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中高年に静かに迫る 筋肉減少症 サルコペニア のリスクを解消するかもしれない、画期的な研究結果が出てきた―――。
カネカと順天堂大学の共同研究によって、ハーブの一種であるレモンマートル葉を原料とするカネカ独自の筋肉ケア素材「カスアリニン」と、同大 町田修一教授・医学博士が開発した運動プログラムの併用で、サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象 筋肉減少症)予防効果が実証された。
この カネカの新素材 レモンマートル由来カスアリニン は、筋肉の維持・向上に不可欠な筋サテライト細胞を活性化させる効果が動物試験にて示唆されている素材で、レモンマートル由来カスアリニンの摂取が、サルコペニア予防に貢献できる可能性が示された。
都内で開かれた説明会で、順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 町田修一 教授・医学博士と、カネカ サプリメント&乳酸菌研究所 本田真一 理学博士が、詳しく教えてくれた。
まずは サルコペニア や フレイル といった病について。
フレイルは、心身の活力が低下し、要介護一歩手前の虚弱な状態を示す状態。フレイルの一因としてあげられるのが、サルコペニア。
このサルコペニアが引き金となって、身体機能の低下、活動量の低下、食欲低下……と連鎖的に“フレイルサイクル”に陥いることで、重篤な疾患がないにもかかわらず、心身の健康状態の悪化が進んでしまう。
そしてサルコペニアは、加齢にともなって筋肉量や筋力が低下している状態で、筋肉量は加齢とともに減少し、とくに40代以降で急激に減少するといわれている。
フトモモ科バクホウシア属の植物で、オーストラリア北東のクイーンズランド州海岸側の亜熱帯雨林に自生するハーブの一種「レモンマートル」は、おもに精油(エッセンシャルオイル)の原料として親しまれている植物。
原産地のオーストラリアでは伝統的に使われていて、そのおもな輸出先は欧州で 6割以上を占めている。
また日本国内では、観賞用、精油、茶葉、スパイスなどとして、さらに最近では、クッキーやケーキ、キャンディなどにも使われている。
そしてカネカ独自の新素材 レモンマートル由来カスアリニンは、レモンマートルの葉に含まれるポリフェノールの仲間で、筋サテライト細胞を刺激し、活性化させることが細胞試験・動物試験で明らかに(Yamamoto A.et al.;Nutrients. 14(5), 10788(2022))。
筋サテライト細胞は骨格筋の形成に不可欠で、加齢によってその働きが低下することから、適切な筋力トレーニングと栄養管理にプラスして、レモンマートル由来カスアリニンを摂取することで、筋力トレーニングの効果を促進しサルコペニアの予防に資することが期待できる。
カネカと順天堂大学は、筋力の衰えを自覚する65歳以上の男女14名を対象に、週2回の筋力トレーニングと毎日のサプリメント摂取を12週間実施。
7名はレモンマートル由来カスアリニン 2.5mg/日 含有サプリメントを、7名は有効成分が入っていないサプリメント(プラセボ)を摂取し、試験開始前、試験6週目、試験終了時に各種を測定した。
その結果、レモンマートル由来カスアリニンを摂取した人は、プラセボを摂取した人と比べて、6週目・12週目で大腿部前面の筋肉の増加量が統計的に有意に大きくなった。
この結果は、レモンマートル由来カスアリニンが筋肉量の増加を促進することが示唆されたかたちだ。
―――カネカが 10年以上の研究開発の末、筋肉ケア習慣のサポートに役立つ成分であることを200種類もの植物から発見したレモンマートル由来カスアリニン。今後の展開が、楽しみ。