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NV350キャラバンと軽自動車のデイズで真冬の北海道を激走!〈日産雪上試乗会レポート1 of 3:メカニカル4WD編〉


真冬の北海道にズラリ揃った日産の最新モデル。4WDはもちろん、FF、FRも含め、さまざまな駆動方式、パワーユニットのモデルを雪上で試乗する機会を得た。Motor-Fan.jpでは、日産雪上試乗レポートを全3回に渡ってお届けする。第1回はメカニカル4WD編と題し、NV350キャラバンとデイズのインプレッションをレポートする。




REPORT●佐野弘宗(SANO Hiromune)

NV350こそ積雪地域の冬の実生活では無敵

 今回の雪上試乗会に、日産は実に17台の試乗車を用意した。そのうち4WDは6台あり、それらが使う4WDシステムは5種類におよぶ。




 日産の現行4WDシステムとしては、横置きエンジン用がエクストレイルが使う「オールモード4×4-i」、縦置きエンジン用がGT-Rやフーガの「アテーサE-TS」がそれぞれ双璧といっていい。ともに油圧多板クラッチによるオンデマンド型を電子制御して、主駆動輪がスリップしたときだけでなく、あらゆるシーンで積極的にトルク配分する。




 ただ、日産は軽自動車からスーパーカー、商用バンにトラック……と、大型トラック以外のほぼすべてのジャンルを自社開発する。なんだかんだいってもトヨタに次ぐフルラインメーカーだから、あらゆるタイプの4WDを使っており、オールモード4×4-iやアテーサE-TSのようなハイテク4WDとは対照的な昔ながらの4WDも取り揃えている。

 たとえば、必要なときにだけ手動で前後直結させるパートタイム式は、世界で最も古典的な4WDシステムである。パートタイム4WDは1980〜90年代のクロスカントリー4WD全盛期は日本でも多く見かけたが、今では日本で買える乗用車でそれを使っているのはスズキ・ジムニーくらい。まあ、トヨタ・ハイラックスは厳密には商用登録だが、個人ユース想定商品という意味では、ジムニーと並ぶ乗用パートタイム4WDと言えるかももしれない。いずれにしても、良くも悪くも、パートタイム4WDは今や貴重な絶滅危惧種である。




 ……といったところで、実は日産も国内で買えるパートタイム4WDを用意する。もうお気づきのようにNV350キャラバンだ。




 NV350の4WDはマイクロバスにのみガソリン仕様もあるが、それ以外はすべてディーゼルとなる。興味深いのはNV350の宿敵であるトヨタ・ハイエースの4WDがセンターデフ付きフルタイムであることで、この点だけは良くも悪くも両者それぞれに確固たる支持者が存在する個性となっている。







NV350キャラバン バン プレミアムGX 4WD


全長×全幅×全高:4695×1695×1990mm


ホイールベース:2555mm


車両重量:2070kg


エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


排気量:2488cc


ボア×ストローク:89.0×100.0mm


圧縮比:15.0


最高出力:95kw〈129ps〉/3200rpm


最大トルク:356Nm/1400-2000rpm


燃料タンク容量:65L


トランスミッション:5速AT


エンジン・駆動輪:F・AWD


サスペンション:Ⓕダブルウィッシュボーン Ⓡリーフリジッド


ブレーキ:Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡドラム


タイヤサイズ:195/80R15


JC08モード燃費:11.4km/L


車両価格:388万3000円

 冒頭のように5種類の4WDをグシャグシャにぬかるんだ雪上で乗ることとなった今回の試乗会だが、そこで圧倒的に力強い突進力を見せてくれたのは、手元の電磁スイッチで4WDにしたNV350だった。前後が直結するパートタイム4WDは、オンロードでは内輪差によって旋回時にブレーキング減少が起きてしまうが、タイヤが滑るのが大前提の雪上ではそんなことは関係なく、圧倒的なトラクションのメリットがはるかに上回る。




 今回の試乗会ではパイロンがひとつ置かれただけの旋回路に限られたNV350だが、こういう場所でガンガン踏んでも、ひとまず前に進み続けてくれるのはさすがパートタイム。こういうシンプルだが絶大な能力こそ、日常的な雪道や凍結路、あるいは不整路などでは最も心強い。




 また、NV350のようにドライバーが前輪の上に座るキャブオーバーレイアウトは、舗装路での高速運動性能では圧倒的に不利であるものの、前輪の軌跡がアウトにふくらむアンダーステアの兆候を最も早く鮮明に感じ取れる構造でもある。リアルワールドの雪道走行で最も危険なのは、結局のところはアンダーステアだし、高い着座位置による見晴らしも最高で、このクルマこそ積雪地域の冬の実生活では無敵ではないか……とも思った。

ねらったラインを見事にトレース……やるじゃないかデイズ!

 昨今の乗用車の大半はエンジンを横置きするFFレイアウトを基本とする。そんな横置きFFベースの4WDで、最も古典的といえるのがビスカスカップリング式(以下、ビスカス)である。




 流体クラッチの一種であるビスカスで変速機と後輪をつなぐビスカス4WDは前後の回転差が大きくならないと(=駆動輪が完全にスリップしないと)駆動配分しない、締結力が強くなく過酷な状況ではトルク伝達しきれない……といった弱点はあるが、構造がシンプルで安価なので「発進時のスリップだけ抑えてくれればいい」と割り切れる生活4WDでは今も重宝されている。今回の試乗会に持ち込まれた日産車でいうと、発売されたばかり(にして、日産初の自社開発軽自動車)のデイズ4WDがビスカス式だった。

 雪上スラロームでの試乗となったデイズ4WDだが、乗る前はハッキリいって「しょせん生活4WDだろ」ナメていたことを告白する。しかし、実際のデイズ4WDの走りは素晴らしかった。発進から遠慮なく全開にしても、最初だけズルっと前輪が掻いたと思ったら、その後はグイグイ前に進んでいく。スラロームでも取っ散らかることなく、ねらったラインにうまく乗せやすい。やるなあ、ビスカス。




 まあ、今回は適度なスリップ状態を続く湿った積雪路での短時間走行、しかも安全が確保されているので遠慮せずに踏みまくれた……と、ビスカス4WDの利点が出やすいコンディションだったことは事実だ。おそらく、発進直後から最後まで、4WD状態がうまく維持されたのだろう。

 走行後、「思っていたより良く走りました。ビスカス4WDもまだまだいけますね」とデイズの性能開発を取りまとめた永井氏に明かすと「いやいや、それはデイズそのもののシャシー性能が高いからでもあります」と胸を張った。自信たっぷりである。





デイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション


全長×全幅×全高:3395×1475×1660mm


ホイールベース:2495mm


車両重量:940kg


エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ


排気量:659cc


ボア×ストローク:62.7×71.2mm


圧縮比:9.2


最高出力:47kw〈64ps〉/5600rpm


最大トルク:100Nm/2400-4000rpm


モーター最高出力:2kw/1200rpm


最大トルク:40Nm/100rpm


燃料タンク容量:27L


トランスミッション:CVT


エンジン・駆動輪:F・AWD


サスペンション:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡトルクアーム式3リンク


ブレーキ:Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡドラム


タイヤサイズ:165/55R15


WLTCモード燃費:16.8km/L


市街地モード燃費:14.3km/L


郊外モード燃費:17.8km/L


高速道路モード燃費:17.4km/L


車両価格:181万1700円
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