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茨城県が障害者支援施設を3カ月の指定停止へ 組織的に虐待と判断


 茨城県東海村の障害者支援施設で施設長や職員が入所者に暴力などの虐待を繰り返したとして、県は月内にも、事業停止に相当する3カ月間の「指定の全部効力停止」の行政処分を通知する方針を固めた。障害者総合支援法に基づく指定取り消しに次いで重い処分。厚生労働省によると、長期の障害者入所施設への適用は異例という。

 複数の関係者によると、この施設は重度の知的障害者ら約50人が入所し、10年以上暮らす人が多い。処分した場合、施設が運営の原資となる給付金を受け取れなくなるため、入所者を別の施設に転所させる必要が生じる可能性がある。県は受け入れ施設を調整するため、通知から実際の処分までに猶予期間を設ける方針。

 関係者によると、この施設では2020年4月に職員が入所者に暴力を振るっているとの通報があり、県と村が立ち入り調査。効力停止処分に向けた聴聞手続きも始まったため、施設側は23年、県を相手取り処分の差し止めを求めて水戸地裁に提訴していた。

 訴訟資料などによると、県は、施設長や職員が17~21年に複数回、入所者に暴力を振るっていたとみている。また、定期的に入所者の預かり金から現金を差し引いて「献金」として徴収したり、職員の外食代を負担させたりする経済的虐待もあったとしている。

 県は、施設を運営する社会福祉法人の理事長らが暴力を把握しながら具体的な再発防止策を講じなかったなどとして、こうした虐待が組織的だと判断した模様だ。施設側は訴訟で、施設長が入所者に暴行した事実はないと主張。また「職員の食事代を強制的に負担させた事実はない。献金は発足当時から行われていた慣習で、同意なく負担させたわけではない」などと虐待を否定している。

 厚労省などによると、統計がある19年度以降、障害者支援施設に対する全部効力停止処分は1件のみ。北海道旭川市で複数の職員が約2年間、暴言などを繰り返していた事案だった。

 日本障害者虐待防止学会によると、入所型である障害者支援施設に対する全部効力停止処分は珍しい。元厚労省虐待防止専門官の曽根直樹・同学会事務局長は「入所施設に対する全部効力停止は、居住者(入所者)の生活に関わり、行政が処分に踏み切るのは相当な覚悟が必要になる」と話す。【寺田剛、川島一輝、木許はるみ、長屋美乃里】

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