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写真家Kelvin Hennessy氏によるオーストラリアでの作品「International Space Station Daytime Moon Transit」です。
昼間の月の前を通過する国際宇宙ステーション(ISS)を捉えたものです。
Kelvin Hennessy氏によると、これを撮影するために、「ISSの通過を予測するアプリを使用した」ようです。
また都市の中で適切な撮影場所を見つけることも大変だったようで、そのために、「Google Earth」や「Google Street view」なども駆使したのだとか。
写真家Vikas Chander氏によるナミビアでの作品「Run to Carina」です。
ナミビア北西部の砂漠では、ひたすら車で走っても人と出会うことはありません。
そして、そんな過酷な環境には、作者不明の「石で作られた像」が点在しています。
Vikas Chander氏はその像の写真と、複数の天体写真をフォトショップでブレンドすることで、「像がカリーナ星雲へと走っている」かのような1枚の画像を作り出しました。
写真家Gwenaël Blanck氏による「Total Solar Eclipse」です。
これは皆既日食を魅力的に映し出した画像であり、10枚以上の写真を重ねることで作成されました。
Gwenaël Blanck氏は、「皆既日食は自然が作り出す最も美しい光景の1つであり、誰もが1度は体験すべきです」と述べました。
実際Gwenaël Blanck氏は、2023年4月に62秒間の皆既日食を見るために、オーストラリアまで旅をしたのだとか。
その大きな労力が、この美しい画像を生み出すことに繋がりました。
最終選考に残った作品には、まだまだ魅力的なものがたくさんあります。
特に私たちの目を引くのは、「ドラゴンのようなオーロラ」を捉えた「オーロラ・ドラゴン」かもしれません。
写真家Carina Letelier Baeza氏による「Arctic Dragon」です。
写真が撮られた場所は、アイスランドの「アークティック・ヘンジ」です。
アークティック・ヘンジはアイスランドの神話をモチーフに、ストーン・ヘンジを真似て建設された現代のモニュメントですが、ロケーションと相まって非常に神秘的な場所です。
積み上げられた石がなんとも言えない独特な雰囲気を作り出していますが、写真が撮られた夜は、一層神秘的な場所となりました。
磁気嵐によって、巨大なドラゴンのような形をしたオーロラが現れたのです。
これにより、「アークティック・ヘンジの上で翼を広げるドラゴン」という完璧な構図が得られました。
写真家Miguel Claro氏によるポルトガルでの作品「Gigantic Solar Prominence in Motion」です。
これは太陽の紅炎(プロミネンスとも言う)のタイムラプスから切り取った静止画像です。
Miguel Claro氏によると、「約248枚の画像をタイムラプスで撮影することに成功し、そのうちの1枚を選別した」ようです。
太陽の表面における動きや爆発がきれいに写し出されていますね。
写真家Paul Haworth氏による「Serpentine」です。
彼は2023年4月の新月に、イギリスのスネッティシャムビーチに向かいました。
そこは広大な干潟があることで有名な場所であり、多くの渡り鳥も集まります。
そんな場所には、第二次世界大戦中に利用された大きな桟橋(さんばし:船を横付けする構築物)の残骸があり、今回の被写体として選ばれました。
ちなみに、その上の星空を撮影する間は、渡り鳥たちの声がずっと聞こえていたようです。
ここまでで、最終選考に残った作品をいくつか紹介してきました。
そして他にも魅力的な作品が選ばれており、9月12日にはその中から総合優勝が決まります。
ぜひ、最終候補のリストを確認し、誰の作品が優勝するのか予想してみてください。
参考文献
The 2024 Astronomy Photographer of the Year shortlist
https://newatlas.com/photography/astronomy-photographer-year-2024/
Astronomy Photographer of the Year shortlist revealed
https://www.rmg.co.uk/whats-on/astronomy-photographer-year/galleries/shortlist-2024
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部