たまごを冷蔵庫から出して小鉢に入れてみました。大きさはどれもほぼ同じなのですが、ひとつだけ少し小さめです。これらのたまごはMサイズということで、ネットに入って売られていました。ネットに入れるときにサイズ間違いでも起きたのでしょうか。たまごの色もひとつだけ違っています。実は、このちょっと小さめの白っぽいたまごには驚くべき秘密が隠されているのです。



茶色のたまごと白っぽいたまごを手に取って見ました。こうしてみると、色以外にはあまり違いは感じられません。しかし、白っぽいたまごには何か模様のものが見えています。これはもしかして、鶏以外のたまごなのでしょうか。



たまごをのせるのに手ごろな木の皿があったので、小さい方のたまごをのせてみました。大変です、このたまごは普通のたまごではありません。まん中には、すぐにでも割れてしまいそうな筋まで入っています。ゆでたまごなのでしょうか。殻をむきやすくするために目印をつけてくれているのでしょうか。左半分と右半分の色が違っていることも気になります。悩んでいてもしようがありません。まずは割ってみましょう。




たまごを割ってみました。生たまごではありませんでした。ゆでたまごでもありませんでした。なんと、たまごではありませんでした。では一体何なのでしょうか。




たまごに見えていたこの物体は木で作られていました。どうやらからくり細工のようです。内側には色が塗られています。そして軸のようなものまでつけられています。”独楽”のように見えます。もう一方の方はどのようになっているのでしょう。





もう一方の方も内側に色が付けられています。こちらも独楽でしょうか。でもこちらには軸がついていません。




軸の付いている方を木皿の上で回してみました。回りました!木皿の上を滑るように滑らかに回ります。上の写真は撮影に失敗したわけではありません。回っているところを撮影したのでピンボケのようになっていますが、回っていることがよくわかります。木皿の上を音もたてずに回っています。もう一方の方も独楽でした。こちらもとても気持ちよく回ります。写真ではその様子をお伝え出来ないのが残念ですが、正真正銘の独楽です。


-そもそもこの独楽の正体は何なのでしょう

この独楽は、”玉子独楽”といわれているものです。”木のからくり”とか”寄木細工”といえば、箱根という地名が上がってきます。玉子独楽は、江戸時代には既に作られていました。1826年4月に箱根を旅した、あの有名なシーボルト(ドイツ人)がこの独楽を買い求めたという記録が残っているそうです。そして、その時に買い求められた独楽は、今でもミュンヘンにある五大陸博物館に残されているそうです。

その後、玉子独楽は作られなくなったのだそうですが、箱根の木地師、田中一幸さんが金子コレクション所蔵の作品を参考にして玉子独楽を再現したそうです。金子コレクションには輸出工芸品が数多く所蔵されているようです。昔から日本の技術の高さが海外で高く評価されていたということですね。


-箱根といえば

箱根といえば、やはり寄木細工が有名です。寄木細工には、”秘密箱”や”木象嵌”、”各種寄木細工”というような分類があるようです。秘密箱のようなからくりものがあることからか、箱根には”からくり美術館というものがあるようです。たくさんのからくりに出会えるようです。一度は行って楽しんでみたいものです。




こんな達磨を見たことがありますか。こちらも箱根で作られているからくりの達磨です。たくさんの部品を組み合わせて作られています。それらの部品を外したり組み合わせたりして楽しむことができます。



部品を少しだけ移動した状態です。何の考えもなく部品を外してしまうと、元に戻らないという悲劇が待っているかもしれません。

箱根のからくり細工の技術には驚かされましたが、長崎のからくりまんじゅう一口香 というお菓子も、中身を見てびっくりというからくりがありました。

(秒刊サンデー:わらびもち)
情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 意外過ぎ!このたまごには驚くべき秘密!開けてみた結果!