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「スギナ」をご存知でしょうか。別にスギナが悪いわけではありませんが、雑草といわれております。地下茎で増えるため、抜いても抜いてもすぐにまた生えてくるとても厄介な草です。冬も間近になったこの季節でさえ、まだまだ元気です。生い茂ったようにスギナが生えている場所にスコップを入れて、スギナを抜き始めたところ、何やら今までとは様子が違っていました。
ここは空き地です。スギナだけではなく色々な草が生えています。そのままにしておくと草の背丈が伸び放題となってしまうので時折草抜きをします。中でも一番多いのがスギナです。スギナの地下茎はどこまでもどこまでもつながっているので、できる範囲で根っこも一緒に抜きます。
スギナを抜いていると、今までに見たことのないものが根にたくさん付いていました。思わず、抜いたスギナを放り出してしまいました。なんとも不気味です。
まるで何匹もの蛇のような虫が頭をもたげているようにさえ見えてきます。春先からこの時期まで何度もスギナを抜いてきましたが、こんな不気味なものを見たのは初めてです。
全てのスギナがこのようになっているわけではありません。これまでに見てきたものと同じで、地下茎だけがスルスルと出てくるスギナもたくさんありました。
この不気味な物体は、地面すれすれの場所にポツンとついていたり、地中までつながってたくさんついていたりします。
少し冷静になってコンクリートの上に置き、観察してみました。根っこに付いているというよりも、根っこの先に付いているという表現の方が正しいようです。よくよく見ると、これはもしかしたら、春先によく見る”あれ”ではないでしょうか。そうです、”あれ”です。本当に人騒がせな...。これって、”つくしの赤ちゃん”ですよね。
今はまだ赤ちゃんですが、春先までにどんどん成長して、この気味の悪い模様の部分が開き、つくしになるのですね。”つくし”は漢字で”土筆”と書きますが、正に筆先のようです。
旭川市ではもうすぐ雪の季節です。つくしが生えてくるのは半年以上も先のことなのに、もう準備が始まっていたのですね。
スギナとつくしは地下茎でつながっているのだそうです。つくしは成長すると胞子を飛ばし、その胞子が育って成長するとスギナになるのだそうです。つまり、スギナは地下茎でも増えるし、胞子により新しく誕生もするようです。毎年、つくしの時期が終わってからスギナが生えてくるので、つくしとスギナの関係を不思議に思っていました。
スギナを目にする機会がありましたら、根元を観察してみて下さい。もしかしたら、つくしの赤ちゃんが顔を出しているかもしれません。
何気なく見ていてあまり意識しないものでも、興味深いことが隠されていることに気付くことがあります。一度は行きたい冬の北海道の絶景スポット「なまこ山」の美しさがハンパない! の中にも自然の中で出来上がった景色がありました。