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スマートフォンやPCの普及により、インターネットは私たちの生活の一部になりました。
仕事、勉強、娯楽、ショッピングなど、あらゆる活動がオンラインで完結する時代です。
しかし、その利便性の裏には「インターネット依存症」という深刻な問題があります。
これはネットを使う時間をコントロールできず、生活に悪影響を及ぼす状態を指します。
例えば、SNSに夢中になりすぎて寝不足になる、ゲームをやりすぎて勉強がおろそかになる、オンラインショッピングで衝動買いを繰り返すといった行動が見られます。
先行研究によると、インターネット依存症の人はドーパミン報酬系と呼ばれる脳の神経回路が過剰に刺激される傾向があり、これはギャンブル依存や薬物依存と類似したメカニズムであることが分かっています(Pharmacology Biochemistry and Behavior, 2015)。
また、依存が進むと、以下のような症状が現れることがあります。
このように、インターネット依存は単なる「使いすぎ」の問題ではなく、心身に悪影響を及ぼす深刻な状態なのです。
では、インターネット依存症を緩和するにはどのような方法がいいのでしょうか?
研究チームは誰もがコストなく手軽にできる「運動」に着目しました。
研究で実施された運動は、以下の3つのカテゴリに分類されました。
被験者は760名の大学生の男女であり、運動の期間は4〜18週間、週2〜5回、1回あたり50〜120分行われました。
その結果、運動を行ったグループは、運動をしなかったグループに比べて、
などの効果が確認できたのです。
特に、オープン・モーター・スキル(バスケットボールやサッカーなど)と、 両者の組み合わせが最も効果的であることが示されました。
今回の研究により、運動がインターネット依存症の軽減に有効であることが示されました。
特にチームスポーツのような「予測不能な環境で行う運動」や、 複数の運動を組み合わせたプログラムが効果的であることが分かりました。
スマホやPCに夢中になりすぎて「ちょっと依存気味かも?」と感じたら、 運動を習慣にしてみてはいかがでしょうか。
もしかすると、あなたの生活が大きく変わるかもしれません。
参考文献
Exercise eases internet addiction in Chinese college students
https://www.psypost.org/exercise-eases-internet-addiction-in-chinese-college-students/
元論文
Effects of exercise interventions on Internet addiction among college students: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
https://doi.org/10.1016/j.addbeh.2024.108159
ライター
千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部