空冷Zのスペシャリストとして知られるドレミコレクションだが

今、最も力を入れている車種のひとつがZ900RSだ

“Z”の名を継ぐ存在として認め、その世界を広げようとしている

より“Z”の血を濃くしたマシンは、なんとも美しい



Photos : Shinichi Tsutsumi, Text : Keisuke Asakura

取材協力 : ドレミコレクション 岡山県倉敷市広江1-2-22 TEL.086-456-4004 http://www.doremi-co.com/

歴代Zのエッセンスを効果的に採り入れた外装。

 車両の販売からカスタマイズまで、空冷Zを中心に'70~'80年代のマシンを数多く手がけるドレミコレクション。また、絶版パーツを復刻したリプロパーツメーカーとして、空冷Z乗りにとっては無くてはならない存在となっている。同社はZのスペシャリストとして、不動の地位を築き上げているのだ。



 そのドレミコレクションの名を、旧車ユーザー以外にも強く印象付けたのが、Z900RSのデビューと同時に発表された、オフィシャルカスタムの一台を手がけたことだろう。スタイリングのモチーフとなった、Z1/Z2のイメージを強調したモディファイは、絶賛を持って迎えられた。



 オフィシャルカスタム用に製作されたパーツは、基本的に全てを市販化する方針ということで、誰もが“Z色”の強いZ900RSに乗ることができるのはうれしい限り。そして、ドレミコレクションの“Zスタイル”は、バリエーションを拡大中。当初は“丸Z”からスタートしたものが、2018年のモーターサイクルショーでは、Z1000MKIIルック、Z1000Jルックのカスタム車を展示。現在は、'80年代の耐久レースで活躍したカワサキのレーシングマシン、KR1000をモチーフにしたマシンも開発中だ。



 こうした外装カスタムはドレミコレクションの得意とするところ。ゼファーやZRXをベースに、過去の名車を再現したコンプリートマシンの完成度は非常に高く、単なる着せ替えカスタムではなく、旧車のテイストを現代のマシンで気軽に味わえることで人気を集めている。中でも、Z900RSのラインナップの豊富さは類を見ない充実ぶり。ドレミコレクションがZ900RSに本気であることが伺える。



 もちろん外装パーツだけでなく、マフラーをはじめとしたハードパーツも積極的に展開中。旧車のZだけでなく、新時代のZであるZ900RSユーザーにとっても、愛車をカスタムするのなら、ドレミコレクションの存在は欠かせないものになりそうだ。常にチェックしておいて損はない、いや注目するのが当然だ。

Z900RSのデビューに合わせ発表された、オフィシャルカスタムと同仕様のZ1スタイル。サイドカバーやテールカウルの変更により、よりZらしさが高められる。ホイールはモーリスマグを使用して前後18インチ化。スタビリティを高めつつ、大径で幅が細めのホイールらしい、軽快なハンドリングを実現。4本出しのマフラーはレースモデルと、車検対応のストリートモデルがラインナップ。

ツヤ消しブラック塗装のエキゾーストパイプが、オーセンティックなZ1スタイルにマッチ。Z1/Z2のアイコンのひとつである、ポイントカバーのDOHCの刻印がマシンをシックに彩る。18インチのモーリスマグホイールは、7本スポークデザインが旧車テイストを加速させる。Z1タイプテールカウルが、Zのテイストを強調する。

オリジナル形状のビキニカウル、ストーンカウルは塗装済み取り付ステー付属で税抜き3万円と大バーゲンプライス。装着するだけで、マシンのイメージを大きく変えられる。Z1スタイルのテールカウルとリヤフェンダーとのマッチングは絶妙で、スタイリッシュなイメージが先行するZ900RSをワイルドに飾る。メッキ仕様の4本出しマフラーは、ユーザーの要望から生まれたものだ。

Z1000MKIIの純正ポイントカバーは、ドレミコレクションのポイントベースカバーを使用することでZ900RSに装着可能。

'80年代初頭のカワサキ本社製耐久レーサー、KR1000をモチーフにした外装も製品化間近。先にゼファー用とZRX DAEG用がリリースされ好評を博している。オリジナルマシンのリアサスペンションは、片持ち式モノショックを経て、ユニトラックの原型となるリンク式モノショックの採用に到るので、元よりモノショックを採用するZ900RSレプリカ度は先行する2車よりも高い。

カウル、タンク、シングルシートは、ディティールから察するにZ1000J系エンジンを使用していた1981年から1983年のKR1000をモチーフにしていると考えられる。フレームの形状が大きく異なるにも関わらず、オリジナルマシンの外装の雰囲気を忠実に再現しているのは、見事という他ない。

Zの正当な後継機であることを形で主張したい。


武浩

ドレミコレクション代表。アメリカでレストア中の戦闘機”飛燕”を見て、自分も旧いものを活かす仕事をしたいと考えたのが開業のきっかけ。旧車の販売、整備、レストア、カスタムを手がけ、リプロパーツ、カスタムパーツメーカーとしても高い評価を得る。

 「最初に見た時は、これはZなのかなあ?と思いましたよ。リアサスペンションはモノショックだし、フロントフォークは倒立だし……。なによりエンジンが水冷なんですから。でも、どれも現代のバイクとしては当たり前の装備ですし、新世代のZとしては、これが自然な形なんだなと、割とすんなり受け入れられましたね」



 そう語るのは、ドレミコレクションの代表を務める武浩氏。Z900RSは、Zのスペシャリストである武氏にとってもZの血族に連なるものと認められるマシンであったようだ。その反面、だからこそ気になる点もあったという。



 「Z1/Z2という存在があり、そこから長い時間を経てZ900RSというバイクが生まれた。その歴史を尊重し、Zの伝統を継承していることを、よりわかりやすく形で表現すべきだと考えたんです」



 そうした武氏の”Z哲学”に基づいて作り出されたのが、2017年の東京モーターショーに展示され、大きな話題となったZ900RSのオフィシャルカスタムであったわけだ。丸Zを思わせる優美な曲線を描くロングタイプのテールカウルや4本出しマフラーは、Zのイメージを色濃く漂わせ、大きな支持を得ることになる。そして現在、オフィシャルカスタムに装着されていたパーツ達は続々と市販化され、多くのユーザーを喜ばせている。また、武氏はZ900RSというバイクの持つ、性能と汎用性に優れるキャラクターを高く評価し、次世代のスタンダードバイクとして大きく期待を持っているのだという。



 「軽快なハンドリングは素晴らしい。エンジンのトルク感は少し物足りなく感じますが、その分回して走るのが面白い。ABSやトラクションコントロールといった電子制御デバイスの存在も有難い。老若男女あらゆる層に受け入れられるバイクだと思います。カワサキって硬派なイメージが先行していますよね?それは悪いことではないんですが、それだけでは世界が広がりません。Z900RSの親しみやすさと万能性は、多くのユーザーを獲得できる可能性があると思う。実際、ウチで作ったカスタムはモチーフがマニアックなのに、バイクを知らない人からも、カッコイイと言ってもらえるんです。そうした普遍的な良さがあるバイクなんでしょうね」

Z1スタイルの発表後に「角Zも欲しい」というユーザーからの要望に応えて製作されたのがMKⅡスタイル。見ての通り、Z1000MKⅡをモチーフにしている。燃料タンクは、インナータンク使用を前提に大胆にモディファイ。これもまた、製品化が待ち遠しいパーツ。

MKⅡスタイルで注目すべきポイントは、エンジンに追加装着されたスーパーチャージャー。製作はスーパーチャージャーチューンの製作実績が豊富なMSセーリングが担当。スーパーチャージャーの存在をアピールするため、ドライブユニットはあえてサイドに大きく張り出して装着。

エディ・ローソンが駆り、AMAスーパーバイクを席巻したZ1000Jレーサーを再現したJスタイル。サイドカバーとテールカウルはFRP製を加工してフィッティング。モチーフがマニアックなだけに、コアなファンにはたまらないだろう。メガフォンマフラーがANAの空気感を醸し出す。


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情報提供元:MotorFan
記事名:「 カワサキ Z900RSを耐久レーサー・カフェスタイルに!ドレミコレクションが提案するカスタムの発展性