童謡「かごめ~かごめ~・・・」この歌のフレーズをご存じの方は多いはず、しかしこの歌の本当の意味は誰も知らない。何故ならばこの歌は、本来の意味を包み隠した俗にいう「アナグラム」でありその歌の先にあるのは何を隠そう「徳川埋蔵金」である。という番組をもう何十年も前から放映しており、今年2017年も糸井重里から林修となりまた穴掘りが再開された。ー徳川埋蔵金とは

徳川埋蔵金とは、江戸幕府が金品等の宝物を何処かに埋めたという伝説。現代の価格にするとおよそ3000億円~200兆円という異常なバラつきのある価格となる(それほど曖昧な情報である)。それがどこに埋められているのかは不明だが、古文書などにはそのヒントが隠されているという。

この伝説をもとに、群馬県赤城山周辺では以前から伝説を信じる「水野氏」が発掘調査を行い、実際に黄金の家康像や銅板などが近くの寺から見つかっている。

しかし肝心の埋蔵金は未だ見つかっていない。


ー糸井重里と徳川埋蔵金

まず最初にこの埋蔵金をフィーチャーしたのが1990年代初頭、TBSの『ギミア・ぶれいく』という番組でコピーライターの「糸井重里」が「水野氏」と発掘チームを結成。何周にもわたり発掘調査を進め、「いずれ出るのではないか」という期待感を「荒々しいタイトルフォント」と「ドゥギャーンSE(効果音)」そしてお約束の大げさなナレーター「田中信夫」など交え当時のバブル世代の番組ならではの手法で幾度となく視聴者を煽った。



この頃から徳川埋蔵金と糸井重里は切っても切れない関係となり、いつしか糸井重里は「穴を掘る人」として認知され、自らゲームデザインを手がけたゲームスーパーファミコンのソフトMOTHER2でもそのネタを自ら取り沙汰していた。

もしかしたら糸井重里はゲームデザイナー、穴を掘る人などと知られているが本来の「コピーライター」としての認知度はそれに比べ低いのかもしれない。

その後『ギミア・ぶれいく』は1992年9月29日を持って終了。徳川埋蔵金の特集も終了した。





ー2017年同局TBSで「林修」がMC隣番組復活!


しかし2017年5月、同局で「林修の歴史ミステリー 徳川家260年最大の謎 3千億円埋蔵金大発掘 最終決戦SP」という番組で再び発掘調査が開始された。

なぜに「林修?」「糸井重里は?」

そんな疑問はどうでもよい。子供の頃見ていたあの発掘調査がまた再開されるという胸おどる好奇心はそんな小さな疑問よりも、いち早く「埋蔵金は見つかるのか」という期待感で溢れ、青春時代のあのトキメキが一気にフラッシュバックしたのだ。

番組は当時の『ギミア・ぶれいく』を彷彿とさせ「謎の超能力者の登場」「発見される謎の竪穴」「凄い引る」「ドゥギャーン!という過剰なSE(効果音)」は健在!まさに「徳川埋蔵金」の番組だった。


ー数億円かけて発掘も、毎度のごとく見つからない

だが御存知の通り番組では数億円の発掘費用をかけているようだが全く発見されない。そもそも番組を最後まで見ても見つかるはずがない、その理由はただひとつ。

「発見したというニュースが報道されていないから」

これを言ってしまえばもはや番組は成立しない。

じゃあこれ「ヤラセなの?」

その件については「水曜スペシャル 川口浩探検」なども然り、埋蔵金番組最大の「タブー」。従って我々は、それでも「いつか見つかる」という僅かな希望と期待感をもって見るのである。

しかし子供の頃見た『ギミア・ぶれいく』とは明らかに違うと感じる点が一つあった。
それがこちらのセリフ・・・
「これ以上掘り進めるのは危険です諦めましょう。」
作業現場監督からのセリフである。僕らはそのセリフを幾度となく聞いた。これを聞く度に子供の頃は落胆するとともに「何やってんだよ!もう少し頑張れば出るんじゃないか!」と心のなかで思ってしまった。しかし大人となった今「ああ見つからないけど、一生懸命引っ張った結果そうなったんだな」と、ちょっと冷静に推察するようになった。

そして付け加えてこうも感じる。
「見つかんない訳じゃないんだ。見つけねえんだ!」

という番組側が夢と希望を持つ視聴者側への最大限の

「配慮!」

従って我々は「楽しみは次回の為に取っておこう」という大人の期待感をも持つことが出来た。そういう点では前回とはまるで違う感情を味わえたのかもしれない。



ー結局徳川埋蔵金は見つかるの?いや、むしろ見つからなくていい。

徳川埋蔵金は結局見つかるのか、その答えはわからない。わからないが、ちょっと個人的な思いを書くと「見つかってほしくない」。何故ならば見つかった時点で僕らの夢は終わってしまう。もっと言えば見つけるまでの楽しさをいつまでも味わいたい。

そう、子供の頃を思い出してほしい、遠足に行く前、夏休みに入る前、お祭りのお囃子が聞こえてくるあの夕暮れ・・・本来の目的よりもそれを楽しむまでの過程(プロセス)が実は楽しかったという記憶はないだろうか。

大人になった今、それを味わう機会は少なくなってしまったのかもしれない。しかしこの番組は「穴掘り」を通じてそんな幼少期の好奇心・期待感を再び呼び戻してくれる、そんな番組なのかもしれない。

大人をも魅了する大人の穴掘り「徳川埋蔵金」。
本当に価値のある埋蔵金は「お金」ではなく「夢」なのかもしれない。


林修の歴史ミステリー 徳川家260年最大の謎 3千億円埋蔵金大発掘 最終決戦SP
http://www.tbs.co.jp/program/hayashiosamu_mystery_20170506.html



(秒刊サンデー:ユカワ)
情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 【ドゥギャーン!】それでも僕らが「大人の穴掘り」に夢中になった理由。