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「健康被害否定できない」学者ら3人が証言 長崎被爆体験者訴訟


 長崎の爆心地から12キロ以内で原爆に遭いながら被爆者と認められない被爆体験者44人が長崎市と県に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の口頭弁論が12日、長崎地裁(松永晋介裁判長)であり、原告側証人3人の尋問があった。医師と2人の学者が、原爆投下後の長崎で放射性降下物が広範囲で広がり、原告らが内部被ばくなどで健康影響を受けた可能性は否定できないと証言した。

 証言に立った県保険医協会長の本田孝也医師は、原爆投下から間もない時期に米軍が被爆体験者の地域や島原半島などで残留放射線を測定したデータを説明。このデータと、長崎市などの1999年度の証言調査で降雨の証言があった129地点などを重ね合わせた地図を示し、「雨や灰などの放射性物質が広範囲に降り、原告が健康被害を受けたことは否定できない」と証言した。

 放射線の生物影響が専門の高辻俊宏・長崎大名誉教授は、放射性物質を吸い込ませたラットの肺組織が被ばくの影響で損傷したとする実験結果を提示。「人体でも放射性微粒子を空気と一緒に吸い込んだり、食べ物と一緒に口に入ったりすると、狭い範囲ではあるが、大きな線量の被ばくを受けることになる」と指摘した。

 また、物性物理学が専門の矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授は、原爆投下後に発生した原子雲は水平方向に広がり、雲の下では雨の有無にかかわらず被ばくする環境があったと説明した。

 次回は7月3日、被告側証人の医師の尋問がある。【樋口岳大】

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