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ニッポンはいま超高齢化社会・少子化で、深刻な人手不足・人材不足。
産業別では、建設業や運輸業がかなり深刻。
国内の物流・宅配を支えるトラックドライバーも人手が足りず、さらにドライバー残業時間規制という2024年問題に直面している。
こうした“国内物流危機”の救世主が、意外なモビリティ。
それは―――船。
数ある貨物定期船事業者のなかでもいま注目を集めるのが、「業界唯一 関東~関西 デイリー運航」で知られる大王海運(https://daio-kaiun.com/)。
関東と関西という国内物流の大動脈を、海路で結ぶ大王海運は、2002年から RO-RO 船(Roll-on Roll-off ship)による定期航路輸送サービスを開始。
関東~関西をデイリー運航する唯一の船社として、このトラックドライバー2024年問題解決に貢献しているということで、その注目度をチェックすべく、千葉県千葉市にある千葉中央港で、大王海運のRO-RO船に潜入してみた。
RO-RO船とは、貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶をいう。
出発港ではトラクター(トレーラーヘッド)+シャーシ(トレーラー・貨物)がそのまま船内へと自走して乗船し、トレーラーを引っ張ってきたトラクターと、貨物を積むシャーシを切り離し、船側にはシャーシ(貨物)だけを載せ(ロール・オン)、引っ張ってきたトラクターは船から下りる。
到着港では、そこで待機していた別のトラクターが乗船し、シャーシ(貨物)を連結。そのまま自走で下船(ロール・オフ)し、到着港から貨物目的地まで自走で陸送するという輸送スタイルだ。
大王海運は、この RO-RO 船を3隻保有。3隻体制で、千葉中央港~大阪堺泉北港~岡山宇野港~愛媛三島川之江港を、月曜日~土曜日でデイリー運航中。
しかも大王海運がシャーシ(貨物積載用トレーラー)を1300台も抱えてるうえに、乗務員や固縛資材もグループで手配できることから、顧客は「貨物のみを準備し、集荷から配送まで海陸一貫輸送が実現できる」という。
ちなみに、大王海運の RO-RO 船は、11人の船員が乗り込み、4時間交代制で航路輸送を守っている。
11人の内訳は、船長(キャプテン)1人、航海士(オフィサー)3人、機関士(エンジニア)3人、甲板手(セーラー)3人、そして彼らの食を支える司厨員(料理人)1人。
この大王海運の船員たちの仕事ややりがい、ライフワークバランス、プライベートなどに迫る話題は、また別でレポートするからお楽しみに。
3隻体制の大王海運 RO-RO船 の貨物輸送空間は4層構造。2021年導入新造船 第五はる丸・第六はる丸の場合は、160台のトレーラー、250台の乗用車(新車納品用など)が積める。
たとえば、群馬県の主要工場などでつくられたスバル車などは、この大王海運の RO-RO船 で関西・中四国エリアへと運ばれ、到着港からクルマを運搬するキャリアカーに載せられて各ディーラー拠点などに運ばれ、購入者の手元に届くという具合だ。
そこで大王海運の関東~関西 デイリー運航が注目される最大の理由が、トラックドライバーの労働時間削減への貢献。
たとえば関西から東北への拠点を結ぶ800kmの場合、20時間ものドライバー労働時間(運転時間)が強いられる。
これを、大王海運の RO-RO船 を活用すると、大阪堺泉北港(泉大津港)までの100km 2時間を関西側のドライバーが担い、大阪堺泉北港~千葉中央港間は貨物だけを無人航送に。
千葉中央港から東北の拠点までの200km 4時間は、東北側のドライバーが担うことで、ドライバーの労働時間は大幅に削減できる。
そんないま注目の大王海運は、千葉営業所 新社屋が4月から稼働。画像↑↑↑で中央部分の2階建てが新社屋。
この新社屋完成で、従業員の労働環境もさらに改善し、関東地区をはじめ、千葉県から北関東にかけての営業を強化するというから、今後の動きに注目を。
―――さらに、トラックドライバー(希望者)が過ごす客室や、船員が過ごす部屋・風呂・食堂などにも潜入!
船長や機関士の“素顔”にも迫るから、お楽しみに。