ワンちゃんの爪とぎ

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ワンちゃんをお家の中で飼っている飼い主さんはワンちゃんの「爪とぎのような行動」に困っているかもしれませんね。バリバリと何度も床を引っかくことで床には深い傷が入ってしまいます。

ワンちゃんの行動は猫ちゃんたちが行っている爪とぎに非常に似ているので、同じように捉えている人も多いのではないでしょうか?しかし、実際はそうではないのです。

猫ちゃんたちの爪とぎとは異なる?

猫ちゃんたちは爪とぎをします。猫ちゃんの爪とぎにはたくさんの理由があります。鋭い爪を維持するために爪を研ぐことがあるでしょう。獲物を捕らえる時には鋭い爪が大切です。猫ちゃんとしても日々のケアを欠かすことが出来ないのですね。

また、伸びすぎた爪を整える役目もあるでしょう。爪とぎの本来の役目は爪のケアですが、マーキングするために行なったり、ストレスが溜まって、気分転換したりする時にも行なわれます。

猫ちゃんには爪とぎ用のペット用品を与えることで、家の中が傷だらけになることを防ぐことができます。猫ちゃんも爪をしっかりとケア出来て満足でしょう。

実は「ワンちゃんが床を引っかく」ことは猫ちゃんたちの爪とぎとは異なったものなのです。猫ちゃんの爪とぎと同じものではないので、猫ちゃんたちと同様の解決方法ではあまり効果的でないのです。

ワンちゃんの爪とぎはするの?

ワンちゃんが自分から爪とぎをすることはありません。ワンちゃんたちが行っている「爪とぎに似ている行為」はいったい何なのでしょうか?

ワンちゃんがしているのは穴掘り!

実はワンちゃんたちが行っているのは、「穴掘り」なのです。ワンちゃんが爪で引っ掻いているのは、庭の地面だったり、お家の床だったりするのではないでしょうか?「爪を研ぐ」のが目的で引っかいているのではなく、「穴を掘る」ことが目的なのですね。

穴を掘るためには当然爪を使って引っかく必要がありますから、似てしまうのもしょうがないことです。ワンちゃんの穴掘りを爪とぎと勘違いしている人も結構いるものです。特に猫ちゃんたちと一緒に住んでいる人は同様の行為として考えがちです。

現代では、ワンちゃんをお家の中で飼育している人も多いでしょう。しかし、ワンちゃんは本来外で生活する生き物です。もともとワンちゃんたちは、自分の生活空間をつくる時に穴を掘っていました。そのような本能があるのです。お家の中で生活していたとしても、穴を掘りたくなることがあるようです。

ワンちゃんはどんな時に穴掘りするの?

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私たちが「爪とぎ」だと思っていたものは「穴掘り」だったのですね。では、ワンちゃんたちが穴掘りをするのはどうしてでしょうか?穴掘りする時のワンちゃんの気持ちについてご紹介しますね。

寝たい時

ワンちゃんたちは自分が生活する空間に穴を掘ることがあります。どうしてでしょうか?掘った穴やくぼみを寝床とするためです。

外で生活するワンちゃんにとって安全性を確保することは大変なことであり、とても重要なことです。ワンちゃんの安全が脅かされるのは、ワンちゃんの意識がなくなる時です。つまり、休憩や就寝は危険と隣り合わせの行為なのです。

もちろん、安全な空間に穴を掘るわけですが、それでも危険が無くなるわけではありません。安全面で、ワンちゃんには休むときに穴を掘るという習慣があるのですね。

そのため、「眠たい」「休憩したい」と感じた時に穴掘りをすることがあります。人間に飼育されているワンちゃんの危険が脅かされることはないでしょう。しかし、本能的に穴を掘りたくなるのです。

このような習慣から来ている部分もあると思いますが、ワンちゃんたちは薄暗くて狭い場所を好みます。

広い場所よりも、狭くて体が当たるような場所でリラックスできるのです。ゆっくりとしたい時にはそのような場所を求めるでしょう。こうした理由から穴を掘ることもあるかもしれませんね。

習慣からくる行為ですので、なかなかやめさせることは難しいかもしれません。しつけることも出来るでしょうが、ストレスが溜まってしまわないように注意しましょう。

床に傷が付くのであれば、よく穴掘りしようとする場所に段ボールなどを敷くことができるかもしれません。また家具などを引っかいてしまうのであれば、家具の位置を変えることも助けになるでしょう。

ストレス解消

ストレス解消のために穴掘りをすることもあります。寝たい時などは、基本的に「穴をつくる」ことが目的です。しかし、ストレス解消の場合は「掘る行為」が目的となっています。地面を掘る行為によって溜まっているストレスを発散させようとしているのですね。

ワンちゃんのストレスには十分注意してあげるようにしましょう。散歩や運動を怠っているなら、ストレスが溜まりやすく、そのストレスを他の方法で発散させようとするでしょう。散歩や運動ができないので、ほかの行動を行なうのは当然ですよね。

ワンちゃんたちがよく穴掘りをするのであれば、日々の習慣を思い返してみるのはいかがでしょうか?もしかしたら、サボりがちなせいでストレスが溜まっているのかもしれませんよ。

ストレス解消のための穴掘りが癖になってしまわないように注意したいものです。ワンちゃんが穴掘りすることが多いと、その行為にばかりするようになるかもしれません。

是非、早い段階でやめさせて、運動させたり、遊んであげたり、コミュニケーションを取ってあげるようにしましょう。ストレスは穴掘り以外の方法で解消するのが良いのです。

ストレスによる穴掘りは深刻な原因である場合もあり得ます。ワンちゃんに非常に強いストレスがかかり続ける場合、ワンちゃんは「常同行動」をするようになります。

常同行動とはワンちゃんの意志とは関係なく、同じ行動を繰り返すことです。同じ場所を何度も引っかいたり、噛んだりします。自分では止めることが出来ないので、皮膚が損傷したり、出血したりすることさえあります。

常同行動として、穴を掘り続けることもあるでしょう。ひたすら穴を掘っているのであれば、獣医さんに相談することが出来るかもしれません。

遊び

「穴を掘ることが楽しい」と感じてしまうワンちゃんもいるようです。ワンちゃんたちは身体を動かして遊ぶことが大好きです。かけっこや、ボールで遊ぶことなどですね。ワンちゃんひとりでもそれらで遊んでいることもあるでしょう。

同様に、体を動かす遊びとして穴掘りを発見することがあります。穴を掘っているうちに楽しくなって「これは楽しい遊びだ!」と感じてしまうのですね。特に若い元気なワンちゃんたちはそのような遊びをしてしまうことがあるようです。

元気が有り余っているのでしょう。できれば、運動する機会を増やしてあげて下さいね。たくさん全身運動させてあげることで、ワンちゃんたちのエネルギーを消費させませましょう。

広場に連れていく機会が少ないのであれば、飼い主さんたちが一緒に遊んであげるのはいかがでしょうか?飼い主さんが遊んであげることで、ワンちゃんたちの運動量を増やすことが出来ます。ボールを投げてあげるだけでも楽しく運動できるでしょう。

獲物探し

ワンちゃんたちは獲物を探すことが大好きです。動いているものを見つけた時には、本能が刺激されて俊敏な動きを見せるのではないでしょうか?そのような獲物の中には、土の中に逃げる虫や動物がいます。小さな隙間に逃げ込む虫たち、小さい穴で生活している小動物たちですね。

ワンちゃんはそのような獲物をどうやって捕らえるのでしょうか?穴を掘ることによってです。相手が逃げ込んだ穴を掘って見つけ出すこともあるでしょう。

実際に獲物が逃げ込んでいない時でも、本能が刺激されると穴を掘り始めることがあります。そのような時には興奮状態にあるでしょう。「ハンティングモード」が切れた途端にやめるでしょうが、それで床がボロボロになるのは困りものですね。


情報提供元: mofmo
記事名:「 犬も爪とぎする?爪のお手入れ方法についてしっかり知っておこう