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お盆の後の24日は「地蔵盆」特別な縁日です


7月も下旬にはいり夏休みの計画が気になる頃ですね。

昨日24日はお地蔵さんの縁日。毎月この日なのですが、お盆の後は「地蔵盆」といって特別にお祭りをする習わしが近畿地方を中心に伝えられています。お盆を旧暦で行うところは「地蔵盆」も8月に行います。子供の頃の懐かしい思い出という方、また「地蔵盆」って知らなかったわ、という方もいらっしゃると思います。いったいどんなお祭りなのでしょうか? どうも全国的ではなさそうな「地蔵盆」についてもう少し知りたいと思いませんか?

地蔵盆

地蔵盆


「地蔵盆」は子供が中心のお祭りです

「地蔵盆」の風習がみられるのは近畿地方が中心ですが、古くから京都と関係のあった九州北部や、北前船などが行き交った北陸や日本海沿いの地方などにも伝わったようです。根本にあるのはお地蔵さんは子どもの守り本尊という昔からの民間信仰です。お寺のお地蔵さんより、町角の祠や街道沿いに祀られたお地蔵さんが対象のようです。きれいに洗い清め赤いよだれかけを新しくします。時には化粧を施したり、米や麦の粉をかけたりする地域もあるようです。お地蔵さんは3、4段くらいのひな壇をしつらえてお祀りします。提灯やろうそくといった灯りにお花、お線香をしつらえたら、果物や皆が持ち寄ったカボチャや芋の煮物など、心づくしのお供えを飾り付けます。周りには子供たちにあげるおもちゃやお菓子なども置かれ、とても華やかでにぎやかなものになるそうですよ。

さあ飾り付けはできました。では「地蔵盆」ではいったい何をするのでしょうか? 地域によって違いもたくさんあることでしょう。今回はおもに京都で今でも行われているものを調べてみました。

まずお坊さんの読経から始まります。それがすむと集まった子供たちはゲームをしたりおやつをもらったり、また歌や盆踊りで楽しみます。そして独特なのは数珠回しではないでしょうか? 2、3メートル位の大きな数珠を皆で持ち、お坊さんの読経にあわせて、または誰かが打つ鉦の音に合わせて順に隣へ回していきます。大きな数珠玉が自分のところにきたら高く上げるのがお約束とか。無病息災、健やかな成長を願い行われるということです。

昔は子供が育つのは今とは違い難しいものでした。小さい頃に亡くなった子供は成仏できないという考えがあったそうです。賽の河原で子供がこの世の親を慕って小石を積み上げて塔を作ろうとしますが、地獄の鬼がやって来て鉄の棒で崩してしまいます。お地蔵さんはこうした子供を救ってくれるというお話が江戸時代に広がりました。お地蔵さんにつける「赤いよだれかけ」は自分の子供をお地蔵さんに見つけて欲しいと願う、親の思いとも考えられているそうです。

この「地蔵盆」は23日と24日の2日間にわたって行われます。親にとっては無事を願うお祭りですが、子供たちにとっては夏休みの大きなお楽しみ行事というのもよくわかりますね。

福井県小浜市の化粧地蔵

福井県小浜市の化粧地蔵


身近だけど、お地蔵さんってどんな仏さまかしら?

お地蔵さんは「地蔵菩薩」が由来です。お釈迦様が亡くなられた後は弥勒菩薩がこの世に生まれて衆生を救済するということになっていますが、それまでになんと56億7000万年もあるというのです。弥勒菩薩が生まれるまでの長いあいだ人々を救うのが、地蔵菩薩の役目ということです。

お寺さんに安置されている地蔵菩薩は通常瓔珞(ようらく)という首飾りをつけ、左手に宝珠(ほうじゅ)を持ち、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つか、手のひらを見せて下に下げています。でも道端で見るお地蔵さんは頭が円いだけですね。まるで丸坊主の子供のようです。地蔵菩薩であることを越えて広く民俗信仰の対象となっているのは、みなさんも実感していらっしゃることでしょう。

銅造地蔵菩薩立像

銅造地蔵菩薩立像


21世紀の今でも「地蔵盆」は続いているのでしょうか?

「地蔵盆」はこうして調べてみるととても素敵な夏の行事ですね。交通手段が便利になり社会の構造も変わって、人の動きも自由で活発になりました。反面ひとつのところに長く住み続ける人が減ってきている今、地域の人々によって作られるこのお祭りは続いているのでしょうか?

京都のように行政が積極的に「地蔵盆」を残そうと努めているところもありますが、準備をする大人達の都合がつきにくい今は、2日間行うところを1日にしたり、週末にずらすなど行事を続けるための工夫もみられます。それでも続けるのが難しくなっている、という地域もあるようです。反対に積極的に伝統を利用して地域起こしをしようと、新興住宅地や団地で「地蔵盆」を取りいれ、新しい住民の絆をつくる試みもされているとうことです。ひとつのお祭りを共有するとそこには連帯感が生まれ、地域の人々の交流に大いに役立つことは間違いありません。培ってきた伝統の重みと知恵はどんな時代も活かせるものなのですね。長く続いていくことを祈るばかりです。

どこかでお地蔵さんを見かけたら、また新しい気持ちで手を合わせられそうですか?

参考:

「京の地蔵盆ハンドブック」京都市

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