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ぐっすり眠れるビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」を体感【搭乗レポート】




ユナイテッド航空が2016年11月より導入を開始した、”睡眠”に特化したビジネスクラスシート「ユナイテッド・ポラリス」。”ポラリス”とは北極星を意味するといい、ボーイング777-300ER型機より新シートを順次導入している。



日本線には2017年6月15日から、東京/成田〜サンフランシスコ線に投入。その後は東京/成田〜ニューヨーク/ニューアーク線にも投入している。今回、サンフランシスコでの取材のため、「ユナイテッド・ポラリス」を利用した。



日本とアメリカ間をビジネスクラスに乗る場合、同じ金額や時間で日系、米系、その他の航空会社が選択肢にあれば、まず日系航空会社から選択する人が多いのではないだろうか。少なくともサービス面では日本の航空会社のほうが高いレベルであるのは複数の格付け会社の評価の通りであろうし、日本語でのコミュニケーションもできる。現地発であろうとも、和食で大きなハズレは確実に引かない。大抵は機内も清潔だ。そういうわけで、価格重視のエコノミークラスであれば割安なことが多い米系、ビジネスクラスに乗れる場合は日系の航空会社を選んでいた。



しかし、ユナイテッド航空とデルタ航空が相次いで発表した新型ビジネスクラスシートは、一度利用する価値がありそうだ。ユナイテッド航空の「ユナイテッド・ポラリス・ビジネスクラス」は、”睡眠”に特化し、成田空港を含む全世界8ヶ所のラウンジを順次改装するなど、プロダクトを大規模に刷新。デルタ航空も2017年10月より運航を開始したエアバスA350型機のビジネスクラス「デルタ・ワン スイート」には、スライドドアを備えた個室タイプのシートを採用した。18インチのモニターや多くの収納スペースなどを設け、アレッシィ社がデザインしたオリジナル食器で機内食を提供するなど、両社ともにサービス強化に重点を置いた。





サンフランシスコ行きは午後5時発で、筆者はANAの大阪/伊丹発のフライトからの乗り継ぎだった。伊丹空港でサンフランシスコまでの搭乗手続きを済ませ、成田空港のスポットには定刻より遅れた午後3時45分頃に到着。バスでターミナルに向かう。タラップ横や到着口では、乗り継ぎ時間が短い人をサポートするスタッフが配置されていた。



同一ターミナルで乗り継ぎができる、ANAの国内線とユナイテッド航空間の最短乗り継ぎ時間は45分。国内線の到着口とユナイテッド航空が使用している第3サテライトの間は結構な距離があり、さらに乗り継ぎの出国審査場を通過すると、一般の出国審査場までは人の流れに逆らって歩く必要があるので、荷物が多いとちょっと厄介だ。筆者は係員の方のサポートもあり、午後4時にゲートに到着した。





搭乗開始は午後4時15分で、搭乗券に記載されたゾーンごとに搭乗する。搭乗後にはプラスチックカップに入ったドリンクとともにチョコレートがサーブされ、くつろぎながら出発を待つ。





「ユナイテッド・ポラリス」の新シートは、Acumen Design Associates社とPriestmanGoode社が共同でデザインし、Zodiac Seats社が製造した。全長198センチで、全席が通路に面した「1-2-1」の配列。完全な前向きの座席と、少し通路方向に向けて斜めになった座席が1列ごとに交互に配置されている。完全な前向きかつ窓側の座席がプライバシー性が高いといえるので、1人旅ならぜひオススメしたい。2名で利用する場合は、プライバシーディバイダーを開けることで会話ができる中央の座席が最適だろう。



新シートの発表が2017年に東京都内で開かれた際、来日したユナイテッド航空の役員に、「なぜデルタ航空は個室にしたのに、ユナイテッド航空はしなかったのか」というとても意地悪な質問をした。そこで返ってきたのは、「プライバシーが保たれるのは重要だが、我々は個室が必ずしも良いとは思っていない」という自信満々の答えだった。確かに、座ってみると適度な個室感があるものの、圧迫感は少ない。





搭乗するとすでに座席には、アメリカの高級百貨店Saks Fifth Avenue(サックス・フィフス・アベニュー)と共同開発した枕と薄手のブランケット、羽毛の毛布がセットされていた。





オットマンには真っ白でふかふかのスリッパ(ビジネスホテルにあるようなペラペラなものではない)、小物入れにはアメニティキット、サイドテーブルにはノイズキャンセリング機能が付いたヘッドフォンが用意されている。







アメニティキットは、人間工学に基いて設計されたという、着用した際に目に圧力がかからないアイマスク、気分をリラックスさせるラベンダーの香りの枕用スプレーミスト、Soho House &Co.のCowshedスパ製品、短くて細いロゴ入りのボールペン、歯ブラシ、ティッシュ、靴下、耳栓が入っている。中でもアイマスクは次のフライトでも使いたいと思うほどで、フライト後には出張用のバッグに、愛用しているネックピローとともに「お気に入り」として追加された。





飛行時間が12時間を超えるフライトでは、コットン製のオリジナルのパジャマも配布されるが、東京/成田〜サンフランシスコ線は最長11時間台なので対象にならず、ちょっと残念だ。サンフランシスコで行われた機内見学時に見せてもらったが、肌触りがとても良かった。





モニターは16インチでタッチパネル式、コントローラーでも操作できる。USB電源はモニター下とサイドテーブルの2ヶ所、AC電源はサイドテーブルに用意されている。シートコントローラーはシート横にあり、ダイヤルをスライドさせることでフルフラット状態にすることができる。特に寝ながら操作したい時には触った感触でどこにシートを戻すボタンがあるのかがわかり、操作しやすい。








成田空港は厚い雲に覆われており、出発から比較的スムーズに離陸したものの、なかなか揺れが収まらなかった。



シートベルト着用サインが消えるとすぐに、ドリンクと温かいナッツが配布される。今回楽しみにしていたのは、マスターソムリエでワインオブマスターのダグ・フロスト氏がコンサルタントとして協力したというワインのテイスティング。小さめのグラスに3種類のワインを少量注いでサーブしてもらえる。カートには赤と白3種類が用意されており、希望すれば赤白の6種類を楽しむことができる。その中で気に入ったものは大きいグラスで楽しめる。メニューに書かれているのは赤白ともに2種類で、1種類は掲載されていないものだった。





残念ながら、サービス改善の一環として、4月をもって一部路線を除いてサービスを終了してしまった。


White Wines

Robert Weil 2015 Riesling Tradition


Rheingau, Germany



Joseph Drouhin 2016 Chablis


Beaune, France



Red Wines

Bouchard Pere et Fils 2015 Cote de Beaune Villages


Burgundy, France



Catena 2015 Cabernet Franc


San Carlos, Argentina





食事は離陸後すぐと着陸前の2回配布される。離陸前にメニューが配布され、希望が聞かれる。



最初の食事は洋食は3種類のメインから1種類を選択、和食は1種類のみとなる。特に和食は人気とのことで、第2希望まで聞かれた。


★洋食

(冷たい前菜)


海老のグリル、カラメライズドパイナップル、サフラン風味のクレームフレッシュ


(サラダ)


ミックスグリーン、チェリートマト、きゅうり、大根、さつまいも


※ドレッシング、各種パンとともに


(メイン/1種類を選択)


・牛ほほ肉のビール煮


フォンドボー・ソース、そら豆入りマッシュポテト、人参のハニーロースト


・鶏もも肉のソテー


セサミジンジャーソース、コリアンダーライス、チンゲン菜、ピーマン


・サーモンのグリル


ブイヤベースソース、サフランリゾット、さやいんげん


★和食

(一の膳)


・前菜


鶏肉の塩焼き、ふきのとう味噌


・煮物


山葵豆腐、野菜の巾着に、麸の八方煮、しめじの八方煮、塩辛チーズ、菜の花


・小鉢


飯蛸、筍と湯葉の白和え


(二の膳)


・主菜


金目鯛のグリル、蟹入り銀餡ソース、にんじん、さやえんどう


・ご飯


ご飯、味噌汁、香の物



さらに共通して、チーズとデザートが提供される。


・世界のチーズ各種

ぶどう、クラッカー、ポートワインとともに


・アイスクリームサンデー


お好みのトッピングを添えて


・小菓子



筆者は和食を選択。







茶碗がないのか、温めの都合なのか、平らな皿でご飯が提供される(しかも熱すぎて持てない)など、提供方法は再考の余地があるかもしれない。筍やふきのとうなどの旬の素材を活かしていて、味は比較的で薄味の優しい味。





各種チーズやフルーツのほか、好きなトッピングを自由に選べるアイスクリームサンデーも提供され、1回目の食事は終わり。





客室乗務員の方にお願いし、マットレスやまくらをセットしてもらい、しばし休息。水色のカバーの枕は低反発の枕だった。この他にジェルが入った枕もあるといい、人気が高いという。機内で好きな枕をここまで選べるのは、ユナイテッド航空だけではなかろうか。



機内ではインターネットも利用できる。路線や飛行時間によって異なるものの、今回乗った便では、1時間プランは4.99米ドルか770マイル、2時間プランは8.99米ドルか1,390マイル、フルフライトプランは21.99米ドルか3,390マイルだった。往路に貯まったマイルを復路で利用することもできるので、あまり飛行機に乗る機会がないという人はマイルを使うのも良いだろう(ちなみに往路より復路のほうが必要マイル数が高かった)。





朝食は到着の1時間20分前に、ワンプレートで提供された。3種類の中から選択でき、今回は1食目と同じ和食を選択した。


・キッシュ・ロレーヌ

ベーコンと玉ねぎ、ブロッコリー、チェリートマトのロースト、フルーツを添えて


・和食

鮭の西京焼き、銀餡、俵御飯、野菜各種、フルーツを添えて


・季節のフレッシュフルーツ

シリアル、ミルクと共に



サンフランシスコ国際空港には、定刻より28分早い、午前9時57分に到着した。





サンフランシスコ国際空港には4月、シカゴに次いて2ヶ所目となる「ポラリス・ラウンジ」がオープンした。食事のメニューも充実しており、日本食を含むフルコースも用意され、シャワールームや仮眠室も設けられている。空港で食事を済ませておけば機内ではゆっくりと休むことができる。



機内は寒すぎる、暑すぎるということなく、寝具のおかげなのか(そういうことにしておきたい)、ぐっすりと休むことができたので、心なしか時差ボケも軽く済んだように思う。この日はそのままホテルに向かい、夕方まで仕事をした後、市内観光に行く元気まであった。次のアメリカ渡航時には、第一候補として利用したい。(搭乗日:4月24日)

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