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人気もなく荒涼とした雰囲気が漂うこの場所に、小さな犬がいるとの情報を受けてのことでした。
スタッフたちが見つけたのは、藪の中に体を埋めた、小さな黒いわんちゃんでした。
どこか遠くを見るようにして、身動きをしないわんちゃん。
辺りには危険なものが多く、すぐ傍にいるのに、どうにも近付くことができません。
そこでスタッフたちは、わんちゃんの上から網を被せ、保護しようと試みることにしました。
わんちゃんは、網を手にゆっくりと近付くスタッフを視界に捕らえます。
容易に人や動物が近づけない場所に身を潜めていたわんちゃん。
さぞかし警戒心が強く、必死に抵抗するだろうと思いきや、わんちゃんはじっと動かなかったのです。
狙いを定め、バサッとわんちゃん目がけて網を落とすスタッフ。
すると、微動だにしなかったわんちゃんが驚きのあまり暴れだしました!
その瞳は、急に覆いかぶさり自由を奪った正体不明なモノに対する恐怖に見開かれています。
わんちゃんを安心させるため、じっと動かずに見守るスタッフたち。
自分を囲む人間たちに害意はないと悟ったのか、わんちゃんはすぐに暴れるのをやめ、大きな目でスタッフを見つめます。
そして、頭を撫でることを許してくれたのです!
首にリードをかけられ、網から出されても、わんちゃんは抵抗する素振りを見せませんでした。
怯えているのか、諦めているのか、寂しそうな顔でただ体を硬くしています。
人の温かな腕に抱かれているというのに、その顔を見ようともしないわんちゃん。
その心には、複雑な想いが秘められていました。
わんちゃんの抱える想いとは?