なんで逃げ出したの?犬の脱走の理由とは

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まず、犬という動物の基本は非常に人間と親和性が高い生き物ということを前提に考えるようにしてください。
その上で犬が脱走する理由は確実に一つだけ言えることがあります。

それは、「飼育環境」の問題です。
野外で飼育している方は、ご自分の犬が一体どこで糞をしているか?じっくり観察したことはあるでしょうか?

脱走や家出の捜索方法や対策方法は身近なところで見つかるかもしれません。

最大の理由は糞かも?

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自分の犬の普段の様子をあまりじっくり一度も観察していない人がいるなら、次のようなことを実践してみてください。

・早朝に起きて犬小屋の周りを見るそこに犬の糞はあるか?
・夕方のお散歩時間をずらしたときに、糞をしていたか?

もし、いずれも無い場合、犬は排泄のために出かけて行ったのかもしれません。

脱走だと騒がれても、犬も自分の糞が近くにあるところで、飲食をしたくないし寝るのだって嫌なはずですよね?

外で飼育している犬の環境は、いわば犬にとって「自分の空間」なんです。
家出の理由は飼い主さんのズボラな性格にあった、そんな場合も多いのです。
したがって環境から見直すのは対策として、よい方法の一つになります。

脱走しても近くで排泄をして帰ってくることが習慣になっている犬もいます。
飼い主さんも知っていて、これは脱走ではないと思っているかもしれません。

でも、繋がれている場所を離れた犬が、いつも無事に帰ってくる保証はどこにもないのです。
また、よそで排泄していることで他人に迷惑や不快感を与え続けているかもしれません。

犬を繋いでいる鎖をもっと長くして、犬が寝床から離れた場所で排泄することができるようにしてあげたところ、脱走しなくなったという例は案外と多いものです。

また、できれば朝夕の2回は散歩に連れ出して、排尿と排便を外で済ますまでは犬につきあってあげることも有効です。

ただし、自宅の敷地以外で排泄した場合は糞はビニール袋に取って持ち帰り、糞尿いずれもペットボトルの水を携帯して洗い流すマナーも忘れてはいけません。

アクシデントによる犬の脱走

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犬は飼育環境に何の不満もない場合でも、その場所が脅かされると脱走してしまうことがあります。

よくあるのは雷です。
犬は1キロ以上離れた場所で雷が鳴っていても聴こえると言われています。
そして何より犬は雷が大嫌いなのです。
犬が暮らしている家の周囲に雷鳴が響いていると犬は大変不安になり怯えて屋内ならテーブルの下や物陰、屋外なら犬小屋の中や縁の下などに身を隠して丸くなっています。

しかし激しい雷鳴や稲光があれば、犬の恐怖は頂点に達して逃げ出してしまうことがあります。
そのときの犬はパニックに陥っていますので本当は一番安全な住処から脱走してしまい、そのまま迷子になってしまうことも少なくありません。

雷の鳴っているときはたいてい天気が悪いものです。
車を運転している人には、視界の悪い道路に飛び出した犬が交通事故に遭ってしまうおそれもあります。

犬が事故に遭うことはとても悲しいことですが、犬を避けようとして多重事故が発生したり、犬が他人に噛みつくようなことも起こらないとは限りません。

ほかにも犬がパニックを起こすのは花火や爆竹の音や、家の近くで道路工事をしているときです。

ふいに発生した大きな音は避けることが難しいのですが、雷や花火に犬が怯えていたり道路工事の音や振動に不安を抱いている様子があれば、安全のため玄関でもいいので家の中に入れてやりましょう。

大切な愛犬を被害者にも加害者にもしたくないですよね。

犬の脱走が理由で交通事故にあう可能性

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まず犬が脱走したとしても、冒険をしようと町に繰り出すようなことは犬にとっては出来ません。

理由は2つあります。

まず犬自身が交通事故の経験やその光景を目にした記憶は限りなくありません。
犬にとってそもそも自動車は「乗るもの」であっても、それが高速で衝突したら死ぬような事態になるとは思わないのです。
実際に、飼い主さんがいない状態での犬の交通事故死は非常に多いです。

犬の脱走や家出には、常に交通事故死が待っていると考えて良いかもしれません。
しつけの訓練が不十分でない場合も、突然緩めたリードを引っ張り車道へ犬が飛び出すことはよくあることです。

小さい子供と対応は全く同じで、犬は飼い主さんがコントロールするものなんです。
飼育した当初から犬は「自由行動」に不慣れです。
犬の脱走というのは、文字通りその場所にいるのが嫌だという証拠です。

犬が安心できるプライベートスペースは、室内でも必要ですからそのように対策、方法を考えてください。

脱走した場合:犬の記憶は想像以上

多くの人は、「犬は動物だし、人間より頭が悪いだろう。」そう考えている方も多いのではないでしょうか?
「犬は頭がいい」とは口ではいっても、自分より優秀だとは飼い主さんも含めて認める人は少ないからです。

しかし、人間よりも優れてる部分が犬にはあります。
それは記憶力です。
これは人間にとって記憶とは五感があるため物覚えが良いようですが、人間にとっては「意味ある事」以外はあまり整理して覚えない特性があります。

ところが犬の場合、身の回りの環境すべてが自分のテリトリーですから、そこで起こる出来事すべてが記憶の対象になります。
いつも自分の前を横切る郵便配達員や宅配の人、野良猫なども全て覚えています。

そして犬にとって安心できる仲間だけが、そのテリトリーにいることが許されるのです。
犬は自分が脱走してきていても、記憶にない人や物に友好的になることは難しいものです。

普段は人なつこい可愛い犬が見知らぬ場所で見知らぬ人に囲まれて興奮し、野良犬扱いされて保健所へ収容という悲劇も起こり得ることを覚えておきましょう。

脱走した犬はどこへ逃げているの?

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犬は記憶している場所を知りたがります。
お散歩をよく観察していると、同じ場所以外に匂いを嗅いでその場から離れない時がありますよね?
そこにはおそらく、今まで嗅いだことがない匂いが残っているはずです。

警察犬をみればわかりますが、犬は嗅覚の記憶力がすごいのです。
もし犬が脱走してしまった場合、それは以前から気にしていた「ここなら安心」とか、「前から興味があった」場所に行っている可能性が高いです。

捜索方法も実は何気なく通った場所に、実は対策方法が隠れている場合もあります。
お散歩しているとき、今まで行ったことのない場所などで、突然リードを外して自由にさせると犬は非常に遠くまで行くことがあります。

私もこれで失敗し、犬を見失った経験があります。
結局、数百メートル離れた川辺で釣りをしている人のところにいました。
いつも同じ場所で釣りをしていたので、どうやら前から関心があったようです。

それから、自分の犬の強い関心を示す対象をよく観察するようになりました。
軽はずみに犬を自由行動させたからといって、決して良い結果になるとは限らないのです。

脱走・家出した犬の捜索方法なら、今まで通った散歩コースや犬を自由に遊ばせた場所などをくまなく探してみてください。

犬はしつけが終わったとしても脱走する

犬のしつけのトレーニングは、子犬の頃や生後1年程度で完全に終わったわけではありません。
しつけは教育とは全く質が異なるのです。

しつけはあくまでも飼い主さん側の都合、生活に合わせた訓練です。
犬の社会性はそれを基準に、飼い主さんに従いながら社会性を覚えるのが次の段階なのです。

犬の家出、脱走に関してもう一つ大きな理由があります。
それは気まぐれな飼い主に当たった場合です。
気まぐれな飼い主とは、いうなれば気分屋です。
自分の感情を抑えられない、あるいは都合よく「犬を家畜」と思う人は意外に多いです。

これは「犬は家族だ」という人にも存在します。
犬が何かの失敗をしたら怒鳴るとかも、典型的ですね。
物覚えが悪いから蹴るとか叩くとかが、訓練だと思う人も同様です。

こうした飼い主さんのもとでは、犬はリードを外して自由にしたとたん、できなかったことを実現するために家出し、脱走を図るはずです。

犬に「しつけ=楽しい」と思わせることで脱走や家出を防げる

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脱走や家出を防ぐ方法や対策方法は、意外な飼い主さんの態度で防止することができます。
それは「訓練を訓練と思わせない」しつけ方です。

これには一つ大きな条件があります。

それはしつけのための時間をたっぷり設けることです。

訓練が面白くなるには、同じことを繰り返しそのたびにご褒美をもらう必要があります。
犬は単純な動作が大好きです。
その代わり、訓練にどんな意味があるかはわかりません。

犬にとってしつけはゲーム

誤解したまましつけを始めると、犬には永遠にそれが面白いゲームだとは思えない行動になります。
犬は意味のない事をしたがりません。

従い、飼い主さんにとってはしつけであっても、犬にとっては楽しいゲーム感覚である必要があるのです。
警察犬や盲導犬の訓練は厳しそうですが、実はご褒美をいつもちゃんともらっています。

そして、最後には達成して主人が喜ぶから、その行動に意味があると犬には理解できるのです。

人間に置き換えてみてください。
言葉が理解できない1歳未満の子供に、「窓の外の小枝に小鳥が止まってるよ」と語っても無駄だとわかるでしょう。
赤ちゃんを抱きかかえ耳元で優しくささやきながら、鳥を一緒に見るはずです。

しつけのコツを間違えると犬は、その場から脱走したり、いつか家出しようと画策するもの無理はありません。

犬の捜索方法と対策方法のまとめ

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対策方法としてまず最初に自分の飼育環境をよく観察することです。
水たまりがいつもあるとか、糞を犬小屋近くでしか出来ない状態ではないか?
など、本当に清潔できれいな環境かどうかをよく見てください。

もう一つの対策方法は、犬の自由にさせるときは行動できる範囲を制限できる場所だけに限ることです。

リードにしばられて可哀想という固定観念は捨ててください。
リードは犬の命を守る手綱です。

脱走・家出した犬の捜索方法

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捜索方法は、まず最初に警察と保健所に真っ先に連絡を入れます。
警察では遺失物(落とし物)としての届け出になりますが、特徴や身に着けているものの情報を尋ねられますので写真があると便利です。

小型の愛玩犬を短時間の日向ぼっこのつもりで庭に出していたところ、何者かが連れ去ってしまったという事件もあります。
犬が勝手に脱走や家出ができないように配慮している状況で行方不明になった場合は、盗難事件として届け出ることについて警察に相談してみましょう。

居住地の保健所への届け出は鑑札番号(畜犬登録の番号)も一緒に届けます。
犬が道に迷うと、思っている以上に遠くまで行っている可能性がありますので、居住地の隣県の警察や保健所にも届けておいた方が良いでしょう。

次に順を追ってこれまで犬を連れて行った場所を思い出し、順に付近を捜索して下さい。

捜索を手伝ってくれる人がいれば手分けして写真入りのポスターやチラシを作ってもらい、動物病院やペットショップのように動物好きな人が集まる場所や、スーパーマーケットのように多くの人が集まる場所の掲示板に貼らせてもらいましょう。

チラシは直接近所の家にポスティングするか、費用がかかりますがフリーペーパーや新聞に折り込みしてもらうこともできます。
手伝ってくれる人がいない場合は、心当たりの場所を探してからこうした作業を行うことになります。

叫んだり大声を出す場合はそれまでに叱ったり叩いたりした場合は、犬はより遠くへ逃げるでしょう。
そういった行為をした人は、捜索方法自体が失敗に終わる可能性が高いです。

犬の脱走や家出には、感情と密接にかかわる原因があります。

皆さんも愛情を持って犬と接していってくださいね。

情報提供元: mofmo
記事名:「 犬が脱走する理由は何?対策方法と捜索方法を知ろう!