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このバーチャルリードは、従来の物理的なリードに代わるものであり、イヌの行動を制限するために、紐で引っ張るのではなく、首輪から発生する振動や静電気を使用します。
これはデスゲームのような過激なショックを与えるわけではなく、あくまで飼い主から離れてしまっていることをイヌに気づかせる程度の刺激であるため、猛犬には効果がないかもしれませんが、飼い主から無理に離れようとするイヌでない限りは、紐で繋ぐことなく行動範囲を自由に調整できるという。
では、この新しいアイデアを実現した製品には、どのような機能が備わっているのでしょうか。
バーチャルリードは、イヌに装着する首輪と、飼い主が手に持つリモコンがセットになっています。
そして独自のワイヤレス技術を使用することで、愛犬が飼い主から離れ過ぎると、警告音が発生するようになっています。
その警告に従わない場合には、首輪から発生する「振動」もしくは「静電気ショック」によって矯正が行われます。
イヌの行動を制限できる範囲は、10フィート(3m)~750フィート(229m)となっており、飼い主の任意でその範囲設定を調整できます。
そのため状況に合わせて、イヌたちを自由に行動させられます。
例えば散歩やハイキングであればイヌたちをなるべく近い範囲で行動させ、キャンプ場や広い敷地では、範囲を広めて自由に遊ばせることができます。
また、独自のワイヤレス技術は、スマホの電波、Wi-Fi、GPSを使用しないため、それらの電波が届きにくい森の中などでも効果を発揮するようです。
1つのリモコンにつき、3つの首輪とペアリング可能なので多頭飼いの飼い主にもピッタリでしょう。
そして気になる「静電気による矯正」ですが、この首輪では、静電気レベルを、オフ・低・中・高の4段階から選択できるようになっています。
イヌのサイズや年齢、命令に対する態度によってそのレベルを変更できるものの、できれば普段から飼い主の言うことを聞く賢いイヌに使用してあげるべきでしょう。
リードを手放すとダッシュでどこかへ走り去ったり、普段から飼い主のペースを無視してリードを引っ張り続けたりするようなイヌだと、バーチャルリードでは、絶えず静電気ショックを流し続けるようなことになりかねません。
そうなってしまうと、優しい世界の「飼い主と愛犬」いうよりは、デスゲームにおける「ゲームマスターと逃げ惑う犠牲者」という構造になってしまいますね。
このように、この新しいアイテムは、どこかデスゲームのワンシーンを彷彿とさせるものの、全体としては画期的なアイデアだと言えます。
このバーチャルリードは、Heel社のサイトから、349ドル(5万2000円)で購入することができます。
Heel社は「世界初のイヌ用バーチャルリード」と主張しており、現在特許出願中です。
リード着用が義務付けられている公園や地域では使用できませんが、自由に遊ばせることができるエリアで愛犬が離れすぎることを心配するなら、バーチャルリードは便利かもしれません。
参考文献
World’s first virtual dog leash means no more tangled Fido
https://newatlas.com/pets/virtual-dog-leash-heel-roam-350/
Heel Virtual Dog Leash
https://heel.dog/
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部