- 週間ランキング
大学構内の学生の“たまり場”というと、学内のカフェや学生食堂、学部棟ロビー、サークル棟などが浮かぶけど、3Dプリンターやレーザーカッターなどの工作機械が集結したルームに所属学部・学科を問わずみんなが集う場所がある大学は、ここしかない。
ここは、工学部・農学部・芸術学部・教育学部・文学部・経営学部リベラルアーツ学部・観光学部などをもつ総合大学―――玉川大学。
この玉川大学でいまホットな話題が、2023年4月に工学部に開設される「デザインサイエンス学科」。
プロダクト・ロボット・環境の3領域でプロをめざせる、玉川大学の新たな学び場で、その中心拠点となる場が、STREAM Hall 2019の1階にある「メーカーズフロア」。
パソコン、3Dプリンター、フルカラー3Dプリンター、大型インクジェット3Dプリンター、3Dスキャナー、3D プロッター(切削加工で形を作る)、打刻機、シートカッター、レーザーカッター(紙、木版、アクリル板などの切断)が集結する空間で、なんとここ、玉川大学のすべての学部・学科の学生が自由に出入りできる、“ものづくりのセントラルパーク”なのだ。
このメーカーズフロアの“ヌシ”ともいえる存在の“ものづくりプロフェッショナル”が、玉川大学 工学部 エンジニアリングデザイン学科 平社和也助手。ほかの大学にはない、メーカーズフロアの魅力について、こう教えてくれた。
「このメーカーズフロアには、『こんなイメージなんですけど、実現できますか?』という感じで初めてドアを開ける玉川大学生たちが、いろいろ集まってきます。
直近では、工学部と芸術学部の学生が自主的にチームを組んで、学園祭(コスモス祭)でインタラクティブアートを実現させたいという想いで、まずメーカーズフロアに集まって設計し、制作に取り組んでいました。
なにか壁に当たっても、このメーカーズフロアには、各学部・学科の先生たち、OB・OGなどの“専門家”がすぐに駆けつけてくれます。学生たちは目標に向けて楽しく活動しており、常にいろいろなプロジェクトが走っています。
たとえば、ノートPCにOfficeなどしかソフトが入っていないような、教育学部 社会科専攻の学生もこのメーカーズフロアに来て、プロジェクトに取り組んでいます」(平社先生)
「彼らが手がけているのは、国土地理院が公開している地形の3Dデータを、メーカーズフロアの3Dプリンターで立体化して、実際の学校現場で活かすという新しい取り組みです。
今年からゼミのみなさん全員で来ることになり、皆パソコンについては文書作成やプレゼンのスライド作成の用途でしか使ったことのない学生ばかり。
いい機会だったので、わたしは3Dデータや3Dプリンターに触れたことがない学生に向けて、誰でも直感的に扱い方や操作がわかる『使い方動画』を作成しました。
パソコンの使い方から、3Dプリンターで立体化されるまでの動画をつくっていたら、学外向けに紹介動画もつくっちゃおうということで、いろいろとシナジーが生まれています。
さらに、この取り組み内容で国土交通省 国土地理院 主催の『Geoアクティビティコンテスト』にも応募し、12月にG空間EXPO2022(東京都立産業貿易センター浜松町館)で発表します。
そのプレゼンテーションも、教育学部のほか、工学部・芸術学部の3学部学生を巻き込んで、メーカーズフロアでつくりあげた3D地形を使った教育方法をテーマに発表します」(平社先生)
平社先生は、2023年4月に玉川大学に開設される「デザインサイエンス学科」について、こう期待を込める。
「モノだけではなく、コトやマネジメントなど、プロジェクトを組んでチームでプロダクトを市場に出せる、示せるような人材を育成する場が、新生デザインサイエンス学科です。実はチームを組んで、と言いましたが、マネジメントを目指す人は、ひとりでも挑めます。
マネジメント、プロデューサー、デザイン……など、どうやったら異分野の人たちのスキルを活かし、まとめあげて、プロダクトを実用化できるか。そんなプロデューサーやプロジェクトリーダーといわれるプロフェッショナルをめざしたい人は、ぜひここ玉川大学 デザインサイエンス学科へ。
さらにデザインサイエンス学科では、知財、著作権、マネタイズ、量産化、安全性の担保と責任、リスクヘッジまで、プロダクトが世に出ていったところまでカバーするビジネススキルも身につけられます。こうした分野の専門家がそろう場で、しっかり学べます。
玉川大学のメーカーズフロアは、その名のとおり、『メーカーになれる場』です。今後は玉川大学発の製品も世の中に出てきます。
メーカーとしてのあらゆるプロセスに関わることができるメーカーズフロアは、みなさんの創造性を発揮する場です。
2023年度以降は、3Dプリンターなどの機材を更新し、高精度の最新切削加工機などを導入しする予定で、量産体制も整えていきます。今後は流通業などとも提携し、玉川大学発の製品開発・販売を手がけていきたいです。
あとは、学生たちの『どれだけ実現したいかという思い』が大事になってきます。熱い想いを持った方、ぜひ玉川大学メーカーズフロアへ」(平社先生)
ここであらためて、玉川大学に2023年4月に開設予定の「デザインサイエンス学科」について。
この新学科は、モノづくりを通して多様化する課題に対応できる「デザイン能力」を、身に付けることをめざしている。
その最大の特長は、「プロダクトデザイン」「ロボットデザイン」「環境デザイン」という3つの専門領域が、興味・関心にあわせてじっくり学べる点。
◆プロダクトデザイン領域では、人間の身体的・心理的な特性や環境を分析し、玉川大学 工学部内に設置されている3Dプリンターなどのデジタルマシンで製品(プロダクト)を製造。安全で使い心地がよく、環境にも優しい商品づくりの経験を積み重ね、日々の暮らしを豊かにするプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。
◆ロボットデザイン領域では、ロボット製作に必要なプログラム(ソフトウェア)やロボット機構(ハードウェア)、機能デザインに加え、生物の持つ機能・形状もあわせて研究。ロボティクスの力で、人々の生活の手助けをするロボット・施設・マシンなどを開発・実装できるプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。
◆環境デザイン領域では、生活を便利にするテクノロジーを支えるためのエネルギーや材料、利用方法を研究。持続可能な社会の実現のために、環境負荷の少ないエネルギー源や技術、材料を用いた製品やシステムづくりに貢献できるプロダクトデザイナー・製品開発者・テクニカルエンジニア・デジタルクリエーターなどをめざせる。
また、こうしたプロフェッショナルをめざせるほか、教職課程を受講し、中学校(技術・数学)、高等学校(工業・数学)の教員への道もサポートされているほか、CAD利用技術者、3Dプリンター活用技術者、基本情報技術者試験、知的財産管理技能検定、認定人間工学専門家といった資格の取得チャンスもある。
玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)では、デザイン、科学、工学、テクノロジーの基礎科目とあわせて、プロダクトデザイン、ロボットデザイン、環境デザイン(エネルギー)に関する専門科目を徹底的に学ぶ、新しい学科。
その他に、デザイン思考、IT、デザイン経営に関する科目も充実していることが特⻑。
1年次には、「デザインサイエンス入門」など、3Dプリンターなど最新機器やCADの使用方法など、デザイン、工学、プログラミングの基礎科目を。
2年次には、プロダクトデザイン、ロボットデザイン、環境デザインの各コースに属する応用科目を受講していく。
また3年次には、デザイン思考を本格的に養っていくために、デザイン・モノづくりの学びを深め、4年次には、卒業研究として4年間の実践的な成果をカタチにしていく。
徹底的なデザイン思考で、アイディアをカタチするためのプログラミングとデータサイエンスを学び、さらに次世代のビジネスを創造するデザイン経営を学べる場。
テクノロジーによるイノベーション(革新)を起こすために必要なチャレンジ精神や起業家精神を養成できる場として、いま注目を集めている玉川大学 工学部 デザインサイエンス学科(2023年4月開設)。気になる人は新学科の公式サイトをチェックしてみて↓↓↓
https://www.tamagawa.ac.jp/college_of_engineering/news/detail-007.html