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私たちにとって「空を見上げる」のはごく普通のことで、特に驚きもなければ感動もしないでしょう。
しかし28歳のメスのチンパンジーである「バニラ(Vanilla)」にとっては違います。
彼女は生まれたときから研究用に飼われてきたため、一生を檻の中で過ごし、今まで一度も空を見たことがなかったのです。
ところが今年6月、所属していた研究所が閉鎖し、新たな保護施設に引き取られたことで、ついに人生で初めて空を見上げることができました。
その感動の瞬間が映像として収められ、世界中で大きな話題となったのです。
それまで暗い囲いの中で飼われていたバニラは、緑豊かな草原をゆっくりと歩き回り、何度も何度も青い空を見上げていました。
青空が毎日見られることが決して当たり前ではなく、とても幸せなことなのかもしれません。
住む世界は違えど、人と動物は心を通わすことがあります。
西オーストラリア大学(UWA)の海洋生物学者らは6年間にわたり、同国沿岸のサンゴ礁帯に暮らすジンベエザメ72匹の皮膚から寄生生物を採取する調査を続けていました。
その目的は皮膚や寄生生物に含まれる化学物質を調べて、ジンベエザメが何を食べているかを間接的に明らかにすることです。
ダイバーたちは定期的にジンベエザメに近づいて、口元やヒレに寄生したカイアシ類をプラスチック製ナイフでこそげ取るのですが、これが一筋縄ではいきません。
ジンベエザメはゆっくり泳いでいるように見えて、人間からすると十分に速いからです。
ところが調査を続ける中で、奇妙な変化が現れ始めました。
なんとダイバーがお馴染みの採取器具を持って近づくだけで、ジンベエザメたちは泳ぐスピードを遅くしたり、完全に止まってくれるようになったのです。
寄生生物の除去はジンベエザメにとっても有益なので、ダイバーを”掃除係”として認めてくれたのかもしれません。
ドラゴンボールに登場する惑星ベジータは重力が地球の10倍あるため、その環境で育ったサイヤ人たちは地球人よりも遥かに優れた身体能力を持っていました。
しかし地球生まれのバッタも、サイヤ人と同じ重力トレーニングができることが分かったのです。
独ブレーメン応用科学大学(BUAS)の研究で、重力室の中で育ったバッタはわずか2週間で脚の強度がパワーアップすることが明らかになりました。
特に3Gの重力空間に2週間さらした結果、バッタの外骨格や脚の強度が最大化し、頑丈で折れにくいボディを手にしていました。
ところがそれ以上の5Gや8Gになると逆に弱体化し、死亡率も高まっています。
5倍、8倍の重力に耐えるにはまだまだ修行が足りないのかも…
クジラの体はときに”宝箱”となるようです。
今年7月、スペイン領のラ・パルマ島の浜辺に全長約13メートルの大きなマッコウクジラの遺体が打ち上がりました。
ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学(ULPGC)らが解剖を行ったところ、結腸のあたりから直径60センチ、重さ9.5キロの巨大な「龍涎香(りゅうぜんこう)」が見つかったのです。
龍涎香はマッコウクジラの腸内からのみ採取できる結石で、その独特な香りから希少性の高い香料として取引されます。
今回見つかった龍涎香を鑑定したところ、その値段は50万ユーロ以上(約7700万円)に達しました。
今年8月、オーストラリア北東部の海にて、まるでマシンガンで蜂の巣にされたかのようなメカジキが引き揚げられました。
発見者の漁師の話では、メカジキの体には大きなスプーンでくり抜かれたような円形の穴が数十個も空いていたという。
引き揚げた際はまだ息をしていたものの、傷口から出血が止まらず、すぐに絶命しました。
明らかに何者かによって襲撃された傷跡でしたが、一体ナニモノの仕業なのか?
しかし専門家の目から見ると、犯人の正体は明白でした。
その名前は「ダルマザメ(学名:Isistius brasiliensis)」です。
ダルマザメは体長30〜50センチと小柄ですが、クッキーをくり抜く型のような口をしており、獲物の体に噛みついて、体をひねるように回転させて相手の肉をくり抜きます。
しかもダルマザメは恐れ知らずの魚で、自分より大きなクジラやホオジロザメでさえ、臆することなく噛みつきにいくという。
今回のメカジキはどうやら、集団のダルマザメによって襲われた可能性が高いとのことです。
参考文献
https://nazology.net/archives/category/science/biology/animals_plants
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
ナゾロジー 編集部