1日に何杯も楽しみたい人には理想的です。
一方、抹茶はカフェイン摂取量を抑えつつ抗酸化物質の恩恵を受けたいという人や、カフェイン酔いや急激な血糖低下を避けたい人にはぴったりの選択肢です。
どちらを選ぶにしても、過剰摂取は避けることが大切です。特に鉄分不足や消化器系の不調がある人は注意が必要でしょう。
参考文献
Is Matcha The New Morning Brew? Here’s What to Know About This Ancient Superfood.
https://www.sciencealert.com/is-matcha-the-new-morning-brew-heres-what-to-know-about-this-ancient-superfood
元論文
Exploring the Health Benefits of Matcha: A Comprehensive Review
https://apcz.umk.pl/JEHS/article/view/51235
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部