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テストを何度も繰り返してデータを集めた結果、人間の子供の方が、中身の分からない未知のカップを選ぶ傾向が遙かに強いことが示されました。
一連の実験では、およそ77〜85%の子供が中身の分からない報酬を選択したのに対し、霊長類では24%に留まっていたのです。
霊長類の大半は、すでに報酬の内容が見えているカップを積極的に選んでいます。
しかし追加実験で、霊長類に色付きのカップを開けて中に大粒のブドウが入っていることを学習させてから選択させてみました。
すると88%以上の霊長類が色付きのカップを選ぶようになっています。
霊長類は中に入っているものを学習することで、得られる報酬を最大化しようとする知力は働いているようです。
しかし人以外の霊長類は報酬が得られないリスクを冒してでも、見えないカップの中身を知りたいという好奇心はあまりないことがわかります。
人間の子供たちは報酬が得られない可能性があるにも関わらず、色付きのカップを積極的に選んでいました。
これは私たち人類に「未知なるものへの探究心や好奇心」が生得的に備わっていることを示唆するものです。
一方で霊長類は中身が見えない報酬には消極的であり、全体を通してリスクを嫌う傾向がありました。
この結果を受けて、研究者らは「人類に生まれつき備わった強い好奇心が、他の霊長類とは違って、アフリカから他の大陸への進出を促した可能性がある」と述べています。
しかし未知なるものの探求には常に、無限の可能性とともに大小さまざまなリスクが付き物です。
あらゆる災いをもたらす「パンドラの箱」を開ける性向は、人間を人間たらしめている本質的な部分なのかもしれません。
参考文献
Curious children, less curious apes https://www.mpg.de/20388599/0531-evan-curious-children-less-curious-apes-150495-x The Temptation to Open Pandora’s Box Could Set Us Apart From Other Apes https://www.sciencealert.com/the-temptation-to-open-pandoras-box-could-set-us-apart-from-other-apes Children are more curious than apes, often choosing a ‘mystery box’over a certain reward https://phys.org/news/2023-05-children-curious-apes-mystery-reward.html元論文
Comparative curiosity: How do great apes and children deal with uncertainty? https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0285946