2019年6月4日(火)~6月24日(月)までの3週間 、青山一丁目にあるHonda ウエルカムプラザ青山で【胸熱「CBと駆け抜けた時代展」】が開催される。これは「CB」ブランド誕生60周年を記念する無料公開イベントである。6月16日(日)にはF-1カメラマンとしても有名な原富治雄さんを招いてスペシャルトークショーも予定。歴代CBシリーズの展示を始め、同時代を駆け抜けた文化や世俗風俗を垣間見ることができる。既にCBオーナーズミーティングやツインリンクもてぎ・コレクションホールでの特別展示など、様々なイベントが開催されてきたが、今回は報道人向けに実施された歴代CB試乗会でのショートインプレッションをお届けしよう。



REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)

PHOTO⚫️徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)

⚫️初代CBは1959年のベンリイCB92。そしてCBの名を世界に轟かせたのが1969年のドリームCB750FOUR。

生誕60周年を迎えたCB92(左)と、50周年記念となるCB750FOUR。

 「CB」はホンダのスーパースポーツを象徴するブランド。CBXやCBR、同R/RR等、よりエキサイティングなブランドへのバリエーション展開も含めて既に良く知られている。

 

 そんなCBのルーツを遡ると1959年のCB92に到達する。2019年の今年は生誕60周年記念である。ちなみにCBが世界市場を震撼させ、そのブランド名を轟かされたのは1969年のCB750FOUR。

 世界初の量産マルチエンジン搭載は、重量級バイクや高性能バイクの常識を塗り替えた。同時に日本製バイクが世界市場へ進出し、やがて席巻するきっかけとなったのだ。

 

 これまでのルーツの中でCBは50〜1300まで多くの展開と変遷を披露してきているが、今回はホンダ・スーパースポーツへの胎動が感じられる1970年代の3機種に試乗した。

 

ビジネス用途のベンリイC92をベースに一文字バーハンドルとミニスクリーン、赤いダブルシートを装備。エンジンも専用チューンされた。これがホンダスーパースポーツ「CB」ブランドの原点である。

後方を回り込む大きなニーグリップラバーが採用された燃料タンクは「ドクロタンク」と呼ばれていた。
1959年、ベンリイ125 のカタログ。ビジネス用途のC92(左)と初代CBとなったスーパースポーツCB92。


日本のバイクメーカーが世界市場へ躍進する上で大きな契機となった歴史的名車がこれ。CB750FOURの登場は、世界を震撼させた。

堂々たる風格と4本マフラーが奏でる重低音のマルチサウンドは迫力がある。
1969年、ドリームCB750 FOURのカタログ。12頁オールカラーの超豪華版だ。当初の車両価格は385,000円


⚫️今回試乗が許されたのは単気筒エンジンの3機種。古さを感じさせない高性能ぶりに改めて感動を覚えた。

ホンダ・ベンリイ CB50・・・・・75,000円(1971年当時)

なんと1万rpmをオーバーする高回転型エンジンは、驚異的であった。

ロングタンク、ロングシートを採用も、ハンドルはアップハンドルを装備。ゼロハンスポーツとしてポピュラーなフォルムだ。
ヤングのスーパースポーツとうたわれたCB50。ゼロハン初投入のCBブランドは新機能満載で注目を集めた。


 Tボーンのプレスフレームに前傾エンジンを搭載していた「SS50」のフルモデルチェンジ版として1971年5月にデビュー。新時代到来を告げるに相応しい完全新開発モデルとして投入され、50ccクラスで初のCBブランドとなった意欲作だ。

 6馬力を発揮する最高出力発生回転数はなんと10,500rpm。当時のライバルは皆2サイクルエンジンを搭載。高トルクを発揮しており、発進加速に優位性があった。ヨーイドンをすると、大抵CBは出遅れてしまう。しかし、どこまでも伸びていく様はCBの真骨頂。高回転域を活用するとジワジワと速度が上昇し、やがてライバルを追い抜くことができるのだ。

 今回はミニコースでの試乗なので、そこまでの走りを再現することはできなかったが、ほぼ一定の感覚でどんどん伸びていく出力特性は健在。

 アップハンドルでツーリングにも快適。高回転を駆使し、エンジンのフルパワーを遺憾無く活用して走る楽しさは格別である。バイクライダーへの登竜門としてこう言う乗り物でワンステップを踏まえることができた当時の時代背景とこうしたモデルの存在が改めて羨ましく思えた。

ホンダ・ベンリイ CB90・・・・・90,000円(1970年当時)

フレキシビリティーに富むトルク特性と伸び感のあるパワーフィールがとても印象的。

70年代到来と共にデビューした新開発単気筒エンジン。その後多くのバリエーションに展開された傑作エンジンである。
本格的バイクへの登竜門として注目。躍動感あふれる本格派スーパースポーツとうたわれた。


 それまで、水平近くまで前傾していた単気筒エンジンに変わって、直立に近い15°前傾の新エンジンはこの1970年1月登場のCB90からである。ちなみにプレスフレームだった前モデルのネーミングはCS90だ。

 パイプダイヤモンド型フレームに搭載されたエンジンは見るからに革新的デザインと機能満載。ギヤが入った状態でもキック始動可能なプライマリー式キックの採用も新鮮だった。

 アルミ合金製シリンダーヘッドの採用を始め、各メカ部分の潤滑やカムチェーンテンショナー等の機能面でも時代を一歩進めた革新的なテクノロジーを感じさせてくれた。

 CB90の登場で、CBシリーズが充実していく様に将来的な期待値が高まり、新時代の到来(胎動)にワクワクと興奮させられたのを覚えている。

 エンジンはボア・ストロークが48×49.5mmと言うロングストロークタイプ。にも関わらず10.5PSの最高出力を10,500rpmで発揮。高回転までストレスなく使える柔軟な出力特性には驚かされた。

 実際、その走りはとても扱いやすい。90cc故、決してパワフルではないが、シフトダウンを無精して低回転域を使う様な走りをしても実に粘り強い加速力を発揮。柔軟性は抜群。

 よりパワフルなバイクへ移行するワンステップとしてバイクの扱い方に慣れる(ライテクを習得する)上でとても都合の良い、親しみやすい性能は改めて感動物であった。

ホンダ・ベンリイ CB125 JX・・・163,000円(1975年当時)

プロダクションレースブームと共にモータースポーツシーンへの登竜門としても大活躍。その走り健在なり!

シングルエンジンはCB90のボアアップ版。90はロングストロークタイプだったが、この125はオーバースクエアのショートストロークタイプになった。
大型エアクリーナーや3室構造のロングマフラーを採用。


 CB125Sの後継モデルとして1975年4月にデビューしたシングルのスポーツモデル。日常的な足代わりから、ツーリングまで幅広い用途が考慮された軽量コンパクトでスリムなモデルとして親しまれた。

 しかし見逃せないのは、プロダクションレース人気の高まりと共に125ccクラスで勝てるマシンとしても注目を集め、その侮れないパフォーマンスも評判になったのである。

 CB50のショートインプレでも記したが、ライバルの2サイクル勢は瞬発力に優れ、コーナーの立ち上がり加速に優位性があった。

 しかし速度を伸ばすことができる高速コースでは最高速が頭打ちになるライバルよりもCBの伸びの良いエンジンが優位に立てる大きな要素となった。

 実際、鈴鹿やSUGOのレースではCB125JXが上位を占めるケースが多かったのである。

 今回は限られたミニコース故、抑えた走りだったが、CB90よりも生き生きと活発な吹き上がりを発揮。ローギヤで5000rpm回すとスピードは25km/h。同じ速度で5速トップギヤに入れると2000rpmだった。

 どの回転域でもスロットルレスポンスが良く、ハンドリングも含めて素直に扱える。普段使いの道具としても親しみやすいし、モータースポーツへの登竜門としても楽しく走れるのが魅力的だ。

 若い時にこんなバイクに出会えれば、ますますバイク好きへとのめり込む事は間違いない。そう思える楽しい乗り味だったのが印象的であった。

◼️主要諸元◼️

⚫️車名・スーパースポーツCB92



全長(mm):1,875

全幅(mm):595

全高(mm):930

軸距(mm):1,260

最低地上高(mm):140

車両重量(kg):110

乗車定員(人):1

燃料消費率*(km/L):

舗装平坦路(定地):60

最小回転半径(m):2.0

エンジン形式:空冷4サイクルOHC

シリンダー数及び配置:2気筒前傾並列

総排気量(cm³):124

内径×行程(mm):44×41

圧縮比:10.0

最高出力(HP/rpm):15/10,500

最大トルク(kg-m/rpm):1.06/9,000

始動方式:セルモーター式(キック式併用)

気化器名称形式:PW20HO V20A

燃料タンク容量(L):10.5

変速機形式:前進4段常時咬合式

かじ取角度:45°

タイヤ:前…2,50-18 、後…2,75-18

ブレーキ形式:前…内拡式・右手動式、後…内拡式・右足動式

懸架方式:前…ピボット型、後…ピボット型

フレーム形式:角型鋼板プレス製
⚫️車名・ドリームCB750 FOUR



全長(mm):2,160

全幅(mm):885

全高(mm):1,155

軸距(mm):1,455

最低地上高(mm):150

車両重量(kg):220

乗車定員(人):2

燃料消費率*(km/L):

舗装平坦路(定地):32

最小回転半径(m):2.5

エンジン型式:空冷4サイクルOHC

シリンダー数と配置:4気筒前傾並列

総排気量(cm³):736

内径×行程(mm):61×63

圧縮比:9.0

最高出力(PS/rpm):67/8,000

最大トルク(kg-m/rpm):6.1/7,000

始動方式:セル・キック併用

気化器形式と数:PW28(4個)

燃料タンク容量(L):17.0

変速機形式:前進5段常時噛合式

かじ取角度:40°

タイヤ:前…3.25-19 4PR 、後…4.00-18 4PR

ブレーキ形式:前…油圧式ディスク・右手動式、後…内部拡張式・右足動式

懸架方式:前…テレスコピック式、後…スイングアーム式

フレーム形式:ダブルクレードル
⚫️車名・ベンリイCB50



全長(mm):1,780

全幅(mm):670

全高(mm):980

軸距(mm):1,180

最低地上高(mm):160

車両重量(kg):68

乗車定員(人):1

燃料消費率*(km/L):

舗装平坦路(30km/h定速):85

最小回転半径(m):1.9

エンジン型式:空冷4サイクルOHC

シリンダー数と配置:単気筒前傾12°

総排気量(cm³):49

内径×行程(mm):42×35.6

圧縮比:9.5

最高出力(PS/rpm):6.0/10,500

最大トルク(kg-m/rpm):0.41/8,500

始動方式:プライマリーキック

気化器形式:PW18

燃料タンク容量(L):7.0

変速機形式:前進5段リターン

かじ取角度:43°

タイヤ:前…2.50-17 4PR 、後…2.50-17 4PR

ブレーキ形式:前…内部拡張式・右手動ワイヤー式、後…内部拡張式・右足動ロッド式

懸架方式:前…テレスコピック式、後…スイングアーム式

フレーム形式:ダイヤモンド
⚫️車名・ベンリイCB90



全長(mm):1,885

全幅(mm):750

全高(mm):1,015

軸距(mm):1,205

最低地上高(mm):150

車両重量(kg):85

乗車定員(人):2

燃料消費率*(km/L):

舗装平坦路(30km/h定速):80

最小回転半径(m):1.9

エンジン型式:空冷4サイクルOHC

シリンダー数と配置:単気筒前傾15°

総排気量(cm³):89

内径×行程(mm):48×49.5

圧縮比:9.5

最高出力(PS/rpm):10.5/10,500

最大トルク(kg-m/rpm):0.76/9,000

始動方式:プライマリーキック

気化器形式:PW20

燃料タンク容量(L):7.5

変速機形式:前進5段リターン

かじ取角度:43°

タイヤ:前…2.50-18 4PR 、後…2.50-18 4PR

ブレーキ形式:前…内部拡張式・右手動式、後…内部拡張式・右足動式

懸架方式:前…テレスコピック式、後…スイングアーム式

フレーム形式:ダイヤモンド
⚫️車名・CB125 JX



全長(mm):1,880

全幅(mm):750

全高(mm):1,050

軸距(mm):1,205

最低地上高(mm):145

車両重量(kg):104

乗車定員(人):2

燃料消費率*(km/L):

舗装平坦路(50km/h定速):60

最小回転半径(m):2.0

エンジン型式:空冷4サイクルOHC

シリンダー数と配置:単気筒前傾

総排気量(cm³):124

内径×行程(mm):56.5×49.5

圧縮比:9.4

最高出力(PS/rpm):14/10,000

最大トルク(kg-m/rpm):1.0/9,000

始動方式:プライマリーキック

気化器名称形式:PW24

燃料タンク容量(L):9.5

変速機形式:前進5段リターン

タイヤ:前…2.75-18 4PR 、後…3.00-17 4PR

ブレーキ形式:前…メカニカル式ディスク、後…リーディングトレーリング

懸架方式:前…テレスコピック式、後…スイングアーム式

フレーム形式:ダイアモンド

情報提供元:MotorFan
記事名:「 懐かしのホンダCBシリーズに試乗。歴代シングルの乗り味に感激。