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研究チームが想定している用途のひとつは、体内から異物を取り除くといった医療分野です。
たとえば、人体が飲み込んだロボットを外部電流により誘導し、目的の患部まで送り届けます。
固体と液体を行き来できるので、狭い通路などもお手のもの。
こちらの動画では、胃の中にある異物を液体化によって取り込み、再固体化して異物を把持したまま、体外に出ていく様子が実演されています。
逆に、薬剤を持たせたロボットを患部に送り届けて液状化させ、薬をピンポイントで投与することにも使えるでしょう。
チームは他にも、人の指先では扱えない細かい部品の操作など、電子工学の分野でも応用できると考えています。
現時点でこの位相変化ロボットが、T-1000のように人類の未来を脅かすことはあり得ません。
しかし映画の設定によると、T-1000はAIコンピューター「スカイネット」により2029年に開発されています。
あと6年もあるので、そのときまでには本当にT-1000と同等の液体金属ロボが完成しているかもしれません。
参考文献
Real-life ‘Terminator 2’robot can melt to escape jail, then solidify on command https://www.livescience.com/terminator-2-robot-inspired-by-sea-cucumbers A person-shaped robot that can liquify and escape jail, all with the power of magnets https://techxplore.com/news/2023-01-person-shaped-robot-liquify-power-magnets.html元論文
Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter https://www.cell.com/matter/fulltext/S2590-2385(22)00693-2