自転車を盗まれるという経験をした事があるだろうか。その時の悔しさといったら本当に言葉では言い表せない。盗んだ側に、たとえなんらかの理由があったとしても、とても許せないし、あの絶望的な気持ちは忘れることができない。特に自転車を通勤や通学などに使っている人にとっては生命線も同様。今回はそんな大切な自転車を盗まれた女性のお話。―私の自転車がない!
アメリカ、アイオワ州に住むブリジットは脳性麻痺という障害を抱えていた。歩くことはもちろん、車の運転すら大変な事だった。
しかし、彼女はそんな障害を抱えながらも、ローストビーフサンドイッチで有名なアービーズというファストフード店に勤めていた。そんな彼女の通勤手段は特別な3輪自動車。毎日この自転車で店に通っていた。
彼女のいつもの駐輪スポットはドライブスルーを見渡せる店のゴミ捨て場の横。何の問題もなく過ぎた2年間。しかし、ある金曜日にその出来事は起きた。
不運な事に、彼女の自転車は鍵を壊され、何者かが盗んで行ったのだ。ブリジットは仕事終わりに自分の大切な自転車がなくなっているのを知って、とにかく絶望した。
「とてもショックで気が狂いそうでした。そして泣いてしまいました。だって、これからどうしたらいいか、わからなくて…」
そんな彼女の姿を見た彼女の上司であるマネージャーのアンジー。なんと、ブリジットのためにクラウドファンディングを設立。新しい3輪自転車を買おうとしてくれたのだ。
サイトにはこんなメッセージを載せた。
脳性麻痺のブリジットの自転車が盗まれました。
この自転車は彼女の唯一の交通手段です。
彼女の職場の上司である私、アンジーは彼女のカゴ付きの3輪自転車を購入するための寄付をお願いしています。
彼女は通勤にこの自転車を利用するので、鍵とライト付の自転車を購入したいと思っています。
彼女が暗闇の中を歩いて家に帰らなくていいように、できるだけ早く自転車を購入できるように、寄付をお願いします。
この寄付の事を知ったブリジットは感激した。
「私はバイクを盗まれて、それは確かに不運なことだったけれど、素晴らしい仲間を持って、幸せです」
「ブリジットに自転車を!」と名付けられた寄付を募るネットに最初に寄付したのは、設立者であるアンジーとその家族だった。できれば以前ブリジットが乗っていた中古の3輪自転車より良い自転車をプレゼントできればいい、そうアンジーは思っていた。
しかし、期待以上の出来事が!
寄付の金額は予想を大きく上回り、ブリジットが夜でも自転車で移動できるようなライトのついた3輪自転車を買うことができた。それだけではない。もちろん、頑丈な鍵もついた。
「ブリジットはコインランドリーにも自転車で行くし、どこでも自転車で行くんです。彼女の2匹の犬も自転車のカゴに乗せて行くんです。だから、自転車が盗まれたと聞いた時、絶対に何かしなくては!と思いました」そうアンジーは言った。
350ドル(約4万円)のゴールに対し、なんと、5800ドル(約65万円)も集まった。
そして、サイトには改めてメッセージが!
自転車を買うのに十分なお金が集まりました!
ノースタウンサイクルの人達はとても親切で割引までしてくれました!
自転車を購入した後に余ったお金はブリジットの光熱費や生活費、寒い冬を越すためのコートや靴のために使わせていただきます。
本当にありがとうございました!
ところで盗まれた自転車だが、今のところ何の手掛かりもなく、いつ、誰が盗んだのかまったくわかっていない。ただ、ブリジットは一度は自転車を失ったが、また素晴らしい自転車と温かい人達の心という贈り物を得た。
―海外の反応
・ 物凄いイイ話!予想よりもかなり多くのお金が集まったから、貯金もできるし、クリスマスの準備にも使えるし、
犬のためにも使えるし、絶対に前の自転車よりいいはず!
・ 脳性麻痺があるのに、ファストフード店で働いてるの?!その事だけでもすごい。
・ 障害を抱えながら働くなんてちょっと可哀想。以前に75歳の人がレストランで働いていて、本当にただ、座って休んでよ!って思った。
・ 私の親戚にもそういう人はいるけど、働かなくても確かに補助がある。でも彼はいつも働きたいと言っていたよ。何かの役に立ちたいと思っているんだと思う。
・ こういう良い人間がもっと増えればいい!
・ まずは鏡に写っている自分が変わろう。
・ もしも世界をもっとよくしたければ、まずは自分が変わること。
・ 善人はそこら中にいるはずなのに、毎日悪いニュースばかり聞かされているから、気が付かない。
・ この話を聞いて本当に気分が良くなった!
掲載元
https://www.reddit.com/r/UpliftingNews/comments/7gs6o4/my_community_came_together_to_buy_a_new_bike_for/
(秒刊サンデー:南ロココ)
情報提供元: 秒刊SUNDAY