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二十四節気「春分」は、自然をたたえ生物をいつくしむ祝日「春分の日」


本日3月20日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む日「春分」。昼と夜がほぼ同じ長さになることからも大きな節目とされるこの日は、国民の祝日「春分の日」でもあります。気温もぐんと上昇し、春本番となった3連休の最終日、戸外へ出て自然を感じて過ごす方も多いことでしょう。


日天の中を行きて昼夜等分の時なり…「春分」は彼岸の中日

暖かい3連休となりました。本日20日は、二十四節気で「春分」。天文学的には、太陽が通る道・黄経0度(春分点)を通過するときをいい、世界各所で一年の大きな節目とされています。

日本では、国民の祝日「春分の日」と制定され、その意義は“自然をたたえ生物をいつくしむ”祝日とされています。また春分は、「彼岸(ひがん)の中日」とも呼ばれ、西の彼方にあるとされる「西方浄土」と交わる日。古来からあった豊作を願う太陽信仰の名残に、仏教の彼岸会(ひがんえ)が重なり、先祖供養ための寺参りやお墓参りが盛んになったと言われています。

お墓が遠方にあってなかなか行けない方は、お彼岸のお菓子ぼた餅(秋はおはぎ)をお供えして、近隣のお寺へお参りしてみてもいいかもしれません。東京から少し足を伸ばすなら、鎌倉のお寺巡りなども一興。季節の花を愛でたり、著名人のお墓に手を合わせたり…暖かい陽差しに包まれてゆっくり散策を楽しむのも、心安らぐお彼岸のいい過ごし方といえそうです。


桜に先駆けて咲く辛夷(こぶし)の花は別名「田打桜」

そんな散策中に、枝一面に握りこぶしを思わせる大ぶりで真っ白な花をいっせいに咲かせる木「辛夷」を見かけるようになりました。もともと辛夷は山野に自生し、庭木としても親しまれる落葉樹。高さは大きくなると20m近くにも達します。

桜に先駆けて咲くことからか「田打桜」とも呼ばれ、辛夷の開花が田を耕す目安にもなったのだそう。春ののどけき青空に、くっきり映える純白の花が端麗な辛夷。その清廉な美しさは、見る者の胸をはっととらえ、春の訪れを確信させます。


春の訪れの指標となる花の一つ「タンポポ」

春の訪れの目安となる花の一つが、気象台も開花日を毎年観測しているタンポポです。冬でも咲くセイヨウタンポポではなく、原則として、春に咲き始める在来種・ニホンタンポポが観測の対象。今年も福岡で2月25日、大阪で3月7日、名古屋で3月16日に花が観測され、平年よりも若干早い春の訪れになっているようです。

ちなみに、セイヨウタンポポとニホンタンポポの見分け方は、花の下にある“がく”の部分を観察すればOK。セイヨウタンポポでは下へ反り返り、ニホンタンポポでは上に向かって、花を覆うように立っているのが特徴的なのだそうです。白い花を咲かせるシロバナタンポポも(北九州や中四国では珍しくないようですが)、見かけるとちょっとうれしいものです。


間近に迫った花見の予定もそろそろ気になる頃

まだ名残の雪が降るかもしれないものの、春の花たちが次々と開花する春分の時節。桜の本格的な開花まであと少し。お花見のタイミングも気になるころ、五穀の種を神様に供える雑節「社日」を迎えます。

「五風十雨の平穏や、豊饒を祈る農家の人々の心のささえとなった」という神様「社日さん」が出てくるのは、島根出身の名陶芸家・河井寛次郎が綴った「社日桜」という随筆。その中には、社日さんの石碑の傍にあった一本桜が、「近くでは一面に花しか見えず、遠くからは大きな白雲の様だった」という情景が描かれています。やがてその桜が枯れた後…人々は一番派手で一番成長の早い木を選んで植え、丘一帯が今では桜と化したことが綴られた後、

~染井吉野は、そういう花にちがいなかった。然し、この丘を一つ越した次の丘の段々畑や、山の麓の農家の軒先などには、ひとりあるともなしに咲いている山桜などが、人に代って、静かにゆく春を惜しんでいる事は、昔と少しも変らなかった~

そう文章を結ぶ河井寛次郎。艶やかに日本全土を覆う染井吉野の麗しい桜景とはまた趣を異にして、ひっそりとはんなりと咲く山桜。その花の風情に今年の春はもっと目を向けてみたいと、心にそっと誓う春分となりました。

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