環境保護団体と弁護士達が集まり、ハワイのサンゴ礁を破壊している日焼け止めを禁止する法案を制定しようという動きが起こっている。
具体的にはオキシベンゾンとオクチノキサートが使われている日焼け止めの販売を禁止しようとしている。
サンゴ破壊の一番の理由は地球温暖化による海水温度の上昇なのだが、こういった、化学薬品も珊瑚白化現象の要因の一つといわれている。ハワイのサンゴ礁は白化が進んでおり、ウエストマウイサンゴ礁で約40%、オワフでは30%ものサンゴがすでに白化していると言われている。サンゴ礁だけでなく、魚やその他の海の生物も同様に日焼け止めに含まれている化学物質により汚染が広まっているという。
マウイを例にとって計算してみると、海に入る時に日焼け止めを塗るとして、それが海水に溶けると考えると、実に200リットル以上もの日焼け止めが、毎日海に捨てられていることになる。どの日焼け止めもサンゴ礁にいい影響は与えないが、それでも、他の化学部質よりさらに悪い影響を与えるオキシベンゾンなどをせめて禁止しようとしているのだ。
もしもこのままサンゴ礁の破壊が進んでしまうと、ハワイの最大の観光資源である海を失ってしまうことになる。自然環境のためだけではなく、ハワイの経済のためにもこの運動を続けている。
もちろん、日焼け止めを販売する会社などからは反対の意見があるが、それでもハワイ州は危険物質を使った日焼け止めの販売を禁止するアメリカで最初の州になるだろう。
しかも世界の50%のサンゴ礁はすでに破壊されていて、このままだと、約30年後には90%が消滅してしまうと主張している研究者もいる。なんとかしてこの破壊を食い止めたいハワイの人々の希望。ハワイ好きの日本人には重要な法案になるだろう。
―海外の反応