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調査に参加したのは18歳以上の女性433名でしたが、このうち調査全体を完了したのは314名でした。
参加者には男性の魅力度を評価する2つの課題を行ってもらっています。
1つ目は「写真課題」で、男性が1人で写っている写真か、子供と一緒に写っている写真のどちらかをランダムに提示され、それぞれの男性の魅力度を評価してもらいました。
2つ目は「記述課題」で、男性のさまざまな活動が書かれたエピソードを読んで、その記述のみから男性の魅力度を0〜100の尺度で評価してもらいます。
エピソードの例としては「映画館に行った」「長い散歩をした」「バンドでギターを弾いた」といった単独での行動と、「甥っ子と遊んだ」「娘のためにパンケーキを焼いた」といった子供とのふれあいに関する行動がありました。
さらにチームは女性側の心理的・身体的な状態も男性の魅力度の評価に関わると想定し、女性自身の養育意欲や子供を持ちたい願望の程度、その他、月経周期やホルモン避妊薬の使用の有無についても調べています。
では、以上のデータ収集から得られた結果を見てみましょう。
データ分析の結果、1つ目の「写真課題」では、子供と一緒に写っている男性ほど、一人で写っている男性に比べて女性から魅力的に見られやすいことが明らかになりました。
この効果は特に、養育意欲が高かったり、子供を持ちたいと考えている女性において顕著になっていたといいます。
ところが興味深いことに、2つ目の「記述課題」では、男性が一人でいるエピソードと子供と交流するエピソードの間に魅力度の有意な差はなかったといいます。
このことは女性に対する男性の魅力度を高めるには、言葉の情報ではなく、視覚的に見せることが大事であることを示唆するものです。
これを踏まえると例えば、友達づてに「あいつ、子供好きだってよ」とか「週末はよく甥っ子と遊ぶらしいよ」などと気になる女性にこっそり伝えてもらっても、アピール効果は期待できない可能性があります。
意中の女性に好意を持ってもらうには、とにかく子供と一緒にいる所を「見てもらう」ことが大事なようです。
それからこの効果には女性側の養育意欲や子供を持ちたい願望の他に、月経周期も有意に関係することが示されました。
具体的には、排卵期にあることを報告した女性は、養育意欲の有無に関わらず、子供と一緒にいる男性を魅力的に評価する傾向があったとのことです。
その一方で、ホルモン避妊薬の使用の有無はいずれの課題にも関与していませんでした。
以上の結果を受けて、研究主任のピーター・ボス(Peter Bos)氏は「事前の予想では、わずかな効果が見られるだけだと予期していましたが、女性が明確に子供と一緒にいる男性をより魅力的に感じていることが確認できたことに驚きました」と話します。
子供嫌いという人もいるかも知れませんが、家庭を持ちたいと思うかどうかに関わらず、女性から見ると子供に優しくできることは男性の魅力に直結しているようです。
とはいえ今の時代、不用意に子供に近づくと不審者扱いされかねないので、迷子の子供や困っている子供を助けるときは気をつけください。
参考文献
Women view men as more attractive when they see them with kids, study finds
https://www.psypost.org/women-view-men-as-more-attractive-when-they-see-them-with-kids-study-finds/
元論文
Attractive Caregiving: Women’s Preference for Men that Care for Children and the Role of Nurturance Motivation and Menstrual Cycle Phase
https://doi.org/10.1007/s40806-024-00391-6
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部