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ただし、紙媒体はかさばるため、デジタル形式で保存したい場合もあるでしょう。
そこでオランダのスタートアップ「Nuwa」は、手書きとデジタル保存の垣根を無くすスマートペンを開発しました。
このペンは通常のペンと同様、普通紙に文字を書くことができますが、その紙に書いた文字をデジタル化してデバイスに保存できます。
目次
電話中や散歩中など、とっさにメモを取りたいとき、いちいちアプリを起動したり、レイアウトを設定せずに素早く書ける紙のメモ帳とボールペンの方が役立つ場合があります。
会議の最中でも、キーボードでタイプするより、ノートに書き留める方が好みの人もいるでしょう。
アイデアを図や絵でまとめる際も、あえて紙とペンを使用する人も多いでしょう。
紙と同じ様に使用できるデジタルデバイスが増えたといえど、やはり紙に書くのとタッチペンで画面に描く場合ではどうしても感覚が異なります。
しかし書くのは紙のメモが良くても、結局それを保存して見返すことを考えると、デジタルの方が良いという人は多いはずです。
大量のメモや付箋は非常にかさ張る道具であり、デスク周辺が乱雑になる人もいるでしょう。またメモだと書いても無くしてしまう、どこに書いたかわからなくなるという問題も起きやすくなります。
そのため、紙に書いたものをそのままデジタル化して保存できる方法があれば最高かもしれません。
これを実現したのが、Nuwa社のスマートペン「Nuwa Pen」です。
他のスマートペンが専用の紙やシートを必要とするに対し、Nuwa Penは、どこにでもある普通の紙に書いた文字をデジタル化できます。
手元にある紙や付箋を使ってメモした内容がデジタルデータに変換され、自分のパソコンやスマホに自動的に転送されるのです。
手元に紙のメモが残るだけでなく、デバイスにもデータがコピーされるため、仮に紙媒体を紛失しても困ることはありません。
また手書きメモを写真で撮ってデジタルデータに変換・保存する手間もかかりません。
この機能を可能にしているのは、Nuwa Penに内蔵された3つのカメラ、モーションセンサー、圧力センサー、赤外線LED、そしてAIベースのソフトウェアです。
AIがペンの軌道や圧力から必要な情報を読み取って処理するため、紙の種類を選ばずに文字や絵を正確に記録できるのです。
デジタルコピーの機能は15分の充電で2時間の連続使用が可能であり、物理インクもカートリッジ式なので補充して使い続けることが可能です。
またペン自体に2GBのメモリが搭載されているため、紙に書いた情報をアップロードせずに「ペンの中に書きためる」ことが可能。近くにデバイスがあるなら、すぐに同期され、再びメモリに空きができます。
そのためメモしたい時に、何も考えず、何も操作せず、瞬時にNuwa Penで紙に記し、後ほど自分でデジタルデータを確認できるのです。
ちなみにNuwa Penの重さは1本28gであり、一般的なボールペンよりはやや重いですが、万年筆と同等の重量なので、特に重いと感じることはなさそうです。
現在、Nuwa Penはクラウドファンディングサービス『Kickstarter』にて支援募集中であり、197ドル(約2万6000円)の支援で入手可能です。
それなりの値段なため、ペンをすぐに無くしてしまう人には厳しいかもしれませんね。
加えて月額2.99ドル(約400円)のサブスクも予定されており、加入するなら手書きの文字を画像形式からテキスト形式に変換するなどの特別なサービスを受けられるようです。
もしあなたが手書きメモとデジタル保存の両方を使っているなら、その垣根を無くすNuwa Penは役に立つかもしれません。
参考文献
Nuwa Pen converts text written on regular paper into digital format