犬はお尻をフリフリすることがある

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犬は言葉を話すことができませんが、自分の気持ちを飼い主さんにボディーランゲージで伝えてくれます。愛犬の表情や動きなど、とても感情表現が上手だと感じることはありませんか?気持ちを理解できると飼い主さんとしても嬉しいですし、絆が深まりますよね。

そんな犬ですが、時々お尻フリフリするという行動に出ることがあります。なんとも不思議な動きですが、この行動にはどのような心理が表れているのでしょうか。今回は「犬がお尻フリフリする心理5つ」を見ていきましょう。

犬がお尻フリフリする心理

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お尻フリフリしているときにどんな状況にあるかによって、この行動に伴う愛犬の気持ちは変わってきます。いくつかの代表的な動きを見てみましょう。

1.気持ちいい

お尻をマッサージされることが好きなワンちゃんは、マッサージされると気持ちよくなります。その結果、「気持ちいい!もっとやって!」と催促するようにお尻をフリフリすることがあります。こんな可愛い反応でおねだりされると、「もう少しだけ、もう少しだけ…」と結局いつまでもマッサージしていてあげたくなってしまいますね。

2.困っている

ワンちゃんにとって困ったことが起こったとき、お尻を利用して何とか困難を突破しようと考える子もいます。例えば、狭いところにはまってしまって脱出するときに、お尻の左右運動を利用して脱出を試みるワンちゃんを見たことがあるのではないでしょうか。

フリフリとお尻を揺らしながら格闘する姿は何とも可愛いですよね。

3.嬉しい

嬉しいときにフリフリとしっぽを振るのは、飼い主さんにとっても愛犬が喜んでるのがすぐ分かる動きです。しっぽの短い犬種のワンちゃんはお尻の動きが分かりやすいので、よりフリフリしているように見えるかもしれません。そんな風に全身で喜びを表現してくれるとますます愛おしくなりますね。

4.股関節が痛い

ワンちゃんは股関節が痛いと、お尻フリフリして歩くように見える場合があります。この原因は「股関節形成不全」という病気で、骨が成長する過程で股関節が変形したりして痛みを引き起こします。(大型犬に多く、子犬の時期に発症しやすい)。

股関節形成不全の症状は、お尻フリフリして歩くほかにも、「ゆっくりと立ち上がる」とか「後ろ足を引きずって歩く」などの動きからも分かることがあります。お尻フリフリして歩く姿は可愛かったり、面白かったりするので、まさか病気であると気づかない飼い主さんもおられるでしょう。

股関節形成不全になりやすい犬種としては、ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバー、ボーダーコリー、バーニーズマウンテンドッグが挙げられています。これらの犬種の飼い主さんは愛犬の散歩中の歩き方に変化はないか注意深く観察したり、かかりつけの獣医さんに定期的にチェックしてもらうようにしましょう。

5.かゆいなどの不快感

地面のお尻をつけてフリフリしている時には、お尻がかゆかったり不快感を感じている可能性があります。原因となることには、ウンチでお尻が汚れている、肛門嚢の炎症、肛門周囲腺の炎症、寄生虫、皮膚の炎症などが考えられるでしょう。

地面にお尻をつけてフリフリするほかにも、お尻を頻繁に気にするような動きをしたり、執拗に舐めたりしいる場合には、これらの異常について考慮してみることができるでしょう。愛犬が気にしている場所をよく観察して、迅速で適切な処置をしてあげるようにしていきましょう。

犬のボディランゲージ

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お尻の動きだけでも様々な心理が隠されていますが、お尻以外の動きも一緒に見ると愛犬の気持ちをより正しく知ることができます。ボディランゲージは基本的には犬同士がコミュニケーションを図るために使われるものですが、威嚇や恐怖、喜びや服従などは人間に対しても表します。

愛犬の願いや感情を理解してあげることによって信頼関係を築いていくことができます。では具体的に、目や耳や口といった顔の動きや行動が、どのような感情と結びついているのか見ていくことにしましょう。

1.耳を見る

犬は頭の筋肉を使って、器用に耳の位置を変えることができます。ピーンと耳を立てる様子を目にすることがありますが、この動きは、威嚇する時や目の前にあるものに集中している時、緊張している時にします。

何かを発見した時や、相手をよく見て出方を待つ時にも耳に緊張が表れます。耳の後ろが折りたたまれている時は服従や不安が表れていることが考えられます。積極的な服従の場合は姿勢が低くなり、耳が後ろに倒れ、しっぽも下がって相手の顔を見て待つ姿勢をします。

耳を横に向ける時は不安で警戒している時で、顔の向きは変えずに耳だけを器用に動かして周りの音を聞きます。聴覚が犬は優れているので、音によって何があるのか、何が起きるのか危険を察知して反応してしていることが分かりますね。

2.目を見る

犬は目を細めたりまばたきすることで、相手と視線を合わせないようにして敵意がないことを表す場合があります。マッサージして気持ちよくなっている時にも目が細く幸せそうな表情になります。また、ストレスを感じている時も目を細めて顔を背けたり背を向けたりすることがあります。嫌がっている時には無理をさせないようにしてあげましょう。

犬が目を見開くと、正面をみているのに白目が見えて目が飛び出ているように見えます。耳が立ち、目を見開いている動きは警戒や緊張の表れと考えられるでしょう。そういう時は体全体に力も入り、背中の毛を逆立てながらうなり声をあげる威嚇していることがあります。

ただし目を見開いていても、口元が緩んでいたり興奮しているような動きがあるのであれば、何かもらえることを期待しているサインかもしれません。目で訴えるような表情に、ついついこれで最後とお菓子をあげてしまうこともあるのではないでしょうか?

3.口を見る

口がキュッと固く閉じられている時は不安やストレス、緊張や集中が表れていることが考えられます。

反対に口を軽く開けてる場合は、リラックスしている時や嬉しい時に表れる動きと考えられるでしょう。喜んでいる時は穏やかな表情で口角があがって、舌を出している様子がよく見られます。口元に力が入っていないリラックスした状態が見られるなら、心を許している証拠です。

4.しっぽを見る

しっぽの状態も心理状態を表しますが、しっぽから気持ちを読み取るには、まず普段はどこの位置にしっぽがあることが多いか観察しましょう。それを基準に、上げているのか下げているのかで判断できます。しっぽを上げている時は興奮している時で、嬉しい時や警戒している時や怒っている時も考えられます。どちらなのかは耳や目、口などのほかの部分を見て判断することができるでしょう。

しっぽを下げている時は不安で相手を恐れている時ですが、これ以上近づいたりしつこくすると噛みつくというアピールであることも考えられますので注意しましょう。攻撃に出るかどうかは表情から読み取ることができますので、しばらく観察してみることができるでしょう。

しっぽを後ろ足の間にしまうことは服従や降参を表していることもありますが、表情によって攻撃のメッセージを出していることがあります。お腹を出して顔を背け、しっぽは股の間に入っている様子は降参していると考えることもありますが、安心しきっていることや撫でて欲しくてかまって欲しいと甘えていることも表します。おねだりに答えてスキンシップの時間を取ってあげましょう。

5.歩き方を見る

歩き方にも気持ちが込められています。「側対歩」と言われる右後足と右前足、左後足と左前足をそれぞれ出す歩き方は、緊張やストレスがたまっていることが考えられます。人間も緊張している時に同じ側の手と足が出ることがあるのと同じです。ストレスの原因を取り除いたり緊張が和らぐように優しく声をかけてあげることもできるでしょう。

疲れている時も側対歩になることがあります。適度な休息をとって休ませてあげてから散歩を続けたり、散歩の量を調節したりして気を配ってあげましょう。リラックスできる時間がストレスの時間にならないように、それぞれにあった散歩ルートにしてあげることもできるでしょう。

向こうから他の犬がやってきたら、今までのスピードを緩めてトボトボと歩く時は敵意がないことを相手に知らせている行動です。また、相手から離れるようにして弧を描き、ゆっくりと歩いている場合も敵ではないことを示して、無駄な争いが起こらないようにサインを出しています。無理に引っ張ってストレスを与えないようにしてあげましょう。

駆け足で近づいたり遠ざかったりするのは、「一緒に楽しく盛り上がろう」という楽しい気持ちの現れです。「まだまだ遊びたい」とおねだりしている可能性もあります。でも、しっぽが下がって吠えながら駆け足で近づいたり遠ざかったりするときは注意が必要です。あっちに行け!という威嚇を表しているのでその場を離れるように動きましょう。

カーペットの上などでお尻をこすりつけるようにして歩いているときには、お尻がかゆくて気になっていることもありますので、体の状況を確認してあげましょう。同じ動作を繰り返したりいつもより激しい時には、先程も取り上げましたが、何か病気が潜んでいることも考えられますので獣医師さんに相談することもできるでしょう。


情報提供元: mofmo
記事名:「 犬がお尻をフリフリする時はどんな心理なの?犬の行動と心理の関係を解説