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「悲しい偶然」、募る無念さ=教え子2人が犠牲に―恩師の野村さん・大阪ビル放火


 大阪市北区の雑居ビルで発生した放火殺人事件で、犠牲となった25人のうち2人は、年代は異なるものの奈良市内にある同じ高校の少林寺拳法部出身だった。「本当に悲しい偶然。いまだに信じられない」。2人を直接指導した恩師の野村裕さん(72)は、やり場のない憤りと無念の思いを募らせている。  教え子2人は、男性会社員(43)=奈良県生駒市=と、火元となったクリニックでカウンセリングを担当していた公認心理師の赤根美結さん(28)=大阪府枚方市=。  野村さんによると、男性会社員は小学校時代から少林寺拳法を始めた実力者で、「仲間からも慕われ、リーダー的存在だった。寡黙だがしんの強い生徒だった」。2人一組で行う「組演武」では、組む相手を毎回代えても対応できる高い技術を持っていたと、当時をしのんだ。  一方、赤根さんは高校入学後から始めた初心者だったが、真面目に黙々と練習に励む姿が強く印象に残っている。1年時に近畿大会で6位以内に入賞。その時に写した、ガッツポーズで笑顔を見せる赤根さんの写真を手に、野村さんは「明るく活発な子だった」と振り返った。  現在も同じ高校で外部監督として指導を続ける野村さん。現場ビルを訪れ2人の冥福を祈った3日後にあった昨年最後の練習で、現役部員に「先輩の2人に届くような形で練習納めをしてほしい」と呼び掛けた。部員がしっかり頑張ることが弔いになるのではないかとの思いからだった。  「いくぞー」。練習開始の合図を告げる際、野村さんはメガホンを使って教え子2人の名前を思い切り叫んだ。メガホンは赤根さんの学年から卒業記念として贈られたもので、寄せ書きの中には、「先生のおかげで、少林寺部に入ってよかったと思えました」と、赤根さんの感謝の言葉がつづられていた。  野村さんは、放火したとされる谷本盛雄容疑者(61)=死亡=について「亡くなっても、刑に服したとしても許せない」と語気を強めた。「僕にできるのは2人をしのぶこと。無念という気持ちしかない。こういう事件が二度と起こってほしくない」と願った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲となった放火殺人事件で、教え子2人が亡くなった野村裕さん。手にしたメガホンは、2人のうち公認心理師の赤根美結さんらから卒業記念として贈られたもので、寄せ書きには感謝のメッセージがつづられている=6日、奈良市
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