米東部ニューヨーク（NY）州の大陪審に起訴されたトランプ前大統領は5日、司法省と連邦捜査局（FBI）への予算を削減するよう共和党議員らに呼びかけた。自身のソーシャルメディアで「民主党は我が国の法執行機関を完全に『武器化』している」と批判し、「議会の共和党は、司法省とFBIが正気に戻るまでその予算を削減すべきだ」などと投稿した。
トランプ氏は2016年大統領選の前後、自身に不利な情報を有権者から隠そうと、不倫の口止め料支払いなどに絡んで業務記録を改ざんしたとされ、34件の罪状で起訴された。NY市内の裁判所に4日に出廷した際は、全てについて無罪を主張。同日夜の演説では、24年大統領選への立候補を表明している自身に対する「かつて経験したことのない大規模な選挙妨害だ」などと検察側を非難していた。
共和党が多数を占める下院は23年1月、司法委員会の中に「連邦政府の武器化」を追及する特別小委員会を設置した。主導したのは、トランプ氏の側近で、保守強硬派で作る「フリーダム・コーカス（自由議員連盟）」の初代会長でもあるジム・ジョーダン司法委員長だ。ジョーダン氏は2日のテレビ番組で、司法省やFBIへの資金供給の制限に言及したが、こうした意見が共和党内でも広がるかどうかは不明だ。【ワシントン西田進一郎】
