幼いころスイスに移住したオランダ人女性が「ある理由」によりスイスでパスポートの発行を拒否された。国側の主張と彼女の主張。あなたはどっちに共感する?
―地元の住民が大反対!
ナンシー・ホルトン、42歳。
彼女はオランダ生まれだが8歳の時にスイスに移住し、現在ではスイス生まれの子供を持っている。そんな彼女がスイスのパスポートを申請すると、アールガウ州の町から申請書を拒否されてしまった。
彼女はベジタリアンで動物愛護運動家。村で牛につけている大きな鈴、「カウベル」の使用に対し、反対運動をしている。そしてその運動のおかげで地元の人にとって彼女が「厄介者でウザイ女」になってしまっていたのだ。
「彼女がスイスの伝統とスイスの慣習を受け入れないなら、彼女をスイス人として公式に認めることはできない」というのが町の主張。
逆に彼女がカウベルに反対する理由は、「牛が牧草地を歩く時に着けているこのカウベルはとても重い物。5キロ以上もあるものを首の周りに着けて歩けば、当然摩擦で肌を痛めてしまいます」というもの。その上、カウベルの音は非常に大きく、うるさいので、人間にとっても気持ちの良いものではないと続けた。
スイス国民党の党首であるタニヤ・スーターは「ナンシーが言っていることは大げさで、もし彼女がスイス人を軽視し、伝統を尊重しないようなら、住民が彼女の市民権を認めないのは当然でしょう」と語った。
申請を拒否されてしまったナンシーは「思いが強すぎて、声を大にして言いすぎたと思う」と言った。ナンシーは自身をフリージャーナリストであり、モデルであり、演劇研究生と言っており、他にも様々なスイスの伝統に対して反対運動を起こしている。
例えば狩りや豚のレース、そして町の教会のベルがうるさいと、反対運動をしている。実は彼女は2015年にも住民の反対によって市民権が取れなかったという過去がある。
申請請求を受けるのは国の移民局だが、州や市町村には独自の条件があり、その条件も重視されている。
スイスはアメリカのように出生地主義ではないため、例えスイスで生まれたとしても、簡単にスイス国籍を取得することができない。つまり、ナンシーの子供はスイスで生まれたが、両親のどちらかがスイス国民でない限り、スイス国籍が与えられない。
スイス国籍取得の条件はスイス社会を理解し、スイスの慣習や伝統に馴染み、法律を守り、スイス国内外の安全を脅かさない人物であること。
さて、ナンシーはこの条件を満たし、無事にパスポートが取れるかどうか?
たとえ地元住民の反対があっても、スイスのパスポートの発行を許可できるように、この問題は今、アールガウ州の州政府の扱いに移行された。
これからもナンシーと国の話し合いは続く。
―海外の反応
・ カリフォルニアのサンタモニカにもこういう人いるよ。空港の近くに後から引っ越してきたくせに、騒音に苦情を言いだして、空港を閉鎖しようとしている。空港の方が何十年も先にあったっていうのに。
・ 本当にアホな奴ら。その空港の近くの土地は安い。なんでかって言うと、騒音があるから。それをわかっていて買ったのに苦情を言いだすんだよな。
・ あー、俺の家の近くにもそういう話あるよ。射撃場の近くに住んでいるんだけど、後から引っ越してきた奴らがそれを嫌がって、近くに小学校を建てることを進めて、最終的に子供に悪影響ということで射撃場を閉鎖させた。射撃場はそいつらが越してくるずっと前からあったのにさ。
・ この話ってすごくスイスっぽい。スイス人にとって文化に溶け込んでいるかどうかが一番重要な事。市民権を申請する時に近所の人が投票するっていうのも当たり前のことだし、拒否されることも普通にある。
・ この地域に住んでいる友人がいて、遊びに行ったことがあるけれど、ここの人々は本当に目立つ人が好きではない。例えば窓の雨戸を伝統的な色以外で塗ったりすると、ウザがられる。スイス人はスイス人らしくないとだめ。
・ この人の肩書……つまりいろいろ忙しくしているけど無職。
・ オランダ人からのスイスへのコメント「彼女をあげます。オランダへは返さないでください」
・ プロが教えるコツ「反対運動を始める前に市民権を取れ!」
・ 世の中で俺が嫌いな二つのこと、人の文化に口出しして来る奴とオランダ人。
・ この女はなぜカウベルを使うのかを理解してない。ベルのおかげで牛が迷子になるのを防いで、人に危害を加えたり、逆に牛が危ない目に遭うのを防いでる。
・ 彼女のフェイスブックみたら、カウベル以外にもいろいろ文句言ってる。オランダ人からしてみたら、スイスに永住してもらいたいだろうなぁ。
掲載元
https://www.reddit.com/r/news/comments/5nevcj/swiss_town_denies_passport_to_dutch_vegan_because/
(秒刊サンデー:南ロココ)
情報提供元: 秒刊SUNDAY