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本日の金曜ロードショーで放送される「ルパン三世 カリオストロの城」。本編を見たことが無いという人でも知っている銭形警部のあまりにも有名な名台詞「いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」に隠されたとてつもなく粋な秘密を考察してみました。
あのシーンに至る前、クラリスはルパンに「私も連れてって」と言う。「泥棒はまだ出来ないけどもきっと覚えます」なんて、まさしく子供だ。世間知らずも良い所だ。しかし、クラリスはきっと連れて行ったら真面目に泥棒になろうとしてしまうだろう。ルパンは、抱き着いてきたクラリスに腕を回さない。あのルパンが、である。
クラリスはキスをせがむが、ルパンはおでこにキスをする。服をその場に残してベッドにダイブしようとするような男とは思えない我慢強さだ。その後に普通に車の中で落ち込んでいるあたり、かなり我慢した事が伺える。クラリスの事を思い、自分の存在の後ろ暗さを思い、明るく旅立つルパン。粋だ。
そして、ルパンが車に乗り込んだタイミングで銭形警部が登場。「くそー、一足遅かったか」なんて言っている。そしてその直後に例の台詞なのだ。
銭形「くそー、一足遅かったかルパンめまんまと盗みおって!」
クラリス「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ、私のために戦ってくださったんです。」
銭形「いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました」「あなたの心です」
クラリス(嬉しそうに)「はい!」
さてこの台詞、ルパンとクラリスのやり取り(上項参照)を見ていないと出てくるはずがありません。もしこの台詞が見当違いであればクラリスは銭形は急に何言っているのだ?とっつぁん(とはクラリスは銭形を呼ばないけど)って案外恋愛脳なのか?となるし、そもそも銭形もキリっとした表情で言えないでしょう。確信を持って言っているのです。嬉しそうにしているあたり、励ます意味もあるのかもしれません。
という事は、銭形警部はやりとりの最中、二人に気を使って「あの状況を見守っていた」事になります。捕まえるチャンスなのに。そして、ルパンが逃げ始めてから登場。なのに「くそー、一足遅かったか!」なのです。粋すぎます。
こんな粋が詰まった「ルパン三世 カリオストロの城。」様々なルパン作品がありますので、それぞれ自分なりの考察をしてみるのも面白いかもしれません。
画像掲載元:秒刊サンデー