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内燃機関超基礎講座 | ミニスカートで超高回転を実現?:ピストンの首振りを抑制するスカート部


超高速で直線往復運動を繰り返すピストン。しかし接続するコンロッドはクランクへ円運動として伝えているため、ピストンはストローク内で大きく揺さぶられることになる。それを極小に抑えるための部位がスカートである。

 ピストン頂部から側面に目を移せば、そこにはスカートと呼ばれる円筒形状の出っ張りがある。これはコンロッドの傾きによってピストンがピストンピンを中心に首を振ってボア壁面に衝突するピストンスラップを防止するのが目的。




 シリンダーボアに当たると擦れて抵抗になり壁面を傷つけるおそれがあるため、スカートにはモリブデンコーティングや接触面積を減らすディンプル加工が施される。場合によってはDLC処理をする場合もあるが、オイルが介在することから基本的には不要だという。

ピストンスカートにコーティングを施した例。ピストンの上下動に際してコンロッドが傾くことでピストンがボアに押しつけられる力は、ピストンスラップという現象を発生してノイズの原因となる他、摺動抵抗を生む。そのためスカートにはモリブデンコーティングやディンプル加工等で摩擦や接触面積を減らす処理を施す。シビアな環境に曝される場合はDLCを施すこともある。

 レーシングエンジンではピストンスラップが原因の音の発生など問題にしないため、ひたすら軽くするために超「ミニスカート」である。逆に超「ロングスカート」なのは2ストロークエンジン。2ストロークはシリンダー壁面に穿たれたポートから吸気と排気を行ない、ピストンの上下動で吸気タイミングを制御することから、スカートに一定以上の長さがなければエンジンが動かないのだ。吸排気ポートはボア円周上に複数空いているため、長いスカートもピンと平行な側だけでなく、ぐるりと一周に及んでいる。

「ミニスカート」と「ロングスカート」の例。右が2ストロークサイクルのピストン。どちらかというと超高コンプレッションハイト?

F1のピストン&コンロッド。超高回転を実現するために慣性質量を徹底的に削る。コンプレッションハイト(ピン中心から頂部までの距離)は極小でスカートはないに近い。

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