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「異例の発表です」ときょう3日(2021年12月)の「モーニングショー」で、野上慎平アナウンサーが切り出したのは、中国の彭帥選手(35)の問題を受けて「香港を含む中国でのすべての大会を中止する」とWTA(女子テニス協会)が発表したニュースだ。
彭帥選手は自身のSNSで、中国の元副首相に性的関係を強要されたと告白した後、表舞台から姿を消し、安否が心配されている。
WTAのサイモン会長は1日に発表した声明のなかで、「中国の指導者たちはこのとても深刻な問題に信用できる方法で対処していない。彭帥選手が自由な発言を許されず、性的関係を強要されたという主張を否定するよう圧力を受けているように見える状況のなか、私には到底選手たちに『中国でプレーを』とは言えません」と厳しく指摘。英BBCの取材に対し、「この問題はビジネスよりも大きい」と話している。
この問題について、IOC(国際オリンピック委員会)は11月、彭帥選手の無事をバッハ会長がテレビ電話で確認したと写真と共に発表しているが、きのう2日、「彭帥選手と2度目のテレビ電話を行った」と再度発表した。しかし、今回は写真もなく、電話の内容や誰が話をしたかも明らかにしなかった。IOCは「彭帥選手の置かれている状況を懸念しており、彼女に広範囲の支援を申し出ている。来年1月に対面で会う予定だ」としている。
一方、中国外務省はWTAの決定について、「スポーツの政治問題化に断固反対する」とだけコメントした。
2019年のWTAツアーは、54大会中9大会が中国で開催された。ロイター通信によると、WTAは今回の決断で放映権料やスポンサー収入など数億ドルを失う可能性もあるという。野上アナは「WTAの中国マネーへの依存度はこの15年間で相当大きくなっていた。これまでのテニス界の常識では考えられないようなお金が動いていた」という元プロテニスプレーヤーの沢松奈生子氏のコメントも紹介した。
長嶋一茂(スポーツキャスター)「WTA会長の決断は素晴らしいと思います。一方、IOCのバッハ会長の立ち位置がよくわからない。本来なら、映像なり音声なりを通して彭帥さんが安全だということを発信しなきゃいけないのに、それをやらない理由がわからない」
玉川徹(テレビ朝日社員)「中国は人権よりも政治体制を守る国。民主主義の国とは違う。世界がこの2つに分かれていくなか、IOCはどうかんでいくのかというと、理念じゃなくてお金なんだなということ。金のIOCと人権のWTAということです」
(キャンディ)