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今回の調査には18歳から67歳までのオーストラリア人240人が参加し、自己愛、自己中心的主義、他人に対する無関心な傾向を測る「ダークトライアドテスト」、他人を物理的、性的、感情的に傷つけることを楽しむかどうかを測る「サディズムテスト」、そして「不倫のタイプを分類するテスト」の3つのテストに回答しました。
これらのテストの結果、サイコパシー(誠実さや責任感の欠如)の強い人は性的欲求からくる不倫、または精神的な不満からくる不倫の両方のタイプをする可能性が高く、サイコパシーとサディズムの両方が強い人は復讐を目的とするような悪意のある不倫をする可能性が高いことが分かりました。
サイコパシーについては、他にもよくリスクのある行動の方を好み、スリルを追求する傾向があると言われるためこの結果には納得感があります。
一方で、自己愛が強い人は精神的な不満からくる不倫をする傾向があり、マキャベリズム(道徳を犠牲にした自己中心的な行動)が強い人は不倫に関する特定の予測要因とはなりませんでした。
上記をまとめると、不倫と性格特性には次のような関係があるようです。
ポール博士は、「不倫はよくある行動で結婚した夫婦の約25%が経験しているが、その不倫の種類や背後にある動機には違いがあることを明らかにした」と述べています。
この傾向はカウンセリングの現場でも役立つかもしれません。不倫は夫婦がカウンセリングを受ける主な理由の一つであり、カウンセラーが不倫の種類とそれに至る動機を理解することは、治療の成功に寄与する可能性があるためです。
さらに興味深い点として、女性のほうが男性よりも復讐やパートナーを傷つける目的で不倫をする傾向が強いことが明らかにされました。
今回の研究から明らかとなった不倫の背景は、私たちが今まで考えてきた不倫の理由とは異なる一面を浮かび上がらせています。
主に不倫はパートナーとの不和や性的な不満足から始まる印象があります。
芸能人の不倫騒動も世間ではよく話題になるニュースですが、主に男性の不倫は性的欲求が原因で誘惑に負けた説明される事が多い印象があります。
しかし新たな研究では、不倫の動機について、責任感の欠如やサディスティックな性格の人、また特に女性は、復讐を目的として不倫行動に出る傾向が指摘されています。
これは、夫婦が直面する問題が単なる魅力的な異性との出会いによる誘惑で起きるのではなく、パートナーへの当てつけとして起きる可能性を示唆しています。
そんな不倫の背後にある真の動機を理解することは、関係の修復、再構築の鍵となるでしょう。
参考文献
Women more likely to engage in malevolent infidelity compared to men, study finds https://www.psypost.org/2023/08/women-more-likely-to-engage-in-malevolent-infidelity-compared-to-men-study-finds-168415元論文
High (in)fidelity: gender, the Dark Tetrad, and infidelity https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14681994.2023.2220279?journalCode=csmt20