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3月18日開催「VR/AR/MRの未来」イベントレポート


東京都中野区「中野区産業振興推進機構」にて、” ICTCO最先端技術セミナー ”「VR AR MRの未来」が3月18日に開催されました。


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早速、イベントのレポートが届きましたので、その模様をご紹介したいと思います。


イベントレポート


まず、冒頭に主催者である「中野区産業振興推進機構」理事長の板生清氏より挨拶がありイベントがスタートした。


板生清氏


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ICTCO(イクトコ)は中野区が進める産業振興拠点の拠点として「区内のICT・コンテンツ関連産業の集積・促進及びICT・コンテンツを活用した産業振興の促進を図る」ことを目的として2013年に設立された。


このICTCO最先端技術セミナーはハード/ソフトのテクノロジーサイドと、コンテンツサイドの、相互理解を深め、優れた新しいプロダクトやサービスが生まれる素地を作る一助にするという目的で企画され、今回がその第一回の開催になる。


登壇者:秋山貴彦氏


最初の登壇者秋山氏は、1990年代より先駆けてライドシミュレータ映像など、手掛けてきており、現在はTokyo VR Startupsのメンターも務めている。


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「テクノロジーとコンテンツの相互発展とAR/VR」と題した今回の講演では、絵画も一種のVRとの認識からその歴史的背景に及び、リアリティを生み出す技術の発展が表現の発展を促し、今日に至っていることを時系列で解説された。


また、本人の個人的なコンピューターとの出会いと重ね合わせて、その技術がコンピューターと結びついたことが革新的な表現の飛躍を呼び起こしたこと、それが今日でいうVRの端緒と位置付けた。


モンテカルロINA’94グランプリを受賞した自身の作品「Inter Galactic Interface」の映像紹介、バーチャルアクターの実験として映画「河童」、「ACRI」、「Final Fantasy」、そしてテレイグジスタンスがテーマの「HINOKIO」といったVRと結びついた一貫したテーマ性を解説した。


2011年からの取り組みであるImmersive Digital Entertainment(IDE)、これは新世代型ロケーションベースドエンタテインメントと呼ばれ、映画などのコンテンツの一部を追体験出来るエンタテインメントと紹介した。


その他、2013年に行ったCanon M- realを使用したARコンテンツ「Music box」やAR/VR技術を映画制作に応用したオンセットプリビズなどの紹介を行った。


登壇者:阿部聡也氏


阿部氏は、テレビ朝日メディアプレックスでVR事業を統括するビジネスプロデューサーとなる。


当日は、テレビ局関連の番組コンテンツなどを担う立場から、最前線でのビジネス事例を紹介した。


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VRの使われ方・ビジネスモデルなど、以下6パターンを紹介した。


1.イベントアトラクション :機器の普及前には一番現実的なビジネスモデルである

モデルパターンは、PRイベント、季節イベント、VR専門施設、遊園地、等。最近はHMDをつけたまま移動するルームスケールが一般的。


2.ゲーム :一番わかりやすいビジネスモデルとなる

モデルパターンは、有名ゲームのVR化、ネットワークゲーム、カジュアルゲーム、等


3. B2B実用ツール

今後期待が高まる分野であると考えている。

実用例パターンは、医療シミュレータ、不動産内見、バーチャル講義、建築シミュレータ、等


4.360°動画

主に実写映像を360°で記録する。

コンテンツパターンは、音楽PV、映画予告編、バラエティ、アイドル映像、旅行体験、等。


5.SNS&メタバース的VR

仮想空間を複数人でコミュニケーションなどで共有する。

本件はまだ成功事例はないと考えている。


6.インターフェース(OS)化

VR自体をインターフェイス化する動き。

バーチャルデスクトップ、CGモデリング、プラモデルなどの組み立て、お絵かきツール、等


登壇者:高橋忍氏


日本マイクロソフト エバンジェリスト「高橋氏」は、PC等のデバイス、インターフェースの変化はマイクロソフトとして常に考えていて、その文脈でのHoloLensという位置づけを説明した。


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マイクロソフトが考えるVR、AR、MRの概念の話が整理され話された。


特にARとMRの違いについて、物理世界とバーチャルの映像を単に重ね合わせて相互に干渉しないのがARとなり、物理世界とバーチャルを融合して相互に干渉する(例えば、現実の机の上にバーチャルなオブジェクトが置かれるなどバーチャルなモノが現実のモノと同じような振る舞いをする)のがMRと具体的に説明された。


MR機器であるHoloLensの概要の説明もおこなった。

HoloLensは、PCなどが不要なスタンドアロンの機器であり、インターフェースはキーボードなど物理的なデバイスはなく音声とジェスチャー(ハンズフリー)で行い、シースルーなレンズにホログラフィックを出せること、などが特徴。


さらにもう一つの特徴は、Windows10ベースであることから、操作慣れしやすく、アプリケーション自体もも揃いやすいとも説明された。


高橋氏は最後に、今後のコンピューターは、画面がインターフェースではなく、空間がインターフェースになるという考えで話はしめられた。


パネルディスカッション


VR/AR/MRの課題と、その解決の方法、そしてその先の未来について、モデレーターからパネリスト各氏に質問が行われた。


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秋山氏

VRはHMDを被らなければいけないこと自体がハードルである、このあたりをハード、ソフトでどうクリアするかが課題だという。


また今後デバイスがどんどん変わっていき、そのサイクルも短くなっている中で、我々のコンテンツを将来見ることが難しくなるはずであるとし、規格化、アーカイブ化をどう図っていくかが課題であると考える。


阿部氏

実務的な観点で、高性能な業務用カメラなど機器がまだまだ高価格であることが大きなハードルである。


またVRは、子供に対する健康面・安全面のリスクが指摘されており、子供にどのように体験させるか、子供が使用できるような製品をきちんと出せるか、などの課題があると考える。


高橋氏

HoloLensがハードウェアとして技術的に足りないことは、用途次第では既にないと言っていいが、ゴールを先におけば、足りないことだらけであるとも言えるようである。


またアプリケーションに関しては、用途先が限定的であれば用途あたりのコストが高くつくが、用途先が広ければ、用途あたりのコストを下げることが出来る、そうしたことを踏まえてアプリケーション側のエコシステムが確立されていく、ビジネスになっていくことで、技術的にも向上しハードの普及も進むことが期待できるとしている。


モデレーター板生氏から

ビジネス化の上で何が課題か、例えば規格化や安全面などもあると思うが、各氏はどう考えますか?


高橋氏

アプリケーションの収益モデルの確立が必要であるとの考える。

そのために、開発、コンサルなど様々なプレイヤーを作っていくことが必要で、マイクロソフトとしてもそうしたパートナーの発掘、育成に取り組もうとしている。


秋山氏

コンテンツ側からすれば、VRは映画のような回収モデルがまだ確立されていないので、まだ投資フェーズにあると認識している。

コンテンツ製作費を集めるというより、シード的な投資を行うような時期であると考えている。


阿部氏

現時点ではスマートフォンが現実的なデバイスだが、そこ幅広いユーザーが課金をするかというと、まだその時期ではないと思われる。

現状は、一部のユーザーがアイドルなどに課金するようなフェーズであり、数年間はそのレベルの手探りが続きそうだと考えている。


高橋氏

マンションのような高価な商品のPR用途などであれば、現状でもコストが合うと考えるが、そうした分野にうまく投資をするのが先決である。


最後に板生氏から、当初はエンジニアとクリエーターの融合をどうするかが課題だと思っていたが、そうした垣根ではなく、結局ITをどう活用し、人間にとって安全安心な社会をどう作っていくが共通の課題であるという思いを強くしたとイベントはしめられた。


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レポート提供:アプリコ 内山 順ニ氏(イベント司会)


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