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これは、ジャンピングジャック(11.5kcal)、腕立て伏せ(11kcal)、スクワット(10kcal)、片脚スクワット(9.9kcal)、ランジ(9.3kcal)、プランク(5.7kcal)に比べても、大きなもので、短時間でカロリーを消費するにはバーピーが優秀であることを示しています。
このように、全身を使いながら体をダイナミックに動かすバーピーは短時間で高いカロリー消費が期待でき、その差は動きのないプランクに比べて3倍近くにもなります。
一方、このようなダイナミックな種目は、場合によっては騒音や振動が発生するため、集合住宅に住んでいる人などには実施しにくいという懸念もあります。
では、プランクのようなあまりカロリーを消費しない種目であっても、継続すれば痩せる効果が期待できるのでしょうか? 次のページではこの点を見ていきます。
今年2月、韓国の韓瑞大学校(Hanseo University)に所属するジー教授らが興味深いトレーニング実験の結果を欧州スポーツ科学会の公式雑誌『European Journal of Sport Science』に発表しています。
そのトレーニング実験とは、大学生を、プランクトレーニングをする群(プランク群)としない群(対照群)にランダムに分けたものです。
ここで、プランク群は3種類のプランク(スタンダードプランク、エルボープランク、サイドプランク)を週3回、12週間実施しています。
各エクササイズの方法を簡単に説明すると、次のとおりです。
スタンダードプランク:腕立て伏せの開始姿勢に似ていて、腕を伸ばした状態でつま先と手で体重を支え、体を一直線に保つ
エルボープランク:肘とつま先で体重を支えながら、体を一直線に保つ
サイドプランク:横向きになり、肘で体を支えながら腰を落とさずに体を一直線に保つ
なお、各種目のセット数は、最初の4週間が3セット、次の4週間が4セット、最後の4週間が5セットです。
また、各種目は1セット当たり1分実施したため、毎回のトレーニングでプランクをしている時間は、最初の4週間が9分、次の4週間が12分、最後の4週間が15分になります。
その結果、トレーニング期間前後の体重を見ると、プランクに取り組んだグループでのみ減少していました(約2.8kg)。
また、身体組成の変化を見ると、プランク群では体脂肪が減り、筋肉量が増加していました。
これらの結果は、一般的には脂肪燃焼というよりも体幹を鍛えることを目的に行われる動きの伴わない3種類のプランクであっても、12週間続けることで、筋肉量を増やしながら体脂肪が減ることを示しています。
塵も積もれば山となるではありませんが、プランクのように動きを伴わず、時間当たりのカロリー消費が少ない種目であっても、コツコツ続けることができれば、しっかりと痩せる効果が期待できると言えそうです。
最初に説明したとおり、自分の体一つで気軽にできるのが自重エクササイズの魅力です。
優劣を決め過ぎず、バーピーからプランクまで、好みやトレーニングをする場所に応じて、いろいろなエクササイズにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
参考文献
No One Likes Burpees, so Here’s Exactly How Many You Have To Do per Week To See Results
https://parade.com/health/how-many-burpee-to-see-results
元論文
The Energy Expenditure Associated With Body-Weight Resistance Exercises of Various Movement Patterns Performed at Different Durations
https://doi.org/10.1519/JSC.0000000000004919
Plank exercise improves respiratory capacity through positive changes in body composition, abdominis function, and autonomic nerves’activities
https://doi.org/10.1002/ejsc.12086
ライター
髙山史徳: 大学では健康行動科学、大学院では体育学・体育科学を専攻。持久系スポーツの研究者として約10年間活動。 ナゾロジーでは、スポーツや健康に関係する記事を執筆していきます。 価値観の多様性を重視し、多くの人が前向きになれる文章を目指しています。
編集者
ナゾロジー 編集部