「論理国語」初検定＝「探究」重視、ページ増―来春の高校教科書・文科省

　文部科学省は２９日、２０２３年度から主に高校２年生が使う教科書の検定結果を公表した。４月から高校で始まる新しい学習指導要領で導入された「論理国語」や「日本史探究」などの選択科目が初めて検定を受け、共通の８教科１８９点が合格した。 　講義中心の授業から、生徒が能動的に学ぶ「主体的・対話的で深い学び」（アクティブ・ラーニング）への転換を促すため、多くの教科書にリポート作成や討論など「探究学習」の手法が盛り込まれた。これを受け、ページ数は現行の教科書よりも全体的に増えた。 　国語の科目が再編され、現代文に代わり、論理的に書いたり批判的に読んだりする力を育成する「論理国語」と、文学作品を扱う「文学国語」が新設された。検定では、評論が中心の論理国語に、参考資料として小説が掲載された２社の教科書も合格した。　 　「強制連行」や「従軍慰安婦」という表現が不適切だとする昨年の閣議決定を受け、日本史探究のほか、「世界史探究」「政治・経済」の教科書に対し、政府見解に基づく記述がされていないとする検定意見が付いた。 　社会情勢を反映し、新型コロナウイルス感染症を題材にした記述が多くの教科書で取り上げられたほか、今年４月からの民法の成人年齢引き下げに関する記述も多く見られた。（了）【時事通信社】