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胸囲が35㎝以上、体重が9㎏~12㎏で、15㎏程にもなる凶暴なアナグマに立ち向かえるように改良されてきました。
2. ミニチュアダックスフンド
生後15カ月で胸囲が30㎝~35㎝以内であればミニチュアダックスフンドです。体重は5㎏以下で日本において最も人気のあるタイプのダックスフンドです。アナグマよりも小さいウサギなどを狩るために小型化されました。
3. カニーンヘンダックスフンド
さらに小さな獲物を捕らえるために小型化されたのがカニーンヘンダックスフンドです。生後15か月で胸囲が30㎝以下の個体のことをいい、体重は3㎏程の超小型犬です。一番小さいので飼いやすいかと思う人もいますが、カニーンヘンダックスフンドが狩りに対して最も情熱的だと言われています。小さいからといって家庭犬として適しているわけではないようですね。
昔から狩猟犬として活躍してきたダックスフンドは人間に対して従順でフレンドリーな性格を持っています。短足な見かけだけでなく表情や行動もユニークで、明るい性格は飼い主を楽しませてくれるでしょう。被毛が3タイプに分かれていて、それぞれのタイプによって性格にも多少の違いが見られるようです。
スムースヘアータイプ
スムースヘアータイプのダックスフンドは、自分よりも大きな獲物に対して恐れることなく立ち向かう勇敢な性格をしています。小動物を見ると狩猟本能が働いて、追いかけ回すことがあるのできちんとしつけておく必要があります。また、無駄吠えが多くなったり攻撃的な性格になったりしないように子犬の頃からのしつけが必要です。
ロングヘアータイプ
ロングヘアータイプのダックスフンドは鳥猟犬が掛け合わされていて、他のタイプに比べて温和な性格の個体が多いとされています。鳥猟犬は獲物に直接立ち向かうわけではないので攻撃的な性格になりにくいのかもしれませんね。日本で人気があるのはロングヘアータイプのミニチュアダックスフンドです。
ワイヤーヘアータイプ
ワイヤーヘアータイプのダックスフンドはシュナウザーなどテリア系の犬種が掛け合わされます。テリア系が入っているのでやはり頑固さなどのテリア気質が受け継がれています。
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ダックスフンドに続いて短足犬といえばウェルシュコーギーでしょう。ウェルシュコーギーにはペンブロークとカーディガンの2種類があります。これらの歴史も紐解いてみると、どうして短足になったのかがわかるかもしれませんよ。
ウェルシュコーギーには2種類ありますが、まずはペンブロークの歴史から見てみましょう。ペンブロークはイギリス南ウェールズのペンブロークシャー地方で生まれた犬種です。11世紀の本にペンブロークのことが描かれていることから、歴史が非常に古いということがわかります。主に牧畜犬として農家で飼われていました。
とても賢くて、牛や羊を追うのが主な仕事だったようです。牛を追う時には、牛の後ろから回り込んでかかとに噛みつくという方法を取っていたようです。その時、驚いた牛に蹴られてしまわないように短足な個体が選択繁殖されたとされています。生まれた時に断尾することが習慣になっていましたが、最近では動物愛護の観点から断尾をしない場合もあります。
ペンブロークがドッグショーに登場するようになったのは1920年代のことです。そしてイギリス王室のエリザベス女王2世に飼育されるようになり、国内ではもちろん国外へも人気が広がっていきました。
もう1種類のカーディガンもペンブロークと同じくウェールズ原産で、番犬や牧畜犬として活躍していきました。ペンブロークとは違い、断尾されることはなかったようです。そのため尻尾があるのがカーディガン、尻尾がないのがペンブロークと見分けることができました。カーディガンは紀元前1200年頃にイギリスに渡ってきた犬が起源で、祖先はダックスフンドと同じだと考えられています。
ウェールズのカーディガンシャー地方で飼われていましたが、ジョージ6世がペットにしたことから一般にも知られるようになりました。牧畜犬として家畜の群れを誘導する仕事を行なっていましたが、牧場にフェンスが張られるようになると仕事を失ってしまいます。このころからペンブロークと交配されることも多くなり、同一犬種として扱われるようになりました。
しかし体の大きさや尻尾の有無などの違いがあることから、イギリスのケネルクラブは1943年にペンブロークとカーディガンを別々の犬種として登録することにしました。人気の面ではペンブロークが大ブレークしたのに対してカーディガンはブレークすることなく一定の人気を保っています。
ペンブロークもカーディガンも牧畜犬として人間と関わって生活してきた犬種なので、飼い主に従順で活発な性格をしています。社交的なので他の人や犬とも仲良くやっていくことができます。活動的で散歩が大好きですが、動くものに反応して噛みつく傾向があるようです。牛のかかとを噛んで誘導していた歴史の名残ですね。
足元に噛みつく癖がつくと大変なので、きちんとしつけておく必要があるでしょう。また牛を追っていた時の名残からか大声で吠えることもあるようです。無駄吠えのしつけもしっかりしておく必要があります。ペンブロークのほうが俊敏性に優れていて、カーディガンは落ち着きがあると言われています。
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ダックスフンドとウェルシュコーギーの歴史を見るとどうして短足犬が生まれたのかがわかってきますね。さらに科学的に行われた調査結果もあります。短足犬が生まれた理由についてまとめましょう。
ダックスフンドの歴史を見ると、獲物の巣穴に入り込みやすいように胴長短足の犬種が選択繁殖されたことがわかります。足が短くて胴が長い個体を交配すれば遺伝的に同じような体型の子犬が産まれてきますね。さらにサイズの小さいもの同士を交配させて小型化にも成功したことがわかります。
ウェルシュコーギーの場合も同様で、家畜に蹴られてケガをしないように体高の低い短足同士の選択交配が行われていたことがわかります。中型犬としてのサイズを保ち、大きな家畜を誘導するための走るスピードを落とすことなく足だけが短くなるように改良されていったようですね。
ダックスフンドやウェルシュコーギーの他にも短足の犬種はあります。例えばバセットハウンド、ダンディディンモントテリア、グランバースパニエル、バセーフォーブドブルターニュ、サセックススパニエルなどです。これらの犬種は短足なのが特徴ですが、どうして短足になったのか科学的な理由を研究した人たちがあらわれました。
2009年にアメリカ人とイギリス人が研究チームを組んで短足犬が生まれる理由についての研究を行いました。その研究結果はアメリカの科学誌「サイエンス(Science)」に掲載されました。研究対象に使われたのは短足犬種95匹を含む835匹の犬で、遺伝子の分析が行われました。その結果、短足犬種全てにFGF4という細胞増殖因子タンパク質の遺伝子コードが多いことがわかりました。
成長期の早い段階でFGF4遺伝子によって成長を促進するタンパク質が大量に産出され、足がまだ短いうちに骨の成長が完了してしまうということです。オオカミから派生した犬ですが、ある段階でこの遺伝子の突然変異が起こり、短足犬が生まれるようになったことが明らかになりました。